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三浦半島釣り魚図鑑(43) ヒイラギ

ヒイラギといえば、まず思い浮かべるのは植物のヒイラギだろう。トゲトゲの葉っぱで、庭に魔除として植えられたりすることも多い。セイヨウヒイラギ(ホーリー)と日本のヒイラギは、属する科も違っているとか、節分にはヒイラギの枝にイワシの頭を刺して魔除けにするとか、植物のヒイラギの知識は案外あるのだけれど、魚にヒイラギがいるとは釣るまで知らなかった。漢字で書くとどちらも木偏に冬と書いて「柊」だけれど、魚のヒイラギは冬が旬というわけでもないみたい。

私が初めてヒイラギを釣ったのは確かまだうちの子が小さかった頃。遠出などすることもない我が家での休日の過ごし方といえば、さんぽくらいだったのだけれど、海も近いし、釣りでもするか、という具合にやってみた投げ釣り。

船着き場から投げて、小さなハゼ やキスを釣るくらいの釣りとは呼べないくらいの遊びだったけれど、そんな中、いつもよりちょっとだけ重いアタリ!

バタバタと魚がもがいて、ギギッという音がするので、やっぱりフグかーと魚を見ると、膨れてはおらず、平べったいこの魚が釣れていた。海町育ちで時々は釣りをしていた夫にヒイラギだよと教えてもらう。ひれの先にトゲがあり、平べったいのでついた名前のようだ。

頭のあたりが黒くて、他の魚にでもかじられたのかな、と思ったのだけれど、どうやらこういう模様らしい。そして、表面はさわるとやたらとぬるぬるしているので、ちょっと気持ち悪いのだけれど、ウロコがないので調理の手間は少ない。そんなに大きい魚でもないので、たいてい丸ごと唐揚げにして食べる。

そんなヒイラギなのだけれど、ここ数年はなぜだかあまり釣れなかった。同じようなエサを使っているし、場所も変わらないのに。だから、この釣り魚図鑑にも載せられずにいたのだけれど、先日久々に子どもが釣ってきて、なんだか懐かしい奴と再会した気分になった。

そうそう、このヒイラギの面白いところは、口の先をひっぱると、びよーんと口が下にのびるところ。変顔というか、いっきに顔つきが変わって馬づらになるのがおかしくて、釣れるとたいてい伸ばして遊んでしまう。ついでにのびた顔もスケッチしてみる。

きっと、こんな風に口を伸ばして海の底のエサを食べているのかな。同じように口が伸びる魚に、クロサギという魚がいて、そういえばこいつもまだ図鑑未掲載。同じような釣りをしているので、なかなか新しい魚種は増えていかないけれど、せめてかつて釣ったことがある魚だけはちびちびとでも、図鑑を完成させていきたいなと思う次第。

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