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怒涛の3軒継業した夏

一乃湯(三重県伊賀市)
鴨川湯(京都市左京区)
湊河湯(神戸市兵庫区)

の3軒を一挙に継業オープンさせるという、エキサイティングな数ヶ月間でした。

3問正解者は1名だけでした…!


オープンさせたらひと息できるかなと思ったけれど、課題は残しつつのオープンに加えて、営業してみたら新たな問題もでてくるわけで、そもそも既存の5店舗もあるしで、目がまわるような夏でした。

なぜ3軒が重なったのかと言えば、
継業の話をお声かけ頂いたタイミングが重なったり、契約の予定がずれ込んだことで、3店舗とも7月のオープン見込みになってしまったのでした。

3軒の継業オープンを同時並行で進める。こんなタイミング2度とないだろうな、ということで敢えてズラさずに挑戦してみました。

思い返すと、都湯(2018年11月)以降の継業は、2軒同時オープンでやってきています。2019年7月に源湯と容輝湯、2021年4月にみやの湯と人蔘湯。

2軒同時継業もかなりしんどくて、2度とやるものかと決意しつつも、同じことを繰り返したあげくに、今回、更にその上をいくことに…。

弊社が現状どれだけできるのか力試しをしつつ、今後これだけのボリュームのミッションが発生したときのために、経験値を上げておきたいという思惑がありました。

一方で個人的なところでは、こういう無謀でしんどそうな挑戦にある種マゾ的な快楽を期待してしまういけないところがでてしまったなと自覚しています。


銭湯継業も回数を重ねたので、要領はわかってきました。

事業計画、チーム編成、契約や融資まわり、工事打ち合わせなど、かっちりとさせておく下準備。

現場の進捗管理、業者さんとのやりとり、自社での配管や左官工事、新たな問題発生の対処などといったやってみないとわからない現在進行形のこと。

そんなことを一軒一軒こなしていかねばならず、その上で、既存の5店舗の存在もあり…。
さすがにそれらをワンマンでやりきるような能力もタフさもないので、新店舗ごとに、3つのチームにわけてそれぞれを進めてもらいました。

一乃湯と湊河湯は、まだ経験が浅い店長をカバーするためにエリアマネージャーとして、弟のケンユーと藤内(容輝湯の元店長)を選任しました。

鴨川湯は経験値もあってセンスも人望もある2人をW店長に任命しました。


結果的にはやりとげたわけですが、まぁしんどかった。がっつり現場で動いたので、まだ33歳とは言え、もう体力的な限界を感じました。ワンマン気質な人間ですが、チーム力がなければ、破綻していました。

とにかく、それぞれの店舗、スタッフみんな、踏ん張ってくれ〜と、1日の無事を毎朝毎晩祈っていました。

今回ばかりは、寿命を削ったなと思います。それだけ念を込めました。

ズズズ…ッ!

まだその記憶が新鮮なうちに、一乃湯、鴨川湯、湊河湯でのことを、ザッと書き記しておこうと思います。

一乃湯の継業

店舗改装や修繕工事はせずに、営業状態をそのまま引き継ぐミッションだったことと、店長こーやんと藤内の頑張りで、湊からは手離れした状態で進めることができました。

とは言え、一乃湯の存在は、ゆとなみ社の本家本流と言うべきような存在です。その完成度から良くも悪くも手がつけられない難しさも正直あります。実際来られた方は、ゆとなみ社になっても、ほとんど変わっていない印象を受けたのではないでしょうか。

一乃湯を改装したりして変えていくことよりも、先代の中森さんから託された"一乃湯ワンダーランド構想"を実現していくことが、大きなミッションです。

これは銭湯に留まらないことをやるので、ゆとなみ社としても、別次元の挑戦をしていく次第です。

お楽しみにどうぞ。

鴨川湯の継業

鴨川湯は、経験値と信頼のある2人、さくら&にわをW店長とすることでなら乗り切れる!ということで託しました。

そもそも、この2人に関しては、湊以上に前のめりすぎて、契約交渉段階で、鴨川湯の近所に引っ越してしまうという、後にも引けない状況を作り出した確信犯達です。

2人とは、名古屋の某銭湯さんに、浴槽の漏水を止める左官工事に、2泊3日で行ったこともあって、その経験を鴨川湯で発揮してくれました。

タイル下に隠れたクラックまで根気よく補修したので、空になるほどの漏水があった水風呂なんかはピタッと満水で止まるようになりました。違うタイルが貼ってあるのはその痕跡なので、愛でてください。

配管工事からなにまで色々やったので、ほんと経験値上がったと思います。

2人のセンスや人柄、熱意があってこそ、早くも新たな鴨川湯の存在感が増しているところだなと、新旧さまざまなお客さんが来ている様子を見ていて思います。

鴨川湯の存在で、京都がまたひとつ面白くなっていく気がしてならないです…!

オープン初日の開店10分前

湊河湯の継業

鴨川湯の工事が伸びて、湊河湯の工事も伸びて、全体的にオープン時期がずれ込んだのですが、もうそうじゃなきゃはちゃめちゃになっていたので、助かった感がありました。

鴨川湯のオープン前は泊まり込み作業が続き、へとへとで、まだもう一軒これが控えてるのかと無茶をした自分に絶望しながら、神戸に向かったのでした。

初進出の神戸エリア。地域独特のノリやにおいがあって、それをしっかりと店作りに反映させることができるかってとても大切だとゆとなみ社は考えています。

湊河湯と鴨川湯の改装を同時期に行うからこそ、そのコントラストがわかるように、また神戸と京都のノリや雰囲気がしっかり滲み出るように、チーム編成から色々と考えました。このことは別回に書こうと思います。

そんな思惑もあって、店長松田と弟のケンユーのタッグに、施工チームは「々」のメンバー達。ノリとノリがどハマりすると、文字通りノリノリなんだという、湊河湯のグルーブ感が、到着したときにはすでに完成していました。

しかし、これ間に合うんだろうか… という状況を目の当たりにして、鴨川湯でのヤバさが過ぎりました。

まぁ、いままでもそんな感じだったし(梅湯は2ヶ月くらい伸びてオープンしたし)、この南米ぽいグルーブ感、楽観的に行かざるを得ないノリだから大丈夫かと。逆に助かりました。

ですが、オープン前日の状況が幻だったかのようにオープン日を予定通り迎えられたのは、湊河湯チームさすがだ!と感銘を受けました。

ボランティアで掃除に参加してくださった方々やオーナーの元木家の皆様の協力もあってこそです。ほんとうにありがとうございました。

湊河湯は、設備的な部分で、漏水もなければ、目立った損傷箇所もなかったので、設備動作の確認をするくらいと思っていたのですが、これがまた大変で…。

亡くなってしまったご主人しか把握してない設備のクセがあって、その原因究明は、湊兄弟の配管ダンジョン大冒険でした。


なんだかんだ、ポンプやバルブ交換も必要で、熱交換器も一本交換したりと、工事を色々と行い、それだけあって、設備理解も進みました。

店長松田の案から、軽飲食スペースを新設したり、工事中にもライブイベントを開催するなど、新たな試みを盛り込んだ銭湯になりました。

大胆な改装をして、イベントしたりで、前の湊河湯とは様変わりしてしまったので、飛ばしすぎてるかなとやや心配するも、昔からの常連さんからの支持も厚く、近所に住んでいたけど来たことなかったという若者やファミリー層から、意外なのは新規の高齢者の方までが、定着しているようなので、湊河湯や神戸という街のポテンシャルに底知れなさを感じているところです。

そんな感じで駆け抜けていった2023年の夏。
エキサイティングでした。

ゆとなみ社の直営銭湯がこれで8店舗になり、組織規模もエリアも一挙に拡大しました。

今後の展開や現状運営を考えると組織体制をがっちりと強化しなければならない点も浮き彫りになりました。

例えば、スタッフが独立前提というのは、言い換えれば優秀な人が抜けていくこと前提なので、組織としての強さをどう維持できるか難しさがあるな、など。

銭湯廃業のペースは全国的に止まる見込みはないし、それに追いつかないのが現状ですが、なんとかそこに食らいついていくための、急速なレベルアップと今後の体制作りのいい機会になりました。

とは言え、直近で新たな銭湯を増やすのは、人員的にもパワー的にもキツい…! 無理!バカンス行きたい!

とか言いつつ、やっちゃったりして。やっちゃうんだろうか。これは、におわせなのだろうか。笑

新たな3軒とゆとなみ社の今後にもご注目ください〜。

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