広告は歴史を繰り返す

Generative AIの登場により、ユーザー行動が大きく変化している。この影響を最も受けているのが、検索エンジンの巨人、Googleだ。検索エンジンが危機を迎えることで、リスティング広告の売上低下が予測されるようになった。さらに、3rd Party Cookie廃止によるディスプレイ広告のパフォーマンス低下も重なることから、Googleが次の収益の柱とするところは動画広告であり、特にコネクテッドTV(CTV)がその主力となることは間違いない。

コネクテッドTVは、インターネットに接続されたテレビで、従来のテレビ放送とオンデマンドコンテンツを融合させたサービスが提供されている。この分野では、既にNetflixやAmazon Prime Videoなどのサブスクリプション型のビデオ・オン・デマンド(SVOD)サービスが成功を収めているが、広告を収益源とするAVOD(広告付きビデオ・オン・デマンド)サービスも成長の兆しを見せている。Googleもこの動向に注目し、Google TVを通じて民放の番組を見放題にすることで広告収益の囲い込みを狙っている。
https://blog.google/products/google-tv/google-tv-free-channels/

また、他のプレイヤーもこの市場に参入しようとしており、広告テクノロジーの競争はCTVの土俵のうえでさらに激化することが予想される。現状、広告主にとって、CTVはターゲティングや測定において実用面でまだ課題が山積している領域であり、同時に各社が工夫をこらしていく余地が大きい側面もある。だが、枝葉の部分でテクノロジーが進化し、各社が差別化を図ろうとも、行きつく先は結局テレビであり、逆流が始まっているようにも思えてならない。

広告業界は歴史を繰り返しながらも進化を続けつつ、新たな技術や市場環境に適応していく。今後も、広告テクノロジーの変化に目を光らせ、その動向を注視することが重要だ。

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