にのみやさをり
作曲。即興。
写真家にのみやさをりのお仕事。
五百字で描く小さな世界。
誰も何も言わない むしろ 今 交叉点の真ん中で転んだ 君は 単なる異物で 邪魔な障害物で 点…
昔作成したアルバム「彼の地」の中から。 即興でいくつかの音色を重ねて作ったものになります…
波がよせてまた返すように 返してはまた寄せるように 去りゆく人と 巡り合う人と そうして織り…
石蹴りはもう飽きたの 次は影踏み鬼 そうして散り散りになる 子供のはしゃぎ声もやがて遠のき…
別に理由なんかない 不意に思ったんだ 真っ直ぐに ただ真っ直ぐに 手紙を書こう 君に 手紙を…
おのずと明ける夜はなく 夜を明かすのはこの 僕らだ おのずと繋がる縁などなく がらくたの中…
時計の音ばかりがひとり 響き渡る 地下道は一面 天井の 人口灯で照らし出され 足音を落とし…
夜明けの地下鉄 花束を買う 自動販売機 幽かな音をさせて落ちてきた花束は 葉脈の先端までも冷…
どうして抱いたの なんて、そんな問いは 無意味だ。だから君、もう僕にこれ以上 繰り返すのは…
あの朝 割れた鏡の破片を 君はもう捨てたかい? 僕の手が 君の手が 握っていた鏡は あの時の…
わたしとあなたの 距離は適当に 聴こえたら返事して 聴こえたとだけ それ以上でもそれ以下でも…
君が駆けて来た 嬉しい嬉しい、と こんなことがあったんだ、と 身振り手振りいっぱいにして …
物語を聴かせてあげよう どこにでもある、でも忘れられている物語を しぃっ、黙って、黙って聴…
昨夜まで在った コンクリで堰き止められた川縁の 片側の泥地は 翌夕、訪れた今、その跡形もな…
ふきこぼれる寸前で火を止める 真夜中のミルクは 妙に甘くなる 口中に拡がるその甘さにじっと …
冷え切ったコーヒーはどこか 血の味がする 何処にでも売っている剃刀の刃で昨夜 ぱっくりと切…