石原吉郎について考えたこと
石原吉郎の詩と人生を読み直している。長い間避けてきたのは、読めば必ず胸が苦しくなるのが分かっているから。だが、現在世界で起こっていることを思うと、この詩人の作品と人生の教えることは大きいと感じるのだ。起こったことは、変えることはできず、不可逆で、惨劇は惨劇で終わるしかない、と。随分前に野村喜和夫先生の講座に出ていたころに購入したままだった先生の著書『証言と抒情』を手掛かりに、難解と言われる石原吉郎読みにもう一度トライしているのは、近頃つくづく人間の運命とか宿命について思うこと