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花火と音と

何年か前
朝、布団の中で大きな五連発の花火を聞いた。
それに続いて少し小さい音の五連発が
さらに少し小さい五連発が続いた。
そうか、今日は運動会の日だ。
ここらでは運動会を行うという合図に花火を上げるが
みんな朝6時に決まっているようだ。
それで距離が遠くなるにしたがって花火の音が遅れて届く。
五連発鳴るのにおよそ3秒。
それが鳴り終わるのと同時に別の学校の合図が聞こえる。
音は気温15度で秒速340メートルほどなので
五連発が続いて3回聞こえたということは
最初に聞こえた小学校から1キロ離れた小学校と
そこからさらに1キロ離れた小学校の花火が聞こえたということだろう。
地図で見てみると、小学校は結構数がある。
同じくらいの距離で我が家を取り囲んでいるのが4校。
最初の音はその4校から「かぶって」届いていたのだろうか。
いやいや、最近は花火の音がうるさいと
学校に苦情がいくという話も聞いた。
だからいくつの花火の音かはわからない。

以前札幌の街を見渡す高台に住んでいたとき
運動会の日の朝にベランダからマチの方を見ると
一斉に同じような高さで空のあちこちに明るい光が明滅した。
あれ、なんだろう?と思ったら
五連発の花火の音がいくつもいくつも響いてきた。
光の速度は早いので同時に見えるが
音は距離に従って届くまでの時間が違うのだ。
それを実感できた面白い経験だった。
それが6時30分で
そのあと少しして、目の前から大きな五連発が響いた。
子どもたちの通っていた小学校の花火は6時35分と決まっていて
それは他の小学校の花火と区別できるように、とのことだった。
なるほど。


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