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就活の軸とやりがい|営利企業の知られざる社会貢献

就職活動をしている人がよく使う言葉に「就活の軸」があります。僕が就活していた頃に比べてこの言葉は広く使われるようになってきたと思います。

「就活の軸」は就活において重視している「自分なりの価値観や譲れない条件」のことを指します。

近年は多くの人が「社会貢献」や「やりがい」を「就活の軸」に置いている傾向を強く感じます。昔に比べて金銭的な報酬ではないことに関心が高いということです。

この傾向が顕著になったのは2011年の東日本大震災以降です。この時期から、社会貢献できる仕事を求める人が増え、またブラック企業や過労死が社会問題となったのもこの頃からで、利益を追求する営利企業への不信感を強めたのかもしれません。

僕自身もボランティア活動を10年近く継続しており、30代になってからは社会福祉のベンチャー企業に転職しました。社会への貢献度を実感しながら働きたいという気持ちが強かったからです。

しかし、いざそのような活動をしながら社会を見てみると、社会貢献を謳っている企業だけが社会に貢献しているわけではないと感じるようになりました。

この記事では就活の軸が「社会の役に立つこと」という人が、より本質的な企業選びをできるよう、様々な選択肢を提供します。

人生において非常に多くの時間を費やす「仕事」ですから、読者のみなさんには納得できる環境で活躍してほしいと思います。この記事がその一助になれば嬉しいです。

尚、ワークライフバランスを重視する方や、土日祝日休みであることが必須という方もいるでしょう。就活の軸が「休日の形態」という方はこちらをどうぞ。



大手企業の本質的な社会貢献

就活の軸を「社会貢献」としている人にとって「大手企業」と聞くと、大きな利益を追及していることがまず頭に浮かぶかもしれません。

しかし、まず見逃してはならないことは、大手企業が社会に対して果たしている最大の役割が「雇用の創出」であることです。

企業が労働者に雇用を提供することで、従業員とその家族が生計を立てるための経済的安定を与えることができます。そして、雇用が増えることで消費が活発化し、経済全体が成長します。

これは個人にとっては一見見えにくいことかもしれませんが、社会全体で考えると非常に大きな社会貢献であることは間違いありません。

企業が営利を追求するためにたくさんの人を雇用する利己的に思われる活動が、実は社会全体にとって大きな貢献を果たしているということは知っておくべき事実でしょう。若い頃には気づきづらい側面だと思います。

大手企業の社会貢献活動とCSR|アフラック「ペアレンツハウス」

大手企業は利益を追求すると共に社会貢献活動を行っていることも多くあります。また、大手企業の多くはCSR(Corporate Social Responsibility)という企業の社会的責任を果たす様々な活動を行っています。

これらは公共の利益に資する活動であり、その対象は環境保全から地域貢献、教育支援まで多岐にわたります。

これら大手企業の活動について、いずれも企業のイメージアップの副産物と見られることもありますが、その目的は本質的な社会貢献にあるという事例が数多く存在しています。

それでは、ここで大手企業の実例をご紹介します。がん保険に特化した、保険業界の大手企業であるアフラックを例に挙げます。

アフラックは「ペアレンツハウス」という宿泊施設を運営しています。これはがん治療中の子供たちとその家族が安心して過ごせる場所を提供するものです。

地方にお住まいの小児がんのご家族にとって、がんの治療および入院をする病院は都内に拠点を持っていることが多く、治療の同伴やお見舞いの度に都内で高い宿泊費を払う必要が出てきてしまいます。そういった方々を対象にペアレンツハウスでは一泊1000円程度で宿泊施設を提供しています。

僕も亀戸にあるペアレンツハウスにボランティア活動の際に訪れたことがあるのですが、宿泊施設は清潔に保たれており安心できる雰囲気づくりもされている素敵な宿泊施設でした。

尚、アフラックについては過去にがん保険についての考察を書いた記事でも少し触れています。

さて、同様の活動をしている大企業があります。ファーストフード大手のマクドナルドです。マクドナルドも「ドナルドマクドナルドハウス」という施設を設けて、病気の子供とその家族に対して同様の滞在場所を提供しています。

この様な大手企業の活動は、確かに企業イメージの向上にも繋げていますが、当事者の視点としても本質的に多大な社会貢献をしている活動だと言えるのは間違いないでしょう。

就活の軸に置きたい新たな視点|社会貢献ややりがいは後から自ずとついてくる

アフラックやマクドナルドは、莫大な利益を挙げ続けている世界に名だたる大企業です。

雇用の創出や消費者への価値の提供、そしてペアレンツハウスやドナルドマクドナルドハウスの様な活動も考慮すると、会社の利益追求と社会貢献というものは相反するものではなく、一緒に進行することができるという事実を示しています。

つまり、営利企業で働くということは、直接的に社会貢献を謳っている企業で働くことと同等、あるいはそれ以上の社会貢献につながる可能性があるのです。

社会に出て活躍することを考える時に、「社会に貢献したい」「人の役に立ちたい」と思うのは当然のことだと思います。

しかし、だからと言って直接的に社会貢献を謳っている企業だけに就職先を限定する必要はありません。利益を追求する行動が結果的に社会全体に大きな貢献を果たしているからです。

そのため、社会貢献ややりがいというものは就活の軸の最優先に置く必要はなく、社会に出て活躍したあとに自ずとついてくるものである、という認識を持つことが大切になるのではないかと考えます。

現在、就職活動をしながら将来を考えている人は、たくさんの選択肢を持っている状況だと思います。選択肢を限定することなく、幅広い視野を持ったうえで納得のいく企業を選んでみてください。


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