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インテリアの本 お勧めの1冊 「魂のモダンデザイン」

インテリアが好き、インテリアの仕事を目指す人、インテリアに関わる多くの人に読んでほしい本です。
カッシーナ Cassina Japan 創業者が亡くなる前に書き遺した1冊。

最もらしいものや人、情報が溢れる時代、’本当のこと’を見る力は大切だと今改めて実感しています。日本でモダンなインテリアのスタイル、形がどのように始まったのか、どんな思いで始めたのか、本当のことを正直に書かれたこの1冊を一人でも多くの人に知ってほしいと願います。

要点を簡潔にまとめられているのですが、端的な言葉に深い思いが読み取れます。

私がインテリアの仕事で一番長くいた会社は、本社があるイタリアとは前半は合弁会社だった時代のカッシーナ・ジャパン Cassina Japan、20年間在籍しました。
後半10年は株式上場の準備から上場と大きな過渡期、上場準備から役員でした。

30代後半から経営陣となりましたが、キャリアを目指していたわけではなく、元々目立つことが苦手で、インテリアが素敵というくらいの漠然とした気持ちから、前回書いたように、たまたまのご縁で何となく転職した、未だ30人くらいだったかとても小さな会社だったカッシーナ・ジャパン。

有能な先輩の仕事を引き継ぎ、その先輩はとても厳しかったけれど、それは、カッシーナというブランドはこうあるべきという強い愛情からであって、この人の考え方についていきたいと変わっていいました。
最初は’引き継ぎはあなたでは嫌だ’と言われましたが、その10年後に、初めて’よく頑張ったね’と褒めていただきました。やっと認めていただいた。うれしかった。

組織が大きくなる過渡期に実力以上の役が就き、女性である現実も重なってかどこにでもあるようにパワハラや圧力も多く受け理不尽な重責、また嫉妬や中傷など苦しみに耐えながら、新規部門の開拓や施策を進めました。多忙で過労、人事の心労など重なりながらも何故続いたのかというと、一つは、最初の先輩から教えていただいたことを繋いでいかなければ、という使命感のような強い思いがありました。奢ることなく毎日その初心を忘れたことがなかった。

そしてお客様との出会い。
たかが家具や雑貨なのだけど、美しい生活の道具でもあり、そこに幸せを求める人たちがいる、お客様が増えていく喜び。

また私自身が実に多くのお客様の話や物件を通じて学ぶことが多く、高価というだけではない ’豊かさ’ を追求し考える環境であったこともやり甲斐でした。

そして、今も続くいい仲間との出会い。
初めて私だけの私に仕事が与えられること多くの役割を得たことも大きな喜びでしたが、多くの人に支えていただいた。

家具やインテリアを通じて多くの人との出会い、何より喜んでいただけることが最大のモチベーションでした。

上質なものに触れる喜びももちろん大きかった、
初めて見る上質で美しいものに実際に触れる感動。
モノと対話ができると知った。会話?とは変な人と自分でも思いますが、本当なんです。モノにも命が宿っている。

そして、写真のこの本を書いた、カッシーナ・ジャパンの創業者である武藤重遠氏から直接指導を受けた幸運。才能だけでなく情熱と姿勢、ずば抜けたセンスと先見の明、また取り巻くそこに集まる人..  
あの時代のさまざまな経験すべてが刺激的であり、ささやかな私の人生にとって大切な、考え方の方向性を見出すことができるようになりました。

今はなんでも情報が簡単に入りコピペできる時代。
この本は全てがオリジナル。原点。
「魂のモダンデザイン」
魂という言葉の意味。
インテリアに関心ある人に読んでいただきたい1冊です。

簡潔ですが言葉一つ一つに経験からしか書けない多くを知ることができます。


まとまりのない長い文になってしまいましたが、
引き続き、インテリアの仕事の経験からの思いを少しずつ書いていきます。

よろしくお願いいたします。

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