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三浦半島釣り魚図鑑

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三浦半島の海で主に子どもが岸から釣った魚をイラストとあわせて紹介します。釣りも魚も初心者なので、まちがった記載があればお知らせいただけるとうれしいです。 タイトルは、基本的には標… もっと読む
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記事一覧

三浦半島釣り魚図鑑(43) ヒイラギ

ヒイラギといえば、まず思い浮かべるのは植物のヒイラギだろう。トゲトゲの葉っぱで、庭に魔除として植えられたりすることも多い。セイヨウヒイラギ(ホーリー)と日本のヒイラギは、属する科も違っているとか、節分にはヒイラギの枝にイワシの頭を刺して魔除けにするとか、植物のヒイラギの知識は案外あるのだけれど、魚にヒイラギがいるとは釣るまで知らなかった。漢字で書くとどちらも木偏に冬と書いて「柊」だけれど、魚のヒイラギは冬が旬というわけでもないみたい。 私が初めてヒイラギを釣ったのは確かまだ

三浦半島釣り魚図鑑(42) ギンイソイワシ

今年の夏はいつまでも相当に暑かった。 暑い中でも釣れるものなら頑張るけれど、たいていはそれほど釣れないし、釣りに行く機会も減る。 少し涼しくなってきた夜、さんぽに行くとイワシが回遊してきていた。大きくても10cmほどの小さなイワシの群れがライトの先に見える。 釣りを始めた頃、時々釣れたのがイワシで、一応誰でも名前を聞いたことのあるメジャーな魚なのがうれしかった。 でもだんだん、もう少し大きな魚も釣れるようになってくると、イワシが釣れても釣れた数に入らないようになってきてし

三浦半島釣り魚図鑑(41) コノシロ

ボラが釣れた日には、実はもう一匹釣果があった。コノシロだ。 実はコノシロが釣れた数日前、漁港が赤くなっていた。いわゆる赤潮で、初夏ごろ、急に暑くなる頃に目にすることが多い。 赤潮というのは学校で習った通り、プランクトンがたくさん混じった海水のことで、生活排水などによって水中の栄養素が増えすぎると、それを分解するための微生物が増えすぎて赤く見えるらしい。 プランクトンがたくさんいるということは、それらを食べる魚もたくさんついてきていそうなはずなのだけれど、海の中の酸素が不

三浦半島釣り魚図鑑(40) ボラ

最近投稿が滞っていたのは、私が雑用に追われていたということもあるのだけれど、息子があまり釣りに行く時間がなくなってしまったから。はやり風邪の行動制限がなくなってからというもの、以前からやっていたスポーツなどの活動が元通りになったりして、のんびり釣りができるような日が減ってしまったし、そうこうしているうちに春からは中学生になったので、皆部活に塾に忙しく、子どもたちの釣り熱もちよっぴり冷めてきてしまったようだからなのだ。 それに、釣りをしたとしても、以前のようなエサ釣りはほとん

三浦半島釣り魚図鑑(39) クロダイ(からす)

最初にお断りしておくと、クロダイというのが和名で、関西ではチヌと呼ばれることが多いというのでタイトルにはそう書いたのだけれど、釣り人のあいだでは30cmくらいの大きさにならないとクロダイとかチヌとか呼ばないそうで、クロダイの幼魚であるこんな小魚は、「チンチン」あるいはチンチンにすらなれず、単に「チン」とか呼ばれているらしい。 それもあんまりなので、一応クロダイと書いてしまったけれど、しばらく新種が釣れないでいたこのごろ、やっと息子が釣ってきたのが体長12.5cmのかわいいク

三浦半島釣り魚図鑑(38) イシガキダイ

この魚、実は以前に食べたことがある。子どもが「隣で釣りをしていたおじさん」からもらってきたのだ。 実は子どもたちは、時々他人の釣果をいただいてくることがある。釣れすぎて食べ切れないからなのか、子どもたちが毎日のように釣りに来ていてもあまり大きな獲物が釣れていないことを哀れんでなのか、自分も子どもの時に釣りに来たことを思い出してあの頃の自分に何かしてあげたくなるような気分でくれるのかはわからないけれど、こんな立派なのが釣れたら自分で食べたらいいのに、というような魚をいただける

三浦半島釣り魚図鑑 番外編(3) アンドンクラゲと夜光虫

夜釣りに出かけた。 風も波もない静かな晩のこと。 まず最初に、ヘッドライトで海の中を照らして、魚がいないか様子を見るのだけれど、この日見えたのはクラゲばかり。まん丸のミズクラゲが数匹、そして湾内を埋め尽くすたくさんのアンドンクラゲ。 そう、この日の昼間にシュノーケルをしようと行ってみた場所では、海は褐色に濁っていて、四角柱に細ながーい足のアンドンクラゲが見えたので、早々に引き揚げて帰ってきてしまったのだった。 夏の夜は釣り人が多い。昼間見かけたクロダイやボラ、コノシロで

三浦半島釣り魚図鑑(37) キヌバリ

海の近くに住んでいるけれど、その割に海水浴に行くことは少なくて、たいてい夏の間に1回ほど行くくらい。夏の海は人が多くて、海の家があるせいでビーチも狭い。いつでも行けるというのもあるし、塩や砂でべとべとになるくらいなら、とプールに行くことのほうが圧倒的に多い、というのは海の近くに住む人あるあるなのではと思うのだけれどどうだろう。 でも、そんな私でも楽しめる海水浴があることに気がついた。子どもたちに付き添って行った近くの磯のある浜辺で、ライフジャケットを着てシュノーケルをしてみ

三浦半島釣り魚図鑑(36)  アミモンガラ

夏はよる、は枕草子の世界も今も同じ。やっぱり夏は夜涼しくなってからのほうが気持ち良い、というよりこの猛暑では日中は出歩くことができないほど。なので、夏は夜さんぽに出かけることが多い。 子どもの友達がお泊まりに来た日も、夜さんぽに行きたいと言うので、ついていった。風が強い日で、夜の潮風が涼しくて気持ちが良い。もう昼間ひとしきり遊んだあとだったので、夜釣りではなく、純粋にさんぽに行ったのだけれど、やっぱり釣り好き達は魚が見たいので海へ行く。 夜の海にヘッドライトの光を当てて観

三浦半島釣り魚図鑑(35) マダイ

息子は、たいてい釣りから帰ってくると、「やー、今日はイナダ釣れたわー」とか、「今日はなんと、カツオが釣れたよ!」などと言う。で、私が「本当!」と驚くと「嘘に決まってんじゃん」と笑って落とされるのが常なのだけれど、ある日「今日はマダイが釣れたよ」というので、「ウソでしょ」と言ったら本当にマダイが釣れていた。 とは言っても体長11cmのかわいい小魚。タイと名前の付く魚はけっこうたくさんあるし、似ている魚もあるだろうと調べてみたけれど、よく似たチダイやキダイにはないという目の周り

三浦半島釣り魚図鑑(34)  キュウセン(メス)

キュウセンという可愛らしいベラについては以前も書いたのだけれど、この魚はオスとメスがかなり姿が違うので、メスもスケッチしてみた。以前書いた記事はこちら↓ 以前の記事でも書いたけれど、キュウセンは性転換する魚で、幼魚はメス、大きく成熟するとオスになる。ただし、たまに生まれつきメスの姿をしているオスもいるのだそうだ。 先日海の中をゴーグルをつけて覗いていたら、キュウセンが泳いでいるところを見ることができた。その時見えた中に目測20cmは超える大きさのピンクに茶色縞の入ったメス

三浦半島釣り魚図鑑(33) クジメ

クジメという名前はそれまで聞いたことがなかったのだけれど、ある日、子どもの友達が釣ったと聞いたので見せてもらって、へー、いいなーなんて言っていたら、翌週くらいにうちの子も釣って帰って来た。 全身黒っぽく、割に地味な印象だけれど、キョロっとした大きめな目玉と、口のあたりの水玉模様がなかなかかわいらしい。細長い体つきに、背びれが大きな部分が2箇所あるのが特徴。エラの下にはしましまの線や、ほおのあたりに白い斑点があって、顔のまわりが独特。ウロコは絵に描けないほど細かくて、触るとざ

三浦半島釣り魚図鑑(32) ドロメ

実は、ドロメについて書くのは2回目。以前書いた、 ↑こちらの記事の魚を私はドロメだと思っていたのだけれど、子どもたちはこの魚をブラックハゼ、略してブラハゼと呼んでいて、本当の名前はわからないらしい。私が勝手に調べてドロメかなーと思っていたのだけれど、子どもたちには、これはドロメじゃないよーと言われてしまった。なので、以前書いた記事のほうの魚は、もしかするとこちらかも、と私が思っていたアゴハゼかもしれない。 ただ、以前のものとは大きさもだいぶ違うので、幼魚と成魚の違いという

三浦半島釣り魚図鑑(31) ニシキハゼ

毎日のようにモクズガニばかりを捕まえてきていた息子たち。ある日も私が様子を見に行くと、既に3匹捕まえたといって、テトラポッドを指差した。 バケツすらめんどうくさがって持ってきていなかったので、テトラポッドの上に捕まえたモクズガニを置いて、上から手頃な石を乗せ、確保しているらしい。石を乗せたくらいじゃ逃げてしまうのではないかと思ったら、案の定1匹逃げ出していた。 私が近くを見ると、大きなカニの頭が見えたので、息子に再捕獲するように言い、持ち上げて見ると、なんと2匹くっついて