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秘すれば花…食の官能とは?/銀座「ブリッヂ」のアボカドBLTサンドは皿の上で舞う恍惚✨

西銀座デパートの地下一階、喫茶「ブリッヂ(BRIDGE)」に行ってきました😊

店外には有料喫茶室時代に執筆に通ったという向田邦子の取材記事が掲げられ、少しだけど列ができるほどの盛況ぶり。一見レトロな喫茶店という雰囲気です。

少し前からこちらのサンドイッチが気になっていた私は、ついにこの日ブリッヂのサンドイッチを体験できたのですが、フードに力を入れているようで実に美味しい…




食べてみたくてしかたがなかったサンドイッチ…頼んだのはアボカドBLTサンド。

驚くほどのフィリングのボリューム、それでいて美しくカットされた断面が魅せるこのサンドイッチの装いには上品さと、かしこまらない素朴さがあります。サンドイッチにしては高いとは思うけれど、どれだけ高級でも片手でつまみながらの“ながら食い”ができるような気楽さが喫茶店のサンドイッチの魅力…それこそ執筆しながらでもね♪

この美しいたたずまいに、まったりとコクがあり熟れすぎではないたっぷりのアボカド。みずみずしいトマト。このフレッシュさにはとても感動してしまいました!

口に入れる前のトーストから伝わるあたたかさは出来立ての印…香ばしい香りは媚薬のよう。


食いちぎり、咀嚼し、呑みこむ。あの美しかったサンドイッチはどろどろに消化されていく。秩序然としていた姿形は崩れて溶けていく。形あり、この世で役割をもって機能していたものが無秩序になっていく。ここには食の破壊の歓びがあって、それはまるで子どもの頃に時計をバラバラにしてみたときみたい。秩序あるものが(個体)が無秩序(プラズマ)へと変わっていくとき、力学的に見ればエネルギー値は高くなります。無秩序は、つまり自由になるということ。自由とは愛と同じ意味です。

食べる行為、消化の過程を醜いものとして、飲食の光景から遠ざけようとする人間のマインドがあるけれど(テーブルマナーとか)、この無秩序へと至る過程は愛で…

しかもその愛は私に吸収され、動き、考え、こうして何かを書くエネルギーになったりもする。

食に関してこのように破壊のプロセスを楽しみ、愛の恍惚に浸っているなんて、喫茶店にいる誰も知ることがない…秘密の歓び。秘すれば花とはよく言ったもの。。



白磁の器の上で官能が舞う。

さわがしいように思えるこの光景も、実は目の前のサンドイッチの静寂を聞き取ろうとしているのに他ならないのです。

本当に大切なものを愛し、破壊し、そしてふたたび愛するのが人というものだから…

私は私のざわめきに耳を澄ませている…



この歓びは誰にでも無条件にもたらされている。どのような食べ物にも、気づきを向ければその愛を感じることができる。


真の愛は無条件だから…



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