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本日の一曲 vol.281 ピンク・フロイド 原子心母 (Pink Floyd: Atom Heart Mother Suite, 1970)

「原子心母」は、1970年10月にリリースされたピンク・フロイドの5枚目のアルバムです。ピンク・フロイドは、1968年にフロントマンだったシド・バレット(Syd Barrett)さんが脱退します。

シドさんの脱退後、ピンク・フロイドは、ロジャー・ウォーターズ(Roger Waters, B)さん、デヴィッド・ギルモア(David Gilmour, G)さん、リチャード・ライト(Richard Wright, Key)さん、ニック・メイソン(Nick Mason, Dr)さんの4人体制になります。そして、19年にサード・アルバム「モア」、1969年に4枚目のアルバム「ウマグマ」をリリースした後、この「原子心母」をリリースしました。

このアルバムのA面全部を使って、タイトル曲「原子心母(Atom Heart Mother)」(近年は「組曲(Suite)」と呼ばれています)が収録されています。組曲の内容は以下のとおりです。タイム表示は、下の動画のタイムです。

1. 父の叫び(Father's Shout, 0:00-)
2. ミルクたっぷりの乳房(Breast Milky, 2:52-)
3. マザー・フォア(Mother Fore, 4:25-)
4. むかつくばかりのこやし(Funky Dung, 10:12-)
5. 喉に気をつけて(Mind Your Throats, Please, 15:27-)
6. 再現(Remergence, 18:00-)

歌はなく、ピンク・フロイドの4名、チェロ、ブラス・バンド、合唱団による演奏です。オーケストレーションは、ロン・ギーシン(Ron Geesin)さんが担当しました。

ロックの作品としては大曲ですが、感動的なテーマ、シンフォニックな響き、演奏の素晴らしさなどとてもよい曲で、筆者なども何度聞いたか分からないほど繰り返し聴いてきたのですが、ピンク・フロイドのメンバーは、あまりこの曲を好きではないらしいのです。

ロジャー・ウォーターズさんは、「もし誰かが今、そうだね、ここに100万ポンドあるよ、外に出て『アトム・ハート・マザー』をプレイしなさいと言ったら、冗談だろうと言うだろう。」と話していますし、デイヴ・ギルモアさんは、このアルバムは「ゴミの山だった。私たちは本当に落ち込んでいた…あの時期は少し調子を崩していたと思う」、「良いアイデアだったが、ひどいものだった」と話しています(英語版Wikipedia)。

しかし、この曲の人気は高く、イタリア・シチリア島パレルモのヴェルドゥラ劇場(Teatro di Verdura, Palermo)では、バレエが上演されました。振付はミハ・ヴァン・ヘッケ(Micha van Hoecke)さんです。

また、日本のピンク・フロイドのトリビュート・バンド「原始神母」は何度もこの曲をライブで再現しています。

(by R)

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