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切腹布教活動9 「切腹DVD4<情怨>」

切腹DVDに新たなる風が吹いた。愛好者であるナイトメア氏から提案があり、彼が携わっているYouTube配信の「朗読絵物語」というのを見た。これはSF世界の物語を、役者とCGとを合成させながら作っていた。これが意外に面白く、完成度が高い。素人ながらにもこのレベルなら全く問題ない。こんな技術で切腹を撮って見たら面白いんじゃないか。

どういった画面になるかわからないが、試してみる価値はある。私の表現する(好みな)切腹はファンタジーなので、リアル撮影ではできないこともあるし、出来たとしてもお金がかかる。CGもきちんと作ろうとすればそれなりの機材が必要であろうが、可能性、ということを考えれば、ある程度でいいと思うのだ。題材はナイトメア氏らクルーが作りやすいことを1番に考え、氏にイメージ作りをお願いした。

そしてシンプルな切腹題材3話が提案された。①女性切腹の元と言われている「播磨国風土記」をイメージしたファンタジー。②戊辰戦争の流れから、会津婦女隊の挺身部隊をフューチャーし、捕らえられ、官軍を恨みながらも、腹切りを訴えた実話、神保雪子嬢を元とした話。③終戦間近、北方領土の真岡電信局基地にソ連軍が接近してくる。日本国のために働く女子たちは、屈辱を受けぬよう集団自決を決意する。この3話をショートストーリーで展開していく。

撮影時は壁にブルーの布を張っての撮影。演技で苦労したのは、③の電信局で働く姿。写真で昔の交換手の姿は見たことあるが、どう演技するのかがイマイチわからない。「線を入れたり抜いたりするんですよね」このくらいの知識しかない。ナイトメア氏に説明を受けながら何とかイメージする。そう、最終的に全編にCGがつくのだから、いつもよりイメージを膨らませて演技しなければ合わなくなってしまう。

約半年後、このDVDは完成した。タイトルは「情怨(じょうえん)」。このCGの出来に私はびっくりした。ここまでできるとは正直、思っていなかった。①「播磨国腹辟沼」これは本当にファンタジー作品であった。絵本の中に入ったような作り。乙女チックな映像である。②「会津婦女隊」覚悟の腹切り。潔い腹切りが表現できた。③「真岡郵便電信局」こだわりの映像だろう。局内でのシーン、私は二人役をしている。青酸カリを飲む者。手持ちのナイフで切腹する者。切腹シーンとしては淡白だが、物語の心情風景は見事に現れていると思う。私はこのDVDに新たな期待を込めることができた。「いろんな物語が作れる」と。

2014年4月28日発売

制作/編集 ナイトメア  撮影/編集 神奈川栄  音楽/音響 桂洋吾  制作協力/風俗資料館

この後DVD「情怨」は、2016年ロサンゼルス「ネオノワール祭 短編映画部門」に出品。ブロンズ賞を頂いた。

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この受賞を機に、ダイジェスト版をyoutubuにアップした。ぜひ見てもらいたい( ´ ▽ ` )(18禁です)


https://youtu.be/XCd1Nh7AdGw







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