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和食今昔物語

絵: 月岡芳年「業平朝臣負二条局落行図」

縁あって年に数度は、金沢の兼六園やひがし茶屋街をぶらぶら歩きます。そこで気になるのが、箔一の「金箔ソフト(¥891)」です。いつも観光客や女性たちで賑わっていて、将来、和食のスイーツと言えば、金箔付きが定番になるのではないかと、秘かに思っています。

今は昔ですが、にぎり寿司や天ぷら、うなぎも旅人や庶民で賑わう江戸時代の屋台料理からスタートしたものです。懐石料理も、安土桃山時代の茶の湯で、お茶の前に出される軽食から発展したものです。今は昔といっても、今の和食の起源は、それほど昔のものではないのです。

それに和食といっても、窮屈に考える必要はありません。日本の米や味噌、醤油も、中国が起源のもののようですが、今となっては日本のものです。同じように、カレーライスや、オムライス、ハンバーグ、グラタン、メロンパン、アンパン、ラーメンなど日本で独自に進化したものも、洋食などと呼ぶよりも、和食の仲間と考えた方がしっくりするように思います。

そして、そういう現代和食の最先端に、超高級ショートケーキやパフェの日本独自の進化があるのではないかと思います。実は、ショートケーキもパフェも日本で生まれたスイーツです。

ショートケーキは、ふわふわのスポンジ生地と濃厚な生クリーム、甘酸っぱいイチゴのバランスが絶妙で、あっさりとした味わいが日本人の好みに合います。また、赤と白のコントラストが美しく、めでたいイメージや高級感も醸し出します。パフェも、日本人の嗜好に合うように、アイスやフルーツ、シリアルやナッツなどを、多様なトッピング、フレーバーと組み合わせて楽しめます。でも、人気の秘訣は美味しさよりも、見た目が華やかでインスタ映えすること。そして、映画を見るより高額であっても、手が出せないこともない値段だと思います。

丸の内の超高級ショートケーキやパフェには、1ピースで3000円を超えるようなものも沢山ありますが、円安や物価上昇で、5000円を超えるショートケーキやパフェが登場する日も近いように思います。生クリームやチーズ、バター、チョコレートなどは、ほとんどが海外からの輸入品ですし、電気やガスの燃料である原油や天然ガスも、勿論、輸入品です。さらに、熟練職人の人件費も高騰しています。

それでも、超高級スイーツの人気は続くように思います。超高級スイーツは、決して富裕層向けの商品ではなく、庶民がプレミアムな体験を楽しむために生まれたコンテンツです。映画や美術館に行くより美味しいし、インスタ映えもする。ディズニーや水族館も良いけど、手軽に5000円で満足できるスイーツも悪くない。そういう手軽な娯楽として、超高級スイーツの日本独自の進化は、未だまだ続くような気がします。

最後に、丸の内界隈で食べられる超高級ショートケーキとパフェから、ベスト5を紹介します。記念日に誰かと、あるいは自分へのご褒美に、現代和食の最先端を五感で見て、美味しく味わうのも良いのではないでしょうか。


※ 丸の内界隈の超高級ショートケーキまたはパフェのをベスト5を選んでみました。

① ホテルニューオータニ(東京)「新エクストラスーパーメロンショートケーキ」4,320円【1日限定20個】

定番でありながら進化を続ける“究極のショートケーキ”
厳選素材と職人の技を駆使して生まれる最上級ショートケーキ。国産メロンの甘さを最大限に活かす、生地・クリーム・フルーツが三位一体になった逸品です。
■使用する静岡県産のマスクメロンは、1本の木から1つのみに絞り込み、その実にすべての栄養や美味しさを凝縮させています。そんなこだわりのメロンを惜しげもなく、1ピースで3分の1個分使用する、まさにエクストラでスーパーな逸品です。
■メロンの味を最大限に引き出すため、生地には、玄米を食べて育った鶏による薄いレモン色の卵「玄米卵」を使用。メロンの味を邪魔しないふわっと、しっかりとした味わいに仕上げました。
■新たに九州大牟田産生クリームを使用。和三盆糖やバニラビーンズを加えた生クリームは口当たり軽やかに、国産メロンの甘さを引き立たせます。
■隠し味のこだわりとして、みずみずしいライチの層をプラスし、すっきりとした後味を演出します。
https://www.newotani.co.jp/makuhari/restaurant/p-satsuki/exsuper-melon/

② ホテルニューオータニ(東京)「エクストラスーパーイスパハンショートケーキ」3,780円【1日限定20個】

溢れんばかりのジューシーなフランボワーズとライチ、金箔を施したバラの花びらを飾り、全体に“イスパハン”を感じることができ、ショートケーキはパティスリーSATSUKIの集大成ともいうべき、「エクストラスーパーショートケーキ」のスポンジ、クリーム等の素材を使用いたしました。
■スポンジ生地には、あわ・きび・アマランサスを使用した、ホテルニューオータニ特製のホワイトシリアルのスポンジを採用。ライチのシロップを軽く染み込ませることで、爽やかな味わいに。土台となる下のスポンジの上には、豆乳ホワイトガナッシュ、ライチのジュレで作り上げた層を忍ばせ、濃厚なチョコレートの味わいとジューシーなライチの風味が絶妙にマッチ。サンドした生地の中にはパティスリーSATSUKIのスイーツでもたびたび登場する、美容効果のある丹波産の黒豆も顔を覗かせています。そして生クリームにはバラの風味を加えたクリームと、ピンク色のクリームの2種類を採用。濃厚で軽くさっぱりとした後味は、主役のフランボワーズとライチの風味を引き立てます。

③ Wattle Tokyo(モダンオーストラリア料理)「秋の味覚 モンブラン」1,500円

生の栗も添えられ、栗の風味と甘さが溶け合うパフェです。オーストラリアをはじめ3カ国の栗を使用した秋の味覚の栗の味を堪能できる一品。

④ ショコラティエ パレ ド オール(東京)2023年秋の新作「パフェ パレドオール オートンヌ」2,596円

カカオ豆から本格的なチョコレート作りを手掛けるショコラティエ三枝俊介によるチョコレート専門ブランド「ショコラティエ パレ ド オール」から、秋の味覚として欠かせない栗とのペアリングを楽しむチョコレートパフェ「パフェ パレドオール オートンヌ」が登場。
濃厚な栗のクリームとカカオ風味のメレンゲでモンブラン仕立ての構成からスタートし、食べ進めていくうちに次々と顔を出すチョコレート生地やナッツの食感と味わいは、自家製チョコレートを使用した栗のクリームとの相性も抜群です。カシス&いちごのシャーベットや、カカオをしっかりと感じられる自家製チョコレートの酸味と組み合わせて甘くなりすぎない仕上がりに。少しお酒を効かせたコーヒーゼリーの心地良い苦味と練乳クリームで締めくくり、様々な素材と「栗」のペアリングをお楽しみいただけるパフェは、ショコラティエ パレ ド オールならではの、秋の楽しみ方のご提案です。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000014190.html

⑤ 京橋千疋屋 フルーツパーラー(大丸東京3F)「2色の葡萄パフェ」3,520円

高級フルーツ専門店の老舗「京橋千疋屋」のフルーツパーラー店です。京橋千疋屋厳選の巨峰とシャインマスカットのデュエットパフェ、食べ応えもあり楽しめる葡萄パフェです。
https://www.daimaru.co.jp/tokyo/restaurant/3f_cafe_sembikiya.html

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