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小さな怪奇現象

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一見、怪奇現象か!?という出来事です
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ある月命日の出来事

ある月命日の出来事

小さな怪奇現象
コミュニケーション

昔々、実家の月命日であった出来事を。
たまたまある月命日に私一人でお坊さんをお迎えしたことがあった。
お参りが終わっていつものように茶菓を出したのだが
いつもならそそくさとお茶だけ飲んでお菓子は持ち帰るのに
その日に限って
お茶だけでなくお菓子も食べてずいぶんとお話もしたのである。
お坊さんは何かを訴えかけるように私に話しかけている。
そして
お茶もお菓子も食

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午前2時の大きな古時計

午前2時の大きな古時計

小さな怪奇現象

「大きな古時計」のメロディーが流れた。
ぼんやりと目が開くと部屋の中は薄暗く
街灯の光でいつもの寝室の様子がぼんやりと見えている。
ぴーぽーぽぽぽー
「大きな古時計」のメロディーが繰り返される。
枕もとの携帯を手に取ると午前1時56分・ほぼ丑三つ時…
なんでこんなタイミングで鳴るんだよぉ…
イヤだなあ
なんでこんな時間に
イヤだなあ
薄暗い真夜中の部屋に
「大きな古時計」のメロデ

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妖怪わいぱあ

妖怪わいぱあ

小さな怪奇現象

夜遅く、布団の中で雪かきの音に気が付いた。
ザーッ、ザーッ、とスコップで凍った地面をこする音だ。
誰かが玄関前や車庫前の雪を地面が出るまできれいに削っているんだな
とは思ったものの
いや、ちょと、いつまでやってるの?と。
ザーッ、ザーッ、音はいつまでも止まらない
ばかりでなく
あまりにも規則的で不自然だった。
どうにも気になって布団から出て窓から音のする方をのぞいてみると
いたん

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なぜここにニクロム線!?

なぜここにニクロム線!?

小さな怪奇現象

昔々、北海道の中でも極寒の地に住んでいた時
トイレがあまりにも寒いので赤外線ランプの暖房機を置いた。
古い古い木造の家で、トイレはその当時すでに珍しくなっていた
汲み取り式だった…。
トイレに入っているときだけスイッチを入れていたのだが
ある夜あまりにも寒かったので(-20度以下)
次に入るときまでつけっぱなしにすることにして
スイッチを切らずにトイレから出たところ
トイレの照明

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そこは110番なのでわ?

そこは110番なのでわ?

小さな怪奇現象

夫がふと思い出したハナシ。

ずっと前、大雨の夜に

集落から遠く外れた山の中を車で走っていたら

ヘッドライトが一瞬とらえた人影があった

まあ、一瞬だったからよくわからなかったけど

女性だったと思う

そこらは家がほとんどなくてしかもすごい雨の中だったから

車を停めて乗せてやろうかと迷ったのだけど

結局そのまま走ってしまった

1年ほど後、またそこを車で通ったのだけど

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水滴の出現!

水滴の出現!

小さな怪奇現象

その怪奇現象は
いつものように珈琲を落としていた心静かなひと時をかき乱した。
ドリッパーにヤカンのお湯を休み休み細く注いでは
ポットの中に滴り落ちる珈琲を眺めていた時

何度目かにお湯を注いだ後、ヤカンを手に待っていた
要するに
「お湯を注いでいないとき」にソレは起きた。
突然、ポットのそば・ステンレスの調理台の上に

小さな水滴が出現したのである!
え、お湯は注いでいないよ?

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怪異畳を掃く音

怪異畳を掃く音

小さな怪奇現象
読書

小松左京の短編に「まめつま」という話がある。
夜中に赤ん坊が激しく泣くのは
それはまめつまという物の怪のせいだ、という。
いや、書きたいのは「まめつま」そのもののことではなく
その話の中に出てくる別の怪異で
うとうと眠りかけると枕元で「ざっざっざっ」と
まるで小さなホウキで畳を掃くような音がする
と書いてあった方だ。
これ、自分には時々起こることで
小松左京は実際に聞いたこ

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鏡の中の鏡の中の鏡の中の

鏡の中の鏡の中の鏡の中の

小さな怪奇現象

小樽芸術村に何度か行った。
ここは家具や生活雑貨で知られたニトリのいわゆるCSRだ。
そこで見た非常に不思議で面白いものが
旧三井銀行小樽市店の中の
「貸金庫回廊」
分厚い頑丈そうな金庫の扉の向こうにはなぜか白いタイル張りの部屋がっ!
なぜか“回廊”になっていて(実は空気を回して結露を防止するため)
角々には床から天井までの細長い鏡が設置されている。

これで回廊のどこに人がいて

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謎の大陸

謎の大陸

小さな怪奇現象

子どもが小学生の時のこと。
教室に貼ってある世界地図に、ナンか、大陸?があるんだけど
と、聞いてきた。
太平洋のところに大きな白い大陸があるのだと。

これって、アトランティス大陸なの?

?????
いや
いやー
それは無いと思うぞ。
そもそもアトランティス大陸って大西洋にあったと言われたのだし
で、ナンで現代の地図にそれも小学校の教室に貼るような世界地図にアトランティス大陸が

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診察券

診察券

小さな怪奇現象

おばあちゃんの診察家の束を見直していたら
何年か前に閉院した医院のが出てきたので
「これ、処分していいですよねー」と、処分しようとしたら
その日付が…

22 . 3 . 16

???
待って
この医院はもうとっくに閉院してるよ?
時々そばを通るけど建物の回りにはロープがめぐらされて
窓にはカーテンがかかったままで人影を見ることは無く…
で、ナンでこの診察券が今年の春に作ったこ

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関係ありませんから!

関係ありませんから!

小さな怪奇現象

道を歩いていたら
「ブロロロロロ!!」と大きな音が。
そちらの方を見ると路肩に軽乗用車が停まっていたので
その車のアイドリングの音かな、と思いつつもずいぶんやかましいなと。
で、さらに歩いていくと
その車の向こうの庭で電動芝刈り機をかけている人が見えてきて!
ナンだ、芝刈り機の音だったのか
だよね・だよねー。
またある日
道を歩いていたら
頭の上から「ゴオオオオー」と大きな音が。

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墓場に漂う白い煙

墓場に漂う白い煙

小さな怪奇現象

以前、お盆に息子を連れての墓参りで遭遇したこと。
お参りを終えてぶらぶらと墓地を歩いていると
ちょと離れて歩いていた息子が声を上げた。

「あ、なぜかここから白い煙が!」

息子が指さすあたりには確かに白い煙がふよふよと上がっていて

ああっ!こ、コレはお盆の墓場の怪異なのかーっ!!

そこは道端の墓石の無いちょと空いたところで
だからお墓のお線香じゃなくて
じゃなくて
リアル火

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真夜中にちりちりと鳴く柱

真夜中にちりちりと鳴く柱

小さな怪奇現象

昔々、まだ実家に住んでいた頃
真夜中にトイレに起きて、さて部屋に戻ろうかというときに
横から、かすかな音が聞こえた。

ちりちり…ちり…

え、ナニ?やだ、え?

音は柱のあたりから響いてくる。

ちりちり…

身体を一歩そちらの方へ寄せて、さらに耳をすます。
間違いない、この柱のここら辺だ。
何かが、小さいものが砕けるような?
あー
白アリかも!?
古い木造住宅だし
そういえば

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ぬえの鳴く夜

ぬえの鳴く夜

小さな怪奇現象

昔々のある夏、森でキャンプしたとき
夜がふけてから

ひー … ひょー …

と、高く澄んだ音が聞こえてきた。
一瞬、鹿笛かと思ったが音が違う。
それよりもリコーダーに似ている。
それがあちらから聞こえたり・こちらから聞こえたり
右から・左から・遠くから・近くから
音は間を空けて森のあちこちから・違う場所から聞こえてくる。
誰かが笛を吹いて歩いているのかと思ったが
それにしては足

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