オフラインエディターのリュックの中身
こんちゃ。サンゼです。今回はオフラインエディターとして活動しているサンゼのリュックの中身を紹介したいと思います。
■■オフラインエディターってなんぞや?
コマーシャルの構成を建てる編集のことです。間やリズム感が大切なので、直接クライアントの目の前で立ち会い編集をしながら映像を作り込んでいきます。
そのため、正確性と度胸と即興性が大切な仕事です。
オフラインエディターの仕事内容について詳しく知りたい方は
しげぞうさんのnoteを見てください。
▼ECHOのブログコンテンツにはCM編集の流れをまとめた動画を用意してますので興味のある方はECHOのメンバー登録をよろしくおねがいします。
■■作業する場所
オフライン編集は本来、ポストプロダクションという編集スタジオで行うのが伝統的なのですが、最近はクライアントのニーズの関係で制作会社の会議室で行うことも多いです。
そのため、エディター側で機材を用意して持ち込みで編集する機会が増えました。
■■機材を紹介
サンゼが普段持ち歩いている機材を紹介していきたいと思います。かなりニッチな内容なのですが、今後オフラインエディターを目指す方がイメージしやすいように共有していきます。
また他のエディターの方が、どんなものを使っているのか気になるので『これ便利だぜ!』って物があれば是非コメント欄で情報交換できるとありがたいです。
■■リュック
○リュック AER 33L TRAVEL PACK 2
いろいろリュックを探してきたけど、これが終着点な気がします。
After effects 使いのための名前? 『AER』
▼オススメポイント
・Mac Book Proを単体で収納できるスリーブが付いている(マスト)
・メインの収納空間の容量が半端ない
・細かなポケットが付いているのでSSDなどを収納しやすい
・キーボードやペンタブを独立して入れる事ができる
・リュックを背負った時に胸元でロックできるので長時間移動も楽
・サイドのジッパーを開けるとリュックを完全に開くことが出来る
▼デメリット
サイドポケットが無いので小型三脚などをリュック脇に差して運搬したい人にはおすすめできない。
■■編集機材
・MacBook Pro - 2021年モデル 16インチ
▼スペック
4TB SSDストレージ
Touch ID搭載バックライトMagic Keyboard - 英語(US)
10コアCPU、32コアGPU、16コアNeural Engine搭載Apple M1 Max
64GBユニファイドメモリ
・MacBook Pro - 2019年モデル 16インチ (緊急用)
▼スペック
4TB SSDストレージ
CPU 2.4 GHz 8コアIntel Core i9
メモリ 64 GB 2667 MHz DDR4
GPU AMD Radeon Pro 5500M 8 GB
▼ポイント
トラブル回避に注力する
Mac Book Pro 2021の1台だけで作業したいけど、新しい製品だからどんなトラブルがあるかわからない。立ち会い編集がメイン作業なので、新しい機材を使う時はバックアップ体制が大切。
クライアントにプレビューしてる際に、思いも寄らないトラブルで試写が止まるとまずいので念の為、新しい機材を使用する時はバックアップ体制として作業マシンは2台用意しています。重たい、、笑
Dropboxで2台のマシンのデータを共有
オフライン編集データは基本的に一案件1TBもいかない事が多いので、素材はDropBoxに全てアップロードして2台のマシンを完全に同期します。
こうしておけば、仮にMBP2021がクラッシュしても、シームレスにMBP2019で作業できるので、お客さんに迷惑を掛ける可能性が下がります。
キーボードはカスタムでUSキー配列のものを使っています。
日本語キーボードでも作業自体は問題ないのですが、ソフトウェアの開発元がは海外なので開発環境と同じレイアウトで使いたいというこだわりがあります。
実際問題、出張する際は別でキーボードを用意するので、本体搭載のキーボードを使うことは殆どありません笑
スペックは可能か限りカスタムでパワーアップしています。
これでご飯を食べているので、妥協はできません。マシンがしょぼいと出張編集時に苦しい思いをするのは自分なので、、、
余談
ひところは、Mac Pro 2013(ゴミ箱?骨壷?)を持ち歩いていました。
パワーと見た目のイカツさからクライアントのウケ的には悪くなかったけど、やっぱりノートブックの方が現場編集や代理店の方にサクッとデザインをチェックしてもらうときも機動力があるので便利だと感じました。
■■モニター周り
・モニター EIZO FlexScan 24.1インチ
かなり荷物にはなってしまうんですが、モニターを持ち歩いてます。16インチのMacのモニターでも十分編集できるのですが、長時間作業になる場合は体への負担が多いため、素直に大きいモニターを利用することが多いです。
さすがに重たいので、タクシーで運搬しています。
本来はColorEdgeなどの10Bit出力のモニターを使用するのがベストですが、軽量性をとってFlexScanを利用しております。
・HDMI ケーブル iVANKY USB Type C to HDMI 3m
モニターとMacの接続に使用します。
・モニター運搬用のキャリングバッグ ROCCAT Tusko
謎のトラのロゴがなければ完璧だと思ってます笑
■■入力デバイス周り
・キーボード Keychron K1 Wireless Mechanical Keyboard 茶軸
キーボードはUSキーで、テンキー付きのフルキーボードがマストです。編集ソフトでタイムラインで数値入力することが多いため、テンキーが必須になります。
・ペンタブ Wacom Intuos Pro M
ペンダブの有用性は言うまでもないのですが、操作のスピード感や正確性が格段に上がります。
・ペンの木製グリップ
これはなくても問題ないんですが、オススメです。手のなじみが良くなるし、ペンが軽くなるので長時間作業にも向いていると思います。
■■細々としたサムシング
・クッションポーチ THE NORTH FACE『Shuttle Canister L』
クッション性が素晴らしくて、細かな機材を入れるのに使用しています。
廃盤になってしまってなかなか入手しにくくなってます。
・USB-C メディア ハブ Anker PowerExpand+ 7-in-1 USB-C PD
MacからHDMIで会議室のモニターにプレビュー映像を出力するために使用します。本来はブラックマジックのコンバーターを噛ませてTVモニターにビデオ信号として映像を出力するのが正しいです。
ですがMacの拡張モニター扱いで使用したほうが、イラレデータなどの確認をその場でクライアントに確認するときにスムーズだったりします。
悩ましいところなのですが、プレビュー用のテレビに直接接続してしまってます。
・HDMI ケーブル Snowkids hdmi ケーブル 5m 4k 60hz hdmi
編集マシンからPremiereのプレビュー映像をテレビに直接出力するために作ります。余談ですが、テレビごとに癖があるので、モーションエンハンサーなど変な設定が入っていないか確認するのが大切です。
・Apple EarPods 有線イヤホン
編集時はなるべく有線で遅延がない状態で作業します。
無線は遅延するので編集作業に使うのはまだ早いかなと思ってます。
・マルチカードリーダー
念の為携帯しています。
・iPhone 充電器 Anker PowerCore Fusion 5000
・Rampow ライトニングケーブル
・Rampow USB Type C to USB 変換アダプタ
こんなんなんぼ合ってもいいですからね笑。結構多めに持っていて筆箱にも忍ばせてます。
・ラップ トップ 冷却 パッド hagibis
Macの冷却に使用しするゴムの足です。プラシーボかもしれませんが念の為置いてます。
●マイクは携帯してないです
一時期は仮ナレ用にUSBマイクを持ち歩いていたこともあったのですが、オフライン編集では仮ナレが収録できれば十分なので今はiPhoneの録音に落ち着いています。
最近はiPhoneからAirDropでMacにサクッと転送できるし、何よりできるだけ荷物も減らしたい。結構リュックが重たくて肩こりになります笑
■■ストレージまわり
・クッションポーチ THE NORTH FACE『Shuttle Canister』(廃盤)
SSDを安全に運搬するために使います。できるだけ衝撃を与えないようにクッション性の高いものがオススメです。色味も可愛いものが多いのが気に入ってるポイントです。
■ワーク用SSD SanDisk ポータブルSSD 1TB × 2台
これはワーク用でUSBフラッシュメモリー代わりに使ってます。
・SanDisk ポータブルSSD 専用保護収納ケース
SSD衝撃から守ったり、バイク便で素材を送ったりする際にコンパクトなケースが有ると重宝します。
■ストックフッテージ用SSD SanDisk Extreme900 2TB
・Action Essensials
Video copilot社のストックフッテージ。とりあえず買っておいて間違いない素材です。実写素材はいくつか持っていると安心です。
・FX Collction
結構高めですが、REDのRAWで撮影されたストックフッテージです。データが重たいので購入すると海外からHDDにてデータが届きます。ハイクオリティなものが多いので出来れば持っておきたいフッテージです。
・Rocket Stock
比較的リーズナブルな素材が多いです。レンズフレアやダスト系が多いです。素材自体がMP4だったりするので極端なカラコレには耐えれないですが、素材にバリエーションが欲しいときはあった方がいいと思います。
■■現場編集の時のプラスアルファ
撮影現場での編集では普段の会議室編集では使わない機材を使用します。
・UltraStudio HD Mini
撮影現場のVE・DIT(ビデオエンジニア)さんからのアウトプットを映像をリアルタイムキャプチャーをするために使用します。以前は東京オフラインセンターなどでレンタルしていたのですが、安定性の問題から自前で用意するようになりました。
・同軸ケーブル
・Aputure AL-MC RGBWW LED撮影ライト
撮影現場は薄暗いので手元を照らすために使用します。撮影現場のVEさんがライトを貸してくださることも多いのですが、頼りにしすぎては良くないと思うので自分で用意してます。
見た目が可愛くて、操作感や使い勝手が良いです。
・Manfrotto ミニ三脚 PIXI
Aputureのライトの足に使います。作りや質感が堅牢で好きです。
・セキセイ マルチケース 超厚クッションケース 245×320
機材を安全に運搬するために使用してます。
■■編集時によく使うソフト
・Adobe CC
Premiere Pro / After Effectsをメインツールとして使用しています。
・Blackmagic Desktop Video
UltraStudio HD Miniでリアルタイムキャプチャーをします。
・Dropbox
マシン同士のデータ共有のために使用します。また、万が一ローカルのSSDがクラッシュしても作業データをクラウドに上げておけば復旧も楽なので、機材トラブルがあっても仕事がストップする確率が下がります。
・4K Video Downloader
YouTubeなど様々なデータをダウンロードする際に使用します。Vコン作成時のリファレンス映像集めなどでも重宝します。
・Artlist
Vコン作業のBGM選定で活躍しています。結構ゴージャスな感じの曲が多いため、映像がショボいと曲のクオリティが逆に悪目立ちしてしまうことも、、
映像と音楽のクオリティは同じレベル感にしないと相乗効果が生まれないということを改めて感じます。
・mission control とホットコーナー
Macの標準機能ですが、とても優秀です。仮想デスクトップの管理と使いやすさで右に出るものはないと思います。ホットコーナーも秀逸で画面の端を突くジェスチャーで様々なことができます。
■■ユーザーインターフェイス
Premiere Pro
基本的に画面はシンプルな構成で作成しています。
After Effects
基本的に操作画面はシンプルにしています。作業に集中できるようにスクリプト類は極力少なくしています。
■■After Effectsのプラグイン周り
オフライン編集時に重宝するもの
・Spot Clone Tracker
・Beautybox
・Mocha Ae
Vコンとか派手にしたいときに重宝するもの
・Element 3D
・Optical Flares
・Saber
▼スクリプト
・Kbar
使用頻度の高いエフェクトやスクリプトをボタンとして登録することができます。ただし、ボタンの作り過ぎは禁物。いらないものを視界に入れると集中力が削がれます。
・Dojo ScreenShot
画面上のスクショをとってくれるスクリプトです。Video copilotのFX Consoleなどでも対応できますが、こちらの方がUIがシンプルで好きです。
・Move Anchor point
こちらもマストハブなスクリプト。
アンカーポイントの位置変更が瞬時にできます。
■■その他の持ち物-緊急お泊りセット
制作会社の近くのビジネスホテルに泊まることもあります。パフォーマンスを上げていきたいのでなるべく休める環境を作ってます。
・歯磨き・消臭剤・耳栓・アイマスク・睡眠薬 等
■■トートバック
・トートバック リヒトラブ製(ラップトップ持ち帰り用)
連日の作業のときは、モニターやキーボードなどは制作会社に置かせてもらって、貴重品とMacだけ持ち帰ります。
■■筆記用具
・LIFEノート
・ペンケース レイメイ藤井 ブラック 本革 GLF1502B
・ボールペン
・赤ペン
・ストップウォッチ
・コンパクトホッチキス ミドリ XS
・キングジム レザフェス ドキュメントケース
■■YouTube的なもの
ここからはもはエディターと関係ないんですが、出来るだけカメラを持ち歩くようになりました。インタビューなどをサクッと撮影できたら素敵だなと思っています。(出演者もとむ!)
・カメラ ZV1
扱いやすいので気軽に撮影する気分になります。
アクティブ手ブレ補正も優秀です。
・ミニ三脚 ULANZI MT-8
これもZV1と相性バツグンです。質感はチープですが、とにかく軽くて扱いやすいです。自撮り棒として伸びるのも吉。
2022年は音声コンテンツも頑張りたいと思っています。ただ、この機材一式がかなり重たいので、肩こりが心配です笑
リュックに収まるサイズでパッキングしてますが、持ち歩くためには体を鍛える必要があります。今は検討中です。
・ZOOM H6
ICレコーダー兼オーディオインターフェイスになるすぐれものです。
コレさえあれば簡易ラジオ収録が出来ます。
・Shure SM58 マイク
H6に接続する為に使います。
■■最後に
僕がエディターになった2008年から仕事の内容も大きく変わりました。
昔ながらのポストプロダクションのスタイルが守られて言ってほしいなとおもいつつも、実際のニーズを考えると今の形が自然なのかなと思います。
今回執筆した記事がエディターの地位向上と育成の足がかりになりますことを願っております。
■■サンゼが賞を受賞しました
僭越ながら、サンゼ(和田光司)が日清食品ホールディングス【ピルクル】のCMでオフラインエディターとして名誉あるACC のクラフト賞を受賞しました!これからもエディターとして生活できるように精進していきます。
また、株式会社リヒトグラフではエディターとして協業してくださる方を募集しております。ご興味がある方はメールにてお問い合わせ下さい。
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