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ある月命日の出来事

小さな怪奇現象
コミュニケーション

昔々、実家の月命日であった出来事を。
たまたまある月命日に私一人でお坊さんをお迎えしたことがあった。
お参りが終わっていつものように茶菓を出したのだが
いつもならそそくさとお茶だけ飲んでお菓子は持ち帰るのに
その日に限って
お茶だけでなくお菓子も食べてずいぶんとお話もしたのである。
お坊さんは何かを訴えかけるように私に話しかけている。
そして
お茶もお菓子も食べ終えてお帰りになったのだが
なんだか心残りがあるような…
玄関でお見送りした後
お坊さんが使った茶碗やお菓子のお皿を台所に下げに行ったら

あったんですよ…(稲川淳二の声で

お布施が…

あ~~~!
それでか!!
お布施を包んでからそうだお茶とお菓子、と台所で茶菓の用意をして-
事件はそこで起きたのである!
うっかりお布施を台所の棚にひょいと置いたままにしてしまったのだ。
いつもなら仏壇前の経机の端に載せておいてあるお布施が無くて
お坊さんはいつものようにお経を挙げながらも
困ったどうしようと動揺していたに違いない。
というワケで
いつもならお茶だけ飲んでそそくさとお帰りになるのに
今日に限ってお菓子も食べて話が弾んだのは・弾んだのじゃなくて
ナントカしてお布施の事を思い出してもらおうと
必死で粘っていたのですな。
いつになく一生懸命にこちらを見ながら話をしていたのは…
「皆まで言うな目を見りゃワカル」
ナンてウソですからねー
自分からお布施下さいとは言えないのですな。
いやー、お坊さんにとってはまことにスリルとサスペンスの30分(違
というワケで
翌月の月命日にはお布施を忘れた失礼を家族でお詫びして
お布施の方は2か月分を包んだのでござる。
慰謝料は無しでw


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