見出し画像

昨日の友は今日の敵となる|ユーモアで対処する

最近、職場で管理職の仲間入りをしたこともあり、社員の退職事情にも敏感になりました。

管理職側が部下を信じることができなくなり、猜疑心が強まってしまったり孤独に陥ってしまったりすることはよく耳にします。

終身雇用制度が終焉を迎えた現代では、社員は頻繁に退職を繰り返すわけですから、部下や同僚からある日突然退職希望を言い渡されるかもわからない状況なのです。

その様な組織にならないようなリーダーシップを持つ方法や、働きやすい職場環境を構築するノウハウなどはまさに勉強中の身なので、どの様に対策すればよいのかは今の僕にはまだ正解がわかりません。

しかし、事が起こってしまった時の自らの心理的対処については、ひとつ準備をしていることがあります。「そういうものだ」と受け入れて笑うことです。ユーモアで対処するのです。

社会風刺の名人である詩人、高田渡に「転身」という曲があります。

この曲で高田渡は「かつては信念を持って行動していた人たち」がある時コロッと手のひらを返して「転身」してしまう様子を皮肉って歌っています。

かつての労働組合の書記長だった人が今では会社の重役になっていたり、革命の象徴である赤旗を持っていた人が今ではゴルフクラブを持って接待を受けていたりする様子を語りながら、サビで"昨日の友は今日の敵となる"と歌い上げるという、皮肉たっぷりの社会風刺ソングです。

この曲ほど顕著ではないかもしれませんが、こういう現象はよくあるな、と思います。

会社のビジョンに共感しながら一生懸命に働き、自分の夢も語って積極的に行動してくれていた社員がある日突然態度を変えて退職してしまうことはよくあることです。

一方で、会社批判を繰り返すことで身近な社員からの共感を得ていたような社員が、気が付いたら社内で昇進を果たして全く会社批判の話題を出せなくなるようなこともあります。

高田渡が歌うように、人間は状況に応じて180度転身を遂げてしまう生き物であり「昨日の友は今日の敵となる」ことの方が通常なのかもしれません。

仕事をしていくうえでは、そういった部下や同僚たちを「転身」させないよう信頼を勝ち得てビジョンを共有し続けることが大切なのはわかっています。

しかし、一方でどうしても起こってしまう「信じていたのに裏切られてしまった」というケースには、「昨日の友は今日の敵となる」と口ずさむことであまり気にしすぎないように努めることとします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?