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大学、バイト、就活、ぜんぶやめてみた、その後。

スマホのアラームが鳴った。
早起きするのは久しぶりで、
どうやって解除するのかしばらく悩んだ。
起きた瞬間、大体の自分の調子がわかる。
これは病気になってから身についた、というか自然と確かめるようになった。
今朝は体もメンタルも調子悪いなと思った。
異常に寒くて熱があるんじゃないかと疑ったぐらいで、寝起きから吐きそうだった。
2週間ぶりのカウンセリングと、担任に呼ばれていたので、大学に行くと決めた。
妹はまだ寝ている。 
起こさないように、真っ暗な部屋でカレーパンを食べて、最低限の身だしなみを整えて、大阪に持っていく荷物をまとめた。
うっすらと息苦しさを感じながら歩く。
電車に乗ると、じわじわと息苦しさが強くなってきた。パニックだと思った。
やっぱり調子悪いときはあかんなと思いつつ、薬を探す。やらかした、薬は持ってるのに水を持ってきていない。まあいいや、そこまで酷くないし座れているから大丈夫。
耐えて、大学の最寄りに到着。
ノイズキャンセリングイヤホンは相棒、きっとノイキャンなしでは大学に来られない。スピッツとYOASOBIを聴く。

いつもより早く着いてしまった、相談室の前で待つ。 
今日はこんにちはを自分から言えなかった、言葉が出なかった。でも、話せた。この2週間をどんな風に過ごしていたか、ちょっと元気になってきたこと。

実は自殺未遂したあと、地獄みたいな日が続いて、急遽病院に行って薬を出してもらった。効果が出るまで1週間と言われて、余計に絶望が増してしまって、もう限界だったのに、この状態で1週間生きなきゃいけないのかと。
次の日がカウンセリングで、もうボロボロの状態だったと思う。これまで言えなかったこと、言おうとして飲み込んだことを、もう抱えきれなくて全部話した。自傷とか自殺未遂のことも話した。
未遂の日のメール「むりでした」の話を、真っ先にされたから。「死にたくなって、やめとこってなって、やっぱり死にたくて、でも無理だったんだよね?多分そういう意味だろうなって思ったから、メール見たときは安心した」と言われた。自分が何をしようとしていたのか、隠せないことが分かって、もう隠せるほどの元気もなくて、全部話すことにした。これまでにも死のうと行動してしまったことがあるということも。首の痕はコンシーラーで消していたし、傷だって見せたことない。必死で隠していた。だから、本当のことを話すのは怖かったし、涙が止まらなかった。もう隠さなくていいんだって安心したのもあると思う。
6月に死ぬつもりだったけど自傷で済んだ、と話したら、ビックリされた。その頃にはカウンセリングを始めてたから。そこから自傷行為が始まって、でもすぐに辞めた。もう傷はほとんど残っていない。


自分がいつ死のうとするかわからない、薬がいつ効くのかわからない、ひとりになるのが怖い。
 
実家に帰ろうと提案された。
私も考えていたことではあった、
「今ひとりになるのは危ない」
これは心理士さんにも言われた。     

次の日、耐えられなくなった私は、
アルバイト先と母に電話をして、
バイトをしばらく休んで実家に帰ることを決めた。
 
いつもだったら1人の方が落ち着くから、実家に帰るなんて選択肢はない。でも、今回は自分の生死に関わると思ったから。まだ死にたくない、死のうとしたら止めて欲しい。

脱線してしまったが、
今日はその2週間前のカウンセリング以来で久しぶりだった。

ご飯を美味しく食べられるようになったよーとか、めっちゃ寝てる、とか、幼なじみと会った、とか話して、落ち着いてきたよってのを伝えたかった。
心理士さんはそれを喜んでくれているように見えた。
「死にたい、って気持ちは変動あると思うけど、長期的な目では消えてきた?」と聞かれた。普段はこんなこと聞かない人だけど、2週間前の私が言ったことを気にしてくれているのだと思う。
正直わからない。弱くなってきた、と思ってるけど、不意に頭の中で強くなることもある。
「弱くなってきたと思う」と答えた。
「消えてはいないんだね」と言われた。
ごめんね、この気持ちが消えてくれたら安心させられるのに。
でも嘘をつくのも隠すのも、ちょっとずつやめたいから、本音を言わせてほしかった。

「この2週間で、環境を変えたり、薬を変えたりして、調子はどう変化した?」
「実家に帰って、3日間ぐらいはしんどかったけど、1週間ぐらいで落ち着いてきて、そのまま変わってない」
「3日間ぐらいはしんどかったんや、どんな感じやったか覚えてる?」
「頭の中がうるさかった」
「ん?」
「考えてることがたくさん浮かんできて、それがずっと頭の中をぐるぐるしてて、うわーー!ってなってた」
「そんな感じやってんな、そうなるとしんどいよね。よくがんばったね。」
「うん、しんどかった」
「頭痛もあったけど、頭の中がうるさいーって感じが強かった?」
「うん」
「今は消えたというか、薄れた?」
「だいぶ薄れたかな」

こんな話。
いつも思うけど、心理士さんとか心理学の先生の理解力すごい。
「頭の中がぐるぐるする」
「うるさくて、うわーーってなる」
みたいに、言語化できない苦しさを言葉にしてくれる。
「喋れないぐらいしんどい」
を分かってくれる。
パニックと解離が違うことも、
普通は伝わらないと思う。


「今日話したいことある?」と聞かれて、ない、と答えた。
普段話したくても言えないことを2週間前に言ってたから、と。
今日は家族の話をした。
あんまり言いたくなかったし、
言ったら愚痴になっちゃう、
親を悪者にしたくない。
親に言われたことをずっと引きずってるのも恥ずかしい、好いてくれているはずなのに好きになれない、傷つけられるのが怖いから自分の話はしたくない。
ちょっとだけ、どんな人なのかを話した。心理士さんは無理に聞き出そうとしなかったし、これまで会ってきた父親は娘が病気だったら状態を知りたくても気を遣って聞かなかったよ、でもそうじゃない父親もいるし、そういう人はカウンセリングに来ないんだよね、と言ってた。
わかったようなことを言わない、知った気にならないのは、この人の良いところだなと思った。だから安心して話せる。

あと、心配させるかもって思ったけど朝のパニック起こした話をした。
「手汗すごいんよね笑」
「どうしたん?」
「今日電車乗ったから」
「うん」
「ちょっと怖かった」
「やっぱりまだ人の目が気になるんやね」
「うーん」
「その症状出るのは初めて?」
「ううん、昔、酷かったときは電車乗れんかったけど、乗れるようになって、でも調子悪いときに乗るとこうなる」
「そっか、その頓服持ってる?」
「持ってる、水持ってくるの忘れて飲めんくて」
「家帰ったら水あるやんな」
「うん、家帰ったら飲む」
「帰り、電車もしなんかあったら怖いから、家で落ち着いてから帰るんやで」
「わかった」


こんな感じで今日のカウンセリングは終わった。
担任にも会って、用事済ませて、大阪の家に帰った。
冷凍バナナと筑前煮食べて、頓服飲んだら落ち着いたので、実家に帰ってきた。

ドッと疲れた。
引きこもってるから、急に動いたら疲れるんだなと分かった。

カウンセリングのことを思い出しながら、自分の中の「死にたい」「死にたくない」について考えてた。
気分安定剤を試す前と試してから数日は、もう頭の中がグチャグチャで、どっちの気持ちもあって、脳内が戦争状態。頭の中で消防車と救急車の音がずっと鳴ってるような状況だった。
薬の効果が出始めたからなのか、バイトを無期限で休むことにして、就活もストップしたからなのか、わからないけど、脳内は静かになった。
「死にたい」「死にたくない」はまだいる。普段は出てこない。
たとえば今日みたいに調子の悪い日に、チラッと顔を出す。考え出すと、もうダメ。

今だって明日が来るのが怖い。
明日自分が生きてる想像がつかない、来週、来月、来年なんて考え出したらもう早めに死んだ方がよくない?ってなる。
楽しみがないわけじゃない。
来月は櫻坂のライブがあるし、再来月は瑛紗のミーグリがある。
ただ不安はもっといっぱいあって、就活解禁、大量の説明会、ES提出、筆記試験、面接、バイトに復帰、そして4月からは大学。週4で大学通いながら、バイトと就活、もはや両立ではない。3つあるもん。

私はがんばれるようになるのかな。
もし今の状態が続いて、バイトに行けなくなったら、大学に通えなくなったら、面接に行けなかったら、と考えてしまう。
がんばらなきゃいけない時期だと分かってる。
今、休む決断をしたのは正しかった。本当に私が命を絶つ前に身の安全を確保したのは正しい判断だった。ちゃんと判断力が残っていて良かったと思った。
いつまでも休んでいるわけにはいかない。
怖くても苦しくても、
がんばらないと大卒になれない。
社会人になれない。
私の判断を応援してくれる人はいる、
責任を取るのは自分。

怖い。
でもがんばらないといけない。
がんばりたい。

ちなみにバイトを休みますって言ったら教室長にボロボロ泣かれた。
たった10日(予定だったけど20日ぐらい)休むと言っただけなのに。
泣くほど、私が居ることに意味があったらしい。

私は先生と話すとき、いつも上手く伝えられなかったかも、って不安になる。この職場に来てからは素に近い自分で働いてるから、必要以上に話さないし、世間話もしない。
二度も当欠してしまって、今度はいつ戻れるか分からないなんて言ったら、もうクビだと思ってた。

「○○さんが居ると落ち着けるんです。
焦らせるつもりはないけど、戻ってきて欲しい。
○○さんが休むと、生徒がさみしがるんです。先生宛てにお絵かきしてたぐらい。
色々あるよね、しんどいよね。
寒いと悲しくなっちゃうから、暖かくして、お母さんにいっぱい甘えてね。」

と、伝えてくれた。
待っててくれる場所があるって嬉しい。

焦らないで、
ちょっとずつ、ちょっとずつ、
戻れたら良いな。

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