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三浦半島釣り魚図鑑(39) クロダイ(からす)

最初にお断りしておくと、クロダイというのが和名で、関西ではチヌと呼ばれることが多いというのでタイトルにはそう書いたのだけれど、釣り人のあいだでは30cmくらいの大きさにならないとクロダイとかチヌとか呼ばないそうで、クロダイの幼魚であるこんな小魚は、「チンチン」あるいはチンチンにすらなれず、単に「チン」とか呼ばれているらしい。

それもあんまりなので、一応クロダイと書いてしまったけれど、しばらく新種が釣れないでいたこのごろ、やっと息子が釣ってきたのが体長12.5cmのかわいいクロダイ。釣り人のあこがれの魚、黒鯛。

実は最近、息子は釣具にこだわりだして、やれ、シマノのリールはどうだ、〇〇くんの釣竿は感度がいいだ、うるさいことを言うようになってきた。友達のお父さんは手作りの竹竿に糸と針だけつけた穴釣りで、けっこうな釣果を得ているというのだから、腕さえあれば道具なんてなんでも釣れるのだ。でもそこは小学生、ほぼ釣れる確率のない幻の大物めざして、とりあえずいい竿で、遠くに投げたいらしい。

この日は最近よく行く小さな川の河口付近にて。キスとメゴチ、ハゼとクロダイの幼魚を持ち帰ってきた。

うちの釣りのルールは、釣ったら毒の魚以外は食べる、だったのだけれど、それは以前は上手に針がはずせず、釣れた魚は弱ってしまっていたから。最近は弱らせずに上手に針をとることもできるようになってきたので、小さすぎてかわいそうな魚はリリースするようにしているらしい。

実際、私と一緒に釣りに行った時には、以前だったら喜んで持ち帰っていたサイズのカサゴを釣っても、持ち帰り許可が出ず、ほとんどのカサゴは、かわいそうだからとリリースさせられた。どうせ釣るならもっと大きくなってから釣りたいらしい。

でも、針を飲んでしまった魚はリリースしてもかわいそうなので、持ち帰り食べてしまう。で、この日の小さなクロダイも、本当ならリリースしたかったのだけれど、針を飲んでしまっていたので、小さいけれど持ち帰ってきたらしい。

せっかくのクロダイだったのに、他に釣れた魚が天ぷら向きだったので、この日は天ぷら。クロダイも、それだけで塩焼きにするほどのサイズではなかったので、天ぷらにして食べた。

結果、やっぱり天ぷらはメゴチが一番おいしくて、二番がキス。あ、この日はなかったけれど、ギンポもおいしい。で、クロダイは天ぷら向きではない、ということはわかった。

今度はちゃんとクロダイサイズのクロダイを釣って、お刺身で食べたいものだ。ちなみに、クロダイのことを漁師さんは「カラス」と呼ぶそう。黒いし、なんでも食べそうだし、賢そうだし、なかなか的を得たあだ名ではないか。


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