しょちぃ

元ケータイ小説おりおんクリエイター。電子書籍化済。インディーズ作家。気ままに好きに書い…

しょちぃ

元ケータイ小説おりおんクリエイター。電子書籍化済。インディーズ作家。気ままに好きに書いてるのでジャンルは決めてはいません。 名前の"しょちぃ"はAIりんながつけました。 よろしくお願いします。

マガジン

  • 夜明けの鏡

    この作品は11年のブランクの後書いた作品です。 私は一度優秀賞をいただき作品が電子書籍になったことがありますが、その後いろいろあり、書くことができませんでした。それだけに大変思い入れのある作品になっています。特に主人公のかの子さんにはとても特別な思いがあります。 私は誰でも読んでほしいのでなく、本当に読んでほしい人に読んでもらいたくて、このような形にしました。  この作品を読んでいただいた皆様に幸せがありますようにお祈りしております。

最近の記事

火の玉の如く9(小説)

初めての試合 3日後、試合の日が来た。みんなは軽い調整のような顔をしている。 M大の連中が緊張した面持ちでグラウンドに来た。 キャプテンの足立さんが俺達に集合をかけた。 「よし、リーグ戦を前にして、相手は大学チャンピオン。いい調整相手だ。だが油断はするな、しっかりしめろ。今回は監督の意向で今からユニホームを配る。まずは大沢」 ユニホームが次々に配られていく。名門クリムゾンウォーリアーズのユニホームだ。汚すプレーだけはしてはいけない! 「次、上山、期待してるぞ!」

    • 火の玉の如く8(小説)

      翌日になり、俺はいつものように練習に向かった。ロッカールームに行く前にクラブハウスに寄る。 チームメイトと共に真由さんもいる。俺は真由さんに挨拶した。 「真由さん、おはよう」 「…………………」 真由さんは全くの無言だ。黙ったまま、チームメイトの岩橋さんのマッサージとテーピングを行っている。 岩橋さんが、終わったので俺もテーピングを頼んだ。 「真由さん、俺もテーピングお願いします」 「私じゃなくて、ほのかさんにしてもらったほうが嬉しいんじゃないの!」 そういうと真

      • 火の玉の如く7(小説)

        あれから数ヶ月が経った。 俺は猛練習を重ねていた。選手やコーチ、スタッフの皆さんとも打ち解け順調に日々を重ねていた。 今日は休みの日だ。俺は昔から馴染みの喫茶店に向かった。マスターとはボクシングの時から親しくしている。喫茶店のドアをあける、ガランゴロンとベルが鳴る。 「やあ、上山くん久しぶり。元気そうじゃない、よかったよ!」 「ご無沙汰してます。ちょっといろいろありまして」 俺がそういうとマスターはミルクティーを入れてくれた。あたたかいカップを手で包むと心までぬくもる

        • 火の玉の如く6(小説)

          次の日、俺はオッサンと一緒にグラウンドに向かった。グラウンドまでランニングで行くとオッサンが言う。本当に走るの好きだな、このオッサン。 いろいろと複雑に思いが交差する。これから本当に俺は何も知らないサッカーの世界で生きていけるのか? いろいろ思いながら走っていたらグラウンドに着いた。 「俺は監督室に行く。お前はロッカーで着替えたらウォーミングアップをしてろ」 オッサンがそういうので俺はうなずいた。 そのままロッカールームに行く、俺のロッカーを開けてジャージに着替える。

        火の玉の如く9(小説)

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        • 夜明けの鏡
          32本

        記事

          火の玉の如く5(小説)

          翌日は普通に練習した。俺だけ初心者だから基本からだが、矢野さんがボールの蹴り方を教えてくれた。 「上山、これがインステップキック、インサイドキックはこうだ。この2つをとりあえず練習しよう」 「はい!」 俺は矢野さんのいうとおり丁寧に矢野さんに向かってボールを蹴る。矢野さんが少し下がった。 「そこからインサイドで俺にボールを通せ」 俺は矢野さんに丁寧にボールを蹴る。矢野さんはうなずきながらボールを受ける。 「ハハハ。プロがガキの球遊びか。笑わすな!」 村上が俺に叫

          火の玉の如く5(小説)

          火の玉の如く4(小説)

          俺はその後も休むことなく走り続けた。途中で少しでも動きが鈍るとオッサンが俺のケツに容赦なく棒を叩きこむ。 「おい!ダッシュだ!なにジョックしてんだ!」 オッサン怒号の中、俺は頭がぼーっとしてきた。喉が渇き、唾を飲み込もうとしてもガムのようになり、飲み込めない。体が変に冷えてくる。歯がガタガタ鳴り始める。 「おら!ダッシュがダッシュでなくなってるぞ!」 オッサンの怒号と共に棒がケツに叩き込まれる。遠慮なく叩き込みやがるから、ケツの感覚がない。 しまいには口の中、血の味

          火の玉の如く4(小説)

          火の玉の如く3(小説)

          試練 あれから数ヶ月経った。俺は腕も完治し、あのオッサンのいるグラウンドに向かった。3日前に腕が完治したことはオッサンに伝えた。ただ3日後に来いとだけオッサンは言った。 スパイクは無いからランニングシューズを履いて行った。 グラウンドに近づいてきた。照明灯が近づいてくる。俺は今日こそあのオッサンに一泡吹かせてやると思った。 入口に着き、俺は大声で言った。 「今日からお世話になる上山蓮です!」 選手がウォーミングアップする中、オッサンがニヤッと笑って入口を開けた。

          火の玉の如く3(小説)

          火の玉の如く2(小説)

          俺より軽い足取りでオッサンは俺のボールを奪う。 奪われたボールは俺の背中の後ろのゴールに軽く入れられた。 嘘だろ?フットワークじゃ誰にも負けたことの無い俺があんなオッサンに……。 「おう、もう一回やるか?それとも、俺が攻めるか?」 「もう一回だ!さっきは油断しただけだ!怪我するかもしれないが覚悟しろよ!」 俺はそういうとオッサンはニヤっと笑った。 くそ!なめやがって! 俺はオッサンの足を思い切りキックしてやろうとさらに加速して突っ込んだ。 オッサンはニヤニヤしてボーっ

          火の玉の如く2(小説)

          火の玉の如く1(小説)

          新たなる挑戦 スポーツ選手としてボクシングで俺は頂点を目指していた。そうあの出来事までは。 俺は男としての生きがいをボクシングに見た。 必ず世界を取る!俺の拳一つで!練習も誰にも負けないくらいやった。俺は誰にも負けない自信があった。 パンチ力だって負けやしない。 コーチが持つパンチングミットに打ち込む! 「上山!もっとだ!ワンツースリーフック!」 コーチの顔が歪む。パンチングミット越しでも俺のパンチが効いている! よし!おもいっきりぶち込んでやるぜ! 俺はおもいっき

          火の玉の如く1(小説)

          さまざまな風景のうた21

          彷徨いて水の幻影追うような心の渇き癒す術いずこ 手を繋ぐただそれだけの行いが君と繋がる不可思議な奇跡 長い時光の入らぬ洞窟におこしめられし人々気づかれもせず この身をも焼き尽くすほどの怒りさえ生きている証と心に刻んで 沈黙が二人の空間包み込み抜け殻だけ残し何を伝えん 真実をすべて映してみようとも真実灯らず作り笑顔にすべて消え失せ 春の日ののどかな光心から君との時だけせつに望む 繰り返す痛みを抱え悩んでも時はうつろい人は流れ 眩むよな光のカーテン身に受けて四肢は

          さまざまな風景のうた21

          さまざまな風景のうた20

          しずけさに包まれやさしく目覚めれば心を誘う遠きまなざし 胸裂けるいとしいようなむなしさに時は散りてなす術もなし 雨音に耳を傾けて目覚めば春は近くにわれに微笑み 梅散りて桃は静かに微笑みて人恋しくも愛しくもあり きらめきに静かに流れる春の日も君とありて心に流れ 風さわぎ心の隙間にさしいれる上弦の月に想いあふれて あこがれも夢も終わりしこの時も君と二人で新しきはじまりに きらめきに晴れる空とは裏腹に寒き風に花は新しく萌え あざやかに時をうるおす花々に心満ちる春の日

          さまざまな風景のうた20

          最近思っていること(短歌について)

          こんにちは。 短歌は一日一首を目標にもう何年も続いています。一日も欠かしたことなく続けられて自分でもびっくりするとともに、下手くそだなあ。と後から見て思います。 しかし、自分でも数えられないぐらい何年も続けられていることは良かったとは思いますが、歌になっていないことを痛感しています。 最初はTwitter(X)に一日一首できれば載せていました。今もそれは続いています。 時には私のうたと似たうたをみつける時もあり(これはギリギリ盗作にならないのか?)、なんらかの形で見てくれて

          最近思っていること(短歌について)

          さまざまな風景のうた19

          ねがいとは裏腹にある今はただまぼろし見つ めるいつかみた夢 心身を縛るおもいに気づかずに今ある幸せわれと共に ささやかな君と二人の沈黙も永遠にあれよと常に思う 雨空に何することもなく過ごす部屋君がいないととても広い 目覚めれば窓の隙間の薄明かり求める虫もいとおしく思う 晴れわたる空に浮かぶいわし雲心のすきま映す如くに おだやかに秋は君と過ごしけりあわい光は永遠に輝き 君とわれ何することなく過ごしけり沈黙も永遠に心つながりて 目覚めれば空高くすみゆきて心も晴れ

          さまざまな風景のうた19

          さまざまな風景のうた18

          世にあるは苦しみのみと思いしも命の尊さ光をはなちて おだやかに時を刻みし秋の日は安らかに過ぎる君と共に しずけさに君と座りし街角のベンチも微笑む青き空 花薫る君と歩きしアーケードおだやかに過ごす時を忘れて 行く雲をしずかに仰ぐ秋空にやさしさ届ける風のたより 菊香り深まる秋に笑顔とは違う顔して浮かぶいわし雲 身を縛る病もわれの心まで縛れずしずかに自在に遊ぶ 生きているただそれだけの瞬間がまばゆき光われと共にあり まぼろしに過ぎた日々は時に逝き今を生きる一瞬の輝き

          さまざまな風景のうた18

          最近かんじていること

          最近、自分のことですが、小説には限界を感じています。まだ未完成の作品がありますが、とても破天荒な内容で小説と呼んでいいのかと自分でも思っています。 嬉しいことが一つありました。以前、携帯小説サイトおりおん⭐︎で書いていた時、私がファンだった方、Twitter、今はX?でフォローバして下さいました。 彼女の詩はやっぱりすごいですし、小説もすごいです。 そんなすごい人と同時期執筆できたことは素晴らしいことだと思いますが、あらためて、そのすごさを思うと私の小説は稚拙だなと感じます

          最近かんじていること

          さまざまな風景のうた17

          われもまた陽に照らされるもの皆共に秘めたる思い誰も知らぬなり 誰が知る風が行く様ある様をただことわりにゆだねゆくのみ 箱庭で遊ぶ人皆知らされぬ世のうつろいを畏れぬままに 気まぐれな思いの底に見え隠れ小さき存在のわれを映して むなしさに心動かしうつむけば川瀬をなでる風優しけり 陽の光心を洗う優しさにわれは静かに時を遊ぶ 待ちぼうけ食らったような心の底われを包む風にまかせて 寒き身をロウソクほどの明るさにせめて照らす心あたためんと 雨音にふと目覚めれば裾濡らすつめ

          さまざまな風景のうた17