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三浦半島釣り魚図鑑(33) クジメ

クジメという名前はそれまで聞いたことがなかったのだけれど、ある日、子どもの友達が釣ったと聞いたので見せてもらって、へー、いいなーなんて言っていたら、翌週くらいにうちの子も釣って帰って来た。

全身黒っぽく、割に地味な印象だけれど、キョロっとした大きめな目玉と、口のあたりの水玉模様がなかなかかわいらしい。細長い体つきに、背びれが大きな部分が2箇所あるのが特徴。エラの下にはしましまの線や、ほおのあたりに白い斑点があって、顔のまわりが独特。ウロコは絵に描けないほど細かくて、触るとざらざらしている。

まだこの図鑑には登場していないのだけれど、アイナメによく似ていて、私は正直言って、言われなければアイナメかなと思っていたと思う。でも、子どもたちはクジメだというので、違いを調べてみると、尾びれが丸みを帯びているのがクジメ、平らなのがアイナメ。体の横にある側線が、1本なのがクジメ、5本なのがアイナメ、など。色も、アイナメが黄色っぽいのに対してクジメは焦げ茶色っぽいことが多いよう。

このスケッチだと尾びれの先は平らにも見えるけれど、側線ははっきり1本だったし、黒っぽい色味からしてもクジメでよさそう。

雰囲気からして煮付けに良さそうな魚なのだけれど、この時には14cmの小さなものが1匹釣れただけだったので、他の魚と一緒に天ぷらに。なかなかおいしかったけれど、今度釣れたらやっぱり煮付けにしたい。

最近、なかなか子どもたちと一緒に釣りに行けていない。もちろん無理についていけば、まぜてくれないこともないのだけれど、もうたいていのことはひとりでできるし、近場の危ない場所でなければ、ライフジャケットを着ていれば子どもたちだけで釣りに行ってもいいことにしているので、時々様子を伺いにいくくらいで、あまりべったりつきっきりということはしていない。

放課後のひととき、夏休みは思い切り、子どもだけの世界で遊びきるというのも大切な経験だと思い、あえて少し距離をおいている。子どもたち自らの手で掴みとる新しい発見や楽しい体験に満ちた素敵な夏休みになりますように。

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