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北海道知事定例記者会見2023.9.12より抜粋

日時/令和5年9月12日(火)15:07~15:57
場所/記者会見室
記者数/17名(テレビカメラ1台)

記者からの質問
(NHK)
 二点伺います。まず一点目なのですけれども、昨日の札幌地裁で、元道職員の女性ですかね、同性の扶養認定についての裁判の判決がありまして、そこで原告側の訴えを棄却しました。この件に限らずなのですけれども、国では今年に入ってLGBT法案で、理解促進の法律が成立するなどそういった動きも広がる中で、札幌市でもですね、条例の制定に向けた動きが出てくるなどの状況があります。これについてLGBTの方々に対する理解促進について、道として、現時点でどのように考えていらっしゃるかということをまずお聞かせ願えればと思います。よろしくお願いします。

(知事)
 道では、「(北海道)人権施策推進基本方針」を令和3年7月に改定いたしました。新たに性的マイノリティを対象項目に加えて、理解促進などの施策を進めてきたところであります。本年6月に国において、いわゆる「LGBT理解増進法」が成立いたしました。道としては、法で示された地方公共団体の役割なども踏まえながら、引き続き、職場向けの「にじいろガイドブック」の発行や、当事者を講師とした理解促進セミナーの道内各地での開催など、性の多様性に関する知識の着実な普及を進めていくとともに、さまざまな生きづらさを感じておられる当事者の方々のために、多様な相談窓口をお知らせしていくといったことなど、性的マイノリティの方々が暮らしやすい環境づくりに向けて、理解と適切な配慮の輪が広がるように取り組んでまいります。

(NHK)
 ちょっと今の質問に関連してなのですけれども、条例の例えば制定についての動きなどについては、今のところ具体的な何かを考えているものはありますでしょうか。

(知事)
 国では、「LGBT理解増進法」が成立し、性的マイノリティに関する議論が進められていると認識しています。性的マイノリティの方々の暮らしやすい社会の実現におきましては、今、基礎自治体でパートナーシップ制度などがありますが、国において、やはりしっかり議論を進めていただく必要があるのではないかというふうに考えています。

(北海道新聞)
 今の他社さんの質問にちょっと関連するのですけれども、同性パートナーの扶養を認めないことを巡る元道職員の訴訟に関連して伺うのですけれども、そもそもこの訴訟の発端はですね、道の条例解釈で、同性パートナーの扶養を認めないということがきっかけで始まっている訴訟なわけですけれども、先ほど知事、答弁にもありましたけれども、LGBTの理解を促すような法案の成立ですとか、さまざま社会情勢が変化している中で、現状、道として、この条例の解釈を変えてですね、今回の訴訟はあれですけれども、今後どういった事例があった場合に扶養として認めるような考え方があるか、また検討する考え方があるかどうか教えてください。

(知事)
 職員の扶養手当等についてでありますけれども、これは国における取り扱い、こういったものを踏まえて、道として適切に対処しているところでありますので、今後とも、そのように対処していきたいと考えています。

(北海道新聞)
 こうした条例の解釈を巡ってはですね、報道などによれば、東京都ですとか三重県ですとか佐賀県など、全国で11都県でですね、同性パートナーがいる職員にも扶養手当を支給できるというような解釈をしているようなのですけれども、道は、これを特段行っていないようなのですけれども、こういうような自治体がある中で、道がやっていない理由というのはどういうことなのでしょう。

(知事)
 今ご指摘のあったようなですね、一部自治体において、そういった支給できるとしているところがあることは承知しております。これは国における取り扱いなども踏まえて適切に対処していくという、道としての考え方であります。

(北海道新聞)
 道はですね、昨年3月に作成した性の多様性を認める職場づくりのための啓発集「にじいろガイドブック」にですね、異性間、同性間を問わず、婚姻関係のないパートナーがいる従業員についても、扶養手当などの対象とする企業もあると明記してですね、こうした先進事例として紹介をしているわけですけれども、道内の企業にはこうした扶養の取り組みを促しつつも、道庁自らはこうした職場環境の整備に踏み切らないというのは、ダブルスタンダード、矛盾にも見えるのですけれども、この整合性についていかがでしょうか。

(知事)
 これは地方自治体において、国の方針を踏まえた中で、取り扱いについて対応しています。確かに一部地域において、そういった支給できるとしているところについては、その存在を承知しておりますが、多くの地域において(道と)同様の取り扱いで対応している状況にあるというふうに考えています。

(北海道新聞)
 そうしたら、どうしてこの「にじいろガイドブック」には、そういうものを先進事例のようにして書いているのでしょうか。これを真似して欲しいということではないという意味なのですかね。

(知事)
 私はその詳細、背景などについて、ちょっと今この場で承知していないので、正確な理解を得た上でお話ししたいと思いますが、さまざまな取り組みを民間事業者が行っていただいている、そういう情報を共有する意味から記載しているのではないかというふうに考えています。ちょっと後ほど(担当者に)聞いてみたいと思います。



(毎日新聞)
 先ほどの札幌地裁の給与条例の関係で追加でお尋ねしたいのですけれども、国の取り扱いを踏まえて適切に対処していくということは十分理解したのですけれども、それとは別にですね、一部の自治体では、たまたま好きになる人が同性であるということを理由にですね、結婚ができないというのはちょっと社会的にどうなのかということで、補う形でパートナーシップ制度みたいなものがどんどん進んできていると思うのですけれども、こうした動きに対して、知事自身はどのような政治信条を持っていらっしゃるのかというのを聞かせてください。

(知事)
 先ほど申し上げましたけれども、やはりそういった理解を促進していく必要性についてはですね、国の増進法が成立する以前から、広域自治体として、その役割を果たすべく、「人権施策推進基本方針」を改定し、性的マイノリティを対象項目に加えた中で、さまざま施策については進めてきたところであります。今後とも、性的マイノリティの方々をはじめですね、生きづらさを感じておられる当事者の方々のために、暮らしやすい環境づくりに向けて理解と適切な配慮の輪が広がるように、道としては取り組んでいきたいというふうに考えております。

(毎日新聞)
 その暮らしやすい環境づくりのためにですね、一部の自治体のトップの政治家の判断ですとか、議会の判断で、制度をつくり変えていっているというのが現状としてあるのですけれども、それを道が現時点で取り組まないというのは、知事としてそれを取り組む必要がないと考えていらっしゃるのか、それとも国との、民法ですとかとの整合性を重視して、国の動きに合わせて取り組んでいくというお考えなのか。

(知事)
 扶養手当に関してですね。

(毎日新聞)
 扶養手当、はい。

(知事)
 やはり扶養手当などに関しては、国における取り扱い、これを踏まえていきたいというふうに思っています。

(毎日新聞)
 それは扶養手当のみの話なのですかね。

(知事)
 全般に関しては、前段でお答えした考えの下で理解促進に努めていきたいと思っています。扶養手当等については、国の内容を踏まえて、適切に今後も対処していきたいというふうに考えています。

(毎日新聞)
 そこでちょっと、扶養手当ではちょっと一歩とどまっているというのは、どういった理由からなのでしょうか。

(知事)
 (扶養手当等については、)国の状況を踏まえて、われわれとしては対応していきたいと考えていますし、そのことが私は妥当だというふうに考えています。


(朝日新聞)
 最後になのですが、先ほどから縷々出ていますLGBTの関係で、先ほど他社さんがお伺いされた点で、当方ちょっと気になった点なのですが、つまり、ちょっと違う聞き方をさせていただきますと、知事、個人的な体験の中で、LGBTであったりとかLGBTQであったりとかですね、そういった方々についての知事ご自身の体験として、どのように向き合ってきたか、そして、その上で、国とか制度の問題は別としてですね、知事個人、政治家として、LGBTQなどの問題についてどのように携わっていきたいか、少なくとも今、方針は示せなくてもですね、政治家鈴木直道として、この問題をどう認識してどう進んでいきたいのか、制度とは関係なしに、まずお考えをお伺いしたいと思います。

(知事)
 私はまず、理解を促進していくことが重要だというふうに思っています。また、さまざまな考えがあるのも事実だと思いますので、その議論自体は行っていく必要があるのではないかというふうに思っています。

(朝日新聞)
 とすると、知事ご自身の考えであるとか受け止め方であるとか、ご自身の接し方というのは、今の段階で公の場では表明できないという理解でよろしいですか。

(知事)
 今お話ししたとおりです。私自身の考え方です。


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