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【はじめての生理ボックスの開発秘話その①】「はじめての生理ボックス」をつくるまで-

はじめて生理を迎える親子に寄り添うギフトボックス「はじめての生理ボックス」。2021年3月8日の販売開始からご好評をいただいており、お子さんへのプレゼントとしてはもちろん、性教育の授業やワークショップの現場で、知育教材としてもご活用いただいています。
今回から何度かに分けて、「はじめての生理ボックス」を発案・企画した新規事業本部の飯塚さんに生理ボックス開発の背景についていろいろとお話を伺いました。

―「はじめての生理ボックス」の着想のきっかけは?

前職で子ども向けの絵本をつくっていたのですが、「子ども向け」とされるものの一部は捉え方によっては子どもだましのような商品がありました。自分は、大人が作った枠の中に子どもを当てはめるのではなく、子どもが自分で考えて自由に遊べる本を作れないか?と考えていて、例えば子どもが自分で考えた国の国旗を描いて遊べるような絵本など、遊びながら学べる本を制作していました。
その後、老舗下着メーカーであるチーカスに縁あって転職した際に、これまでの経験を活かして何かできないか?と考えました。
自分は男性なので想像することしかできないのですが、女性の人生の中で「初潮を迎える」ということはとても大きな出来事なのではないか……?と考えました。大人と子どもの境目にいる思春期の時期に初潮を迎えるということは、たくさんの不安を伴うことだと思いますし、親御さんも正しい知識をフラットに伝えるということは容易なことではないと感じました。
なので、初潮を迎える前に、考えられうる不安に寄り添ったものを作れないかな?と考えたことが「はじめての生理ボックス」の着想のきっかけです。

はじめての生理ボックス

―具体的にどのような不安に寄り添うことが必要だと感じましたか?

まずは、「自分の体が大人になる」ということは子どもにとって一番大きな不安なのではないかと考えました。もちろん、大人になることへのあこがれや喜びも併せて子どもは持っていると思います。だけれど、自分の意思とは関係なく体が変化してしまうということは、単純に恐怖を感じうる経験なのではないかと思います。
保健体育で体の変化を習うことはもちろん大切なことですが、その前に身近な不安をある程度解消できると心の準備ができるのではないかと思います

自分の話になりますが、僕が子どもの頃には近所に住んでいた高学年のお兄さん・お姉さんがわからないことを教えてくれたり、気軽に相談に乗ってくれたりと、何かと頼れる身近な存在であったことを思い出しました。決して押しつけがましくなく、自分の知っている知識をやさしく教えてくれる存在に、幼いながらも背中を押された記憶があります。初潮にまつわる不安を抱える子どもたちに、やさしく知識を伝えながら、何かしら心構えやアドバイスができればと思い、まずは助産師さんに監修いただいてオリジナル小冊子「はじめての生理ブック」の制作に取り掛かりました。

助産師さん監修の生理のオリジナル小冊子「はじめての生理ブック」

―「はじめての生理ボックス」には、どのような想いが込められていますか?

大人になるとともに体が成長することは避けられないことです。それはもちろん恥ずべきことではありませんし、また当事者以上に周囲が盛り上がることにも正直疑問があります。
あらかじめ起こる変化にたいして正しい知識をつけることが、初潮を迎える前に不安をなるべく解消できるひとつの方法だと考えているので、このギフトボックスはそういった心構えに役立てたらと思っています。

フィンランドには、子どもが生まれる家庭に政府から支給される「ベビーボックス」という育児支援パッケージがあります。出産日を迎えるまでには、決してポジティブなだけではないいろいろな感情が湧くと思いますが、ポップでかわいらしいデザインの「ベビーボックス」が贈られることで、来たる日をわくわくしながら待つことができるのはとても良い取り組みだと感じました。
この「はじめての生理ボックス」は、そこからもヒントをもらい、初潮を迎えるまでの期間をアドベントカレンダーのように楽しみながら親子で過ごしてほしいという願いが込められています。

大人になることは大変なことも多いけれど、みんなで協力したり、違いを理解しあって、乗り越えていけるような社会が実現すればいいな、と思っています。そのために、子どもも大人も、一緒に学び、対等に話し合う場所をもっと広げていきたいですし、そのひとつのきっかけにこの「はじめての生理ボックス」がなればとても嬉しいです。

はじめての生理ボックス

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