「甘え」がもたらす癒し――アラン・N・ショア『右脳精神療法――情動関係がもたらすアタッチメントの再確立』より
いま、心理療法の世界ではパラダイムシフトが起きていると言われます。
一言でいえば、「情動」と「関係」を基盤とし、共に(同時的に)、感じ合うことで腑に落ちること、それが、アクチュアリティ(認識によって捉えることができない只中で進行している行為・行動)に働きかけていくアプローチです。ここには、右脳同士のコミュニケーションが深く関与しています。
翻訳者の小林隆児さんは、自閉症児の臨床と研究を長年されてこられた方で、母子関係における「甘えのアンビヴァレンス」という観点を主張されて