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2023.4.5 赤字でもやめられない…EV事業の闇

3月29日、NEXCO東日本などが、高速道路のパーキングエリアに電気自動車(EV)の充電施設を増やすことを発表。

2025年までに1100個増やす計画で、EVの本格的な普及を前に充電インフラを整備する計画です。

ある調査では、国民の53%がEVにポジティブなイメージを持つと答えるように、貴方も“EVは環境に優しく、これから主流になるだろう”と思っているかもしれませんが…。

私は、電気自動車は主流にならず、今後もハイブリッド車含むガソリン車が有望だと思っています。

今回は、その理由を含めて少し書いていこうと思います。


フォード社を苦しめるEV

3月24日、ウォール・ストリート・ジャーナルの日本語版が、アメリカの自動車大手フォード社の利益構造について記事を書きました。

フォード社はEV車を売っていますが、大損を出しています。

2022年は、EVでの損失は約20億ドル。

2023年は、恐らく約30億ドルに赤字が拡大すると言われています。

しかし、フォード社は、全体としては利益を上げています。

なぜかというと、普通のガソリン車を売り、そちらで儲けているからです。

2022年の内訳を見ると、
・普通のガソリン車:約68億ドル
・商用車:約32億ドル

合わせて約100億ドル稼いでいるので、EVで20億ドルくらい損しても何とかやっていけるでしょう。

しかし、EVの損失は、政府から多額の補助金を受けてもなお、20億ドルの赤字なのです。

さらに、前述の通り、2023年12月期には30億ドル(約3900億円)の大赤字になってしまうということは、仮にEVだけの生産にしてしまうとフォードは確実に潰れるということです。

ですから、ガソリン車はなくせません。

これはヨーロッパでも、似たような構造があると思います。

赤字でも続けるEV事業の裏側

フォードにとって、EVによる20〜30億ドルの損失の理由は何かといえば、これははっきり言ってバイデン大統領による税負担でしょう。

結局のところ、バイデン政権に従わないといけないからやっているに過ぎないのです。

一生懸命EVに取り組んでいますよ、というポーズだけはとっておきたいということでしょう。

後で政府からいじめられると困りますから。

ですから、税金を払っているつもりで、EV部門で損失を出しているということです。

また、国民から見てEVは、高価ではあるが国から補助金がたくさんもらえます。

しかし、この補助金は政府から出ています。
政府のお金ということは、いわば国民の税金です。

ですから、国民は税金を払って、それが政府を経由して受け取っているだけのことで、国民全体としては自分で税金より高い自動車を買わされているだけに過ぎません。

国民からすれば、EVを押し付けられることで、より貧しくなっているだけなのです。

これは企業にとってもそうです。

企業も様々な補助金をもらっていますが、元々税金として企業が払ったお金が戻ってきているだけなので、EVを生産しなければ、もっと儲けることができるでしょう。

繁栄するアメリカの石油産業

そして、ヨーロッパではともかく、アメリカではガソリン車やディーゼル車は絶対になくなりません。

アメリカは国土が広いという理由もありますが、ガソリンや石油製品を作る製油所の今年の稼働率は平均90%。

さらに、アメリカ政府のエネルギー省の公式サイトを見ると、2024年のアメリカの製油所の稼働率も90%の見込みです。

これでは、ガソリン車が無くなることはありません。

ちなみに、2022年におけるアメリカの石油関連の製品輸出は前年より7%増加しました。

ガソリンの輸出は18%も増えています。

世界にガソリンを輸出しているのです。

もう一つ面白いのは同年、アメリカの天然ガス使用量が過去最高になりました。

2021年と比べると、5%増えました。

ここから分かるように、バイデン政権は色々言っていますが化石燃料は無くなる気配はありません。

そして、ガソリン車は益々売れるようになるでしょう。

これはアメリカの利益構造ですから、自動車大国のドイツをはじめ、ヨーロッパでも自動車産業を潰さないようにするとなれば、ガソリン車やディーゼル車を使うしかありません。

今のところヨーロッパでの妥協策は、環境に優しい合成燃料を使うことを理由にしてガソリン車を売ると言っていますが、現段階での言い訳に過ぎないでしょう。

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