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竹ちくわと砂に書いた文字と海

どういうわけか海に縁があるんです。
生まれたのが周防大島。
18歳まで育ったのは淡路島。
どちらも瀬戸内海にある島です。

最近、よく思います。
あんな広い海が目の前にあるなんて幸せだったんだなと。

今日はnoteのお題  #海での時間  についてお話しします。

人はなぜ海に惹かれるのか

ここ2年、実家がある周防大島に帰省できていません。
「田舎があっていいね」とよく言われます。
でも、そこそこ遠いです。

ただこれだけ帰っていないと、何にもない(少々不便な)風景がいい。波音が聞こえたら、放っておいても乱れた心が整うのがわかるようになってきました。

人が海に惹かれるのって、そういうことなのかな?

父の転勤で住んでいた淡路島時代は、橋ができるまでフェリーが交通手段の一つでした。

19歳の春、進学で東京に上京。
学生寮で夜な夜な友達と「田舎あるある話」をして、仲良くなります。

そこで、知りました。
フェリーって、特殊な体験なんですね。

「カーフェリーに乗ってみたい!」
「ずっと海を見ながら、渡るんでしょ!ロマンチックぅ」

ま、まさかの感想。これがネタになると思っていないので、かなり驚きました。

作家 (10)



そして、みんなの海のイメージは「癒しとリゾート」
住んでみたら、良いことばかりじゃないですけれどね。


ところが海を見飽きるほどの私でも、2年のブランクで恋しくなるのですから面白いものです。

それは、良くも悪くも「島暮らし」「テレビや雑誌でみるTOKYO」正反対のギャップをガンガン感じているからなんでしょうね。

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↑ライトアップされた東京駅。きらびやか。

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↑JR山陽本線大畠(おおばたけ)駅。夜は無人。海の向こう側が周防大島。


両面を知るといろいろ見えます。

究極の「島と海あるある」

では、このギャップってなに?

ということで、人に「スゲぇ!」と言われた島と海の生活を挙げてみます。


【看板がスゴいらしい】
「いやぁ、何が驚いたって「マクドナルドあと30キロ」なんていう看板は、淡路島しかないだろ!」

遊びにきた親戚が興奮!
ウーバーイーツは成立しない距離です(笑)

島のお店看板は、メートル表示ではなくキロ表示が多いです。これは島の人間にとっては、ちっとも不思議ではないです。


【世界初?の自動販売機?】
フェリーの船上で、よく食べていたのは竹ちくわ。淡路島名産の懐かしき味。売店が閉まったら販売機があるから、これだけは食べられるんです。現在は、サービスエリアの自販機で販売されていますよ↓


【海岸はいつもサザン】

イヤなことがあれば、海岸散歩で発散!高校の時代は、学校帰りに自転車で浜辺へ。白砂に文句を書いて波にさらってもらったら、スッキリです!

♪砂に書いたなま~え消してぇ…
サザンの曲のまんまです。


【いきなり黄金伝説体験】

となりの小島から渡船通学する友達が教えてくれたのは、モリでウニを突いて「トッタどー!」と叫べること。
孤島サバイバル番組を地で行けちゃう笑

【需要かなりあり!】
あ、そうそう!
周防大島では、浮き輪を売っているコンビニもありましたね。

わたしの知る「海」は日常的な風景ですが、並べると世間的にはなかなかレアでした。

海でじぶんを取り戻す

二つの島を体験して思うのは、自然に逆らわない暮らしです。特に海を感じるなと思った瞬間が2つあるんです。

一つ目は実家を新築した時。
上棟式は、島の長老や棟りょうが潮の満ち干を調べます。新聞の一面にちゃんと「きょうの潮」欄があるので、それに合わせて潮水を調達します。

そして、新築のハリの四隅からまく…なんて儀式がありました。


もう一つは、息子が生まれた日。

帝王切開予定日が決まっていたにも関わらず、「もしや大潮の日に生まれるかもよ」とみんながソワソワ!

その予感は見事に的中!
新月大潮のなか、緊急出産となりました。

生活に、海が根づいています。

そういえば、心がいつもほどけていたのは「今日は凪じゃけ、エェ海だわ」という祖母のことば。「凪」を知ったのも、海があったから。


帰省したら、思いっきりぼーっと波面に浮かぶんです。ゆるむゆるむ~!

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↑周防大島の海水浴場の浜辺


悩み、ちっちゃいなぁ。海は広いなぁ。


はい、これでリセット!
我にかえるのが、海なんですよね。

今年はよくがんばった、がんばった。来年は地元の名産を食べながら、砂浜にモヤモヤを書いて波に洗ってもらう。
そして海にきっとポヨーンと浮かんでいることでしょう。

それが海を知るわたしの正しい過ごしかたです。

作家 (11)


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