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源氏物語を楽しく読みたい


本好きなら一度は、日本が誇る世界最古の長編小説とも言われる「源氏物語」をちゃんと読みたいと思うのではないだろうか。
また今、大河ドラマで「光る君へ」をやっていて、興味が出た人もいるかもしれない。

で、ネットを見ると、与謝野晶子の源氏物語が青空文庫でタダで読めるし、kindle unlimited でもあるじゃん!読んでみようかな。と思うかもしれない。

…まず、ほとんど挫折すると思うw
源氏を読み始めたはいいが、読み切れなくて、須磨の巻あたりで読むのを諦める「須磨がえり」という言葉があるが、須磨まで行かず、最初の桐壺の巻で心が折れると思う。
だいたい、与謝野晶子の文章だって、今流布しているのは昭和13年~14年に出版されたもので、今からしたらだいぶ古文に近いし、和歌に訳だってついていない。
悪いことを言わないから、最初にこれから始めるのはやめた方がいい。
※追記 しかもリンクで張った与謝野晶子の源氏物語は一番最初の訳で
1912年(明治45年)2月から1913年(大正2年)11月にかけて出版されたものである。こんなん注意書きも無しに普通に売るな、角川書店w

なにはともあれ「あさきゆめみし」

源氏物語をお勉強として、筋を追うのが精いっぱいで読むのではなく、当時の平安少女が、楽しい!面白い!早く続きを読みたい!とわくわくしたように読めて、かつ原作から大きく外していないのはやっぱり大和和紀「あさきゆめみし」

何はともあれ、あさきゆめみし。中古でもたくさん出ているだろうし、文庫版もあった(自分は文庫版で買いなおしたけど、今もあるのかな)
変に見栄を張らず、女は黙ってあさきゆめみし。異論は認めないw

ただ、まぁこれにも欠点?はあって、よく言われるのが「女君の顔が似ていて誰が誰だかわからなくなる」(髪型がみんな同じだしね…でも慣れると違いがわかるし、よく描き分けてあると思うのだけど)
あと、さすがに今の人が見ると、絵が古臭く見える。かもしれない。

このあさきゆめみしは高校時代に周囲で大ブームを起こし、私も今や誰から借りたか覚えていないけれど、なんやかんやで回ってきていて、早く次の巻が読みたくて順番を待っていたものである。あれ、もう30年前?w

小説なら「新源氏物語」

次点。
小説としてスルスル読めて面白いのが田辺聖子「新源氏物語(上中下)」、「霧深き宇治の恋(上下)だと思う。

有名な1巻目「桐壺」をばっさりと切り、2巻目の「帚木」の途中の空蝉との話あたりから始めるという構成だけど、比較的、原作にはのっとっていて、小説として面白く、お勧め。
あさゆきめみしは結構、新源氏物語の解釈を取り入れている感じもあり、あさきゆめみしと田辺源氏は親和性も高いように思う。

一見ふざけた絵だけれど「まろ、ん?」

長い長い源氏物語のあらすじを簡単に知りたいのなら、小泉 吉宏大掴源氏物語 まろ、ん?」も好き。美男子の筈の源氏が栗で、ちょっとふざけた可愛い絵だけど、結構、住まいや衣装のことから物語の背景もたくさん調べてあるうえでわかりやすく仕立てた感じがする。
「…しちゃった」というのが可愛いw
この本を片手に瀬戸内寂聴の現代語訳を読みとおした、という人を知っている。

いきなり現代語訳を読み始めると、だいたいは挫折するので、最初はこのような本で「源氏物語って面白いな」と思って内容をある程度知ってから、現代語訳を読むといいと思うのです。

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