眺めるには良い場所|繁華街と為替とスポーツ
最近よく繁華街の真ん中で飲むことがあり、このスタイルが気に入ってきています。名古屋に出張によく行っているので、週末は栄の繫華街近くの安宿を予約し、チェックイン後に街に繰り出して飲みに行っています。
繁華街といっても、その渦中である高級なお店に行っているわけではなく、入り口が解放された開けっ広げの立ち飲み屋で、繁華街の風景を眺めながらぼんやりと飲んでいるだけです。少食なうえに300円くらいの日本酒ばかり飲んでいるので1,000円~2,000円で事が足りています。
繁華街はいかにも夜の街という様相を呈しており、酔っ払った若い男性がナンパをしている光景や、仕事終わりのサラリーマンが飲み屋をハシゴしている様子や、ストリートミュージシャンがギターを弾いているところもあり、乱立しているビルの足元で繰り広げられる、欲望が解放された人々の行動を見ることはとても面白く、安いお酒を飲みながらだったら永遠に眺めていられる光景だと思います。
しかし、それはこの距離感で眺めているから楽しいのであって、その繁華街のなかでは色々な揉め事や金の使いすぎや男女の問題など、想像するだけで何だかいろいろありそうな空気が漂っています。深入りをしたいとはあまり思いません。
こういった「眺めるには良い」というものは、たくさんあるものだと思いました。
例えば、最近は為替変動が非常に激しく、高まり続ける円安の気運がありながらも、日銀の介入の影響からか急に円高に振れたり、わずか一週間で普段あまり見ないレベルでの為替の乱高下が巻き起こりました。
この時にFXの売買を行っていた投機筋の人たちが大きな損失を出したというニュースを見ました。為替だけではなく、過去には2022年にアメリカのハイテク株が急落したことでレバレッジNASDAQ100(通称:レバナス)で儲けようとしていた投資家が、50%の下落となり悲鳴を上げていたようです。そのまま保有していたとしたら持ち直せていたでしょうが、SNSにレバナスの悪口を書きながら損切した人が多かったような印象です。
僕はFXもやったことがなくレバナスも買っていないので、このニュースは眺めている立場でした。(性格の悪い言い方ですが…)こういった為替や株価の急激な値動きのニュースとそれに反応する人々の様子は、眺めていてとても楽しいものです。
他にも、繁華街では街を眺めながら飲んでいますが、立ち飲み屋に行くときは厨房で料理を作っている店員さんを眺めながら飲むのが非常に楽しくて好みです。
焼き鳥を様子をじりじりと焼きつつ、お客さんからの声掛けには素早く反応し、出来上がった料理を素早く提供しているあの働きぶりを見ていると、何杯でも飲めそうな気がしてくるものです。これも性格の悪い言い方に聞こえますが、人が一生懸命働いている時に自分は休みで消費者であるという状況が心地よいのかもしれません。
眺めている立場の時に優越感を感じる。これは何も現代でのことだけではないのかもしれません。
古代ローマではコロシアムで剣闘士同士が殺し合いを繰り広げることで、大勢の観客を集め興業として成り立っていました。スペインには命がけで闘牛と対峙するマタドールの文化が未だに残っています。
その他の競馬や競艇もそういう類のものかもしれませんし、もしかしたらサッカーや野球もそれの延長なのかもしれません。
刺激の多い場所というのは、眺めるにはいい場所なのでしょう。参加するにはお金と根性と才能が必要になりそうなので、僕は程良く距離を置いて、これからも楽しく眺めていようと思います。
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