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【771球目】M&Aにおける売り手の気持ち

2024年の3月と4月に1件ずつのM&Aを実行しました。
M&Aに対して売る側の気持ちについて、今日は書いていこうと思います。


売る側の気持ち

M&Aは売り手と買い手が存在します。
売り手側は、一生に一度の場合が多いです。自分自身で立ち上げたり、承継したり、様々なパターンはありますが、自分自身が守ってきた会社を売るという決断は、とても重要な決断だと考えています。

そんな決断に至る要因はいくつかありますが、
●事業承継者がいない
●事業の未来に不安がある
●採用難で人が集まらない
●やりたいと思う事ができない
●事業の不安や金融機関への個人保証から解放されたい

等々、不安という気持ちがあるからこそ、売却に至るケースが多いと思っています。

未来への不安

未来のことは誰にも分かりません。
ただ、現在の事は良く分かります。採用については多くの経営者が不安を感じていることが多いです。

私がこの業界に入ったのが、約20年前。20年前であれば、小さな町工場でもハローワークに求人を出せば人が来ました。ハローワークなので無料です。
ただ、人は来るけれども良い人が来る確率が低いと感じる経営者も多かったはずです。そういう時は有料の求人媒体を利用します。

有料である分、反応も良く、良い人が来る確率も上がります。確率が上がるので、何回かそれを繰り返すと満足いく採用ができる場合がありました。

そこから20年経った今、どうなっているのか。

ハローワークに求人を出しても反応がない。
有料求人媒体に求人を出しても、来るのかどうか分からない。お金をかけても採用ができない可能性が高くなっています。満足いく採用ができることは稀。そして、これからもっと若者の数は減っていくと予想されています。

今の状況を感じていれば、未来の予測もできるはずです。採用業界では、「今日が最も採用しやすい日」という言葉があります。同じことをやっていれば採用環境は悪化する一方なので、その言葉の意味はよく理解できます。

規模問わず、企業にとって採用は生命線です。そこに不安があるとするならば、企業運営に不安を持っても当然だと考えていますし、それくらい今の採用環境は厳しいと自覚もしています。

だからこそ、三陽工業では様々なことを行っています。大手企業ほど、費用はかけられない訳ですから、その分は知恵を使っています。採用力にこだわり、これからもやっていきます。

決断の大切さ

経営者にとって決める力はとても重要な力量です。
普段の仕事においてもそう感じます。この6年間で8人に経営者の方の決断を頂き、M&Aを実行して来ました。その中には、いま、三陽工業で頑張ってくれている方、子会社に残って頑張ってくれている方もいらっしゃいます。その全ての経営者の方々の決断に敬意を表しますし、きっと会社を売却すると決めたことが、ご自身にとって、そこで働く社員にとって良かったと思っていただけているのではと考えています。もちろん、そう思ってもらえる様にしていく必要性と責任を感じています。

10年ほど遡るとM&Aの世界は今ほど活況ではありませんでした。今では、多くの仲介会社が存在し、多くの情報に触れる事ができます。

事業承継者不足

団塊の世代の約800万人が全て75才以上となるいわゆる2025年問題がそこまで来ています。高齢化社会ではありません。超高齢化社会です。今でも事業承継者がいないが、経営者が70代の中小企業は数多く存在し、それが1つの社会問題となっています。

私達は、1500名を超える平均年齢32才の生産推進グループという強みと製造業を行っていることにより製造業のノウハウ、もちろん製造派遣業のノウハウを用いて、こういった企業のM&Aを推進しています。そこで働く人達が将来に不安がなく、自身の成長を追い求められる様な、そんな環境を創っていきます。

これからも多くの企業との縁があると思います。
日本の製造現場を元気にするという考えに共感をしていただける経営者とのご縁を大切にしていきます。

本日もありがとうございました。
明日もよろしくお願いします。

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