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桃花脱退宣言の理由を考える/『ガールズバンドクライ』7話 感想2

『ガールズバンドクライ』7話視聴。すでに感じたことを書いた。でも、他に気になったことが頭を去らない。しょうもない妄想に近いことだけれど、我慢できずに書いておく。 #ネタバレあり 7話でミネさんというキャラが登場。見るからに信頼できそうな人。しかし信用できそうな人こそ疑え。それが推理小説の常套手段だ。 ●ミネさんの発言に惑わされているのでは 桃花はなぜバンドをやめると言い出したのか。昔から桃花を知っているミネさんは「結論が出るのが嫌なのだろう」「怖いんだよ」と言っていた。

    • 『ガールズバンドクライ』7話/大人化する世界に抗う物語

      『ガールズバンドクライ』7話視聴。またまた色々思うところの多い回だった。私は視聴者ターゲット年齢から大きく外れているので、たぶんかなり偏ったこと(的外れともいう)を感じているだろう。でも、思ったことを自分勝手に書いておこうと思う。 #ネタバレあり 今回、仁菜の過去が明かされた。そして色々感じることがあった。仁菜の父には「カリスマ教育者」という肩書があり、そのせいで仁菜の登校拒否を受け入れようとしなかった。更に「いじめ隠蔽」に同意する代わりに推薦を得るという「学校との取引」

      • 『ガールズバンドクライ』に引き込まれたのはどこからだろう?

        #ネタバレあり、要注意 『ガールズバンドクライ』というアニメを見ている。第1話がYoutubeで公開されていたので、私はどこでこの話に引き込まれたのか、気になって見直してみた。私はどうやらこのシーンで強く惹かれたらしい。 仁菜は「社会のレール」から外れていて、それも「普通のレールの外れ方」と違っていることがわかるシーンだ。しかし「普通のレールの外れ方」とは変な言葉だ。レールから外れるとは「普通」からの離脱だ。だから、レールの外れ方に「普通」があるなんて変なのでは? でもそ

        • 『ガールズバンドクライ』で思い出す『訂正可能性の哲学』/リセット主義と子供と大人

          『ガールズバンドクライ』というアニメを見ている。主人公の面倒くさいキャラが面白くて見ていた。が、6話視聴して「桃花さん」というキャラの切なさにヤラレた。彼女の境遇について色々考えていて、少し前に読んだ東浩紀さんの『訂正可能性の哲学』のことを思い出した。私たちは「実は~だった」と言う形で過去を訂正しながら生きている。辛い過去を持つ桃花。彼女でも、過去を前向きに訂正できるのだろうか。思ったことをメモしておく。 #ネタバレあり ●6話までのあらすじ 桃花は過去に「魂を掛けていた

        桃花脱退宣言の理由を考える/『ガールズバンドクライ』7話 感想2

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          ガールズバンドクライ6話/二人の桃花。大人は切ない。

          『ガールズバンドクライ』6話視聴。桃花さんは二人いる。桃花さん、切ねぇーっす。私にとってはそういう回だった。感じたことをメモしておく。 #ネタバレあり これまで3人で活動してきた「新川崎(仮)」に、ベースとキーボードが加わり、音に厚みが出る(物語にも厚みが出る)。6話はそういう「とても前向き」な話だ。だからこそ、そこに乗れない「大人の桃花」の切なさが際立つ話になっている。でもここで言う「大人」とは何を指しているのか、ちゃんと考えてみたい。 この物語の中で、桃花は「大人」

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          ガールズバンドクライ5話/正しいことより大事なものを信じぬけ

          『ガールズバンドクライ』というアニメを見ている。今回も主人公の面倒くささが常軌を逸していてとてもよかった。今回は、過去の脱退に対する桃花の「出口を無くした思い」が面倒くさい主人公に揺り動かされて動き始める話。そしてそれは「自分の蒔いた種」に揺り動かされる形になっていて、説得力があってとてもよかった。感じたことをメモしておく。 #ネタバレあり 桃花は過去に「魂を掛けていたバンド」を脱退している。そのバンドの目指していたのは「ばあさんになってもオリジナルメンバーで続けること」

          ガールズバンドクライ5話/正しいことより大事なものを信じぬけ

          響け!ユーフォニアム3期 4話/秘めた思いを聞き出すとき

          『響け!ユーフォニアム 3期』を見ている。完成度の高くて「凄いところ」が色々ある作品だけど、私にとっては「人間関係のリアリティ」が素晴らしい作品。4話も人間関係についていろいろ考えさせられた。感じたことをメモしておく。 #ネタバレあり 4話は求(もとむ)のお話。彼の中にある「姉と祖父への思い」は、他人に簡単に説明することができない込み入った思いだ。だから彼はそれを心の内に秘めていて、そのせいで彼は、苗字を呼ばれるとキレる「よくわからない人」になっていた。 そんな求から久美

          響け!ユーフォニアム3期 4話/秘めた思いを聞き出すとき

          ガールズバンドクライ4話/トゲトゲと手のひらを反す勇気

          『ガールズバンドクライ』というアニメを見ている。主人公の面倒くささが中毒になるアニメだ。今回もちゃんと面倒くさかった。安心の面倒くささ。彼女の面倒くささの中には「わかりにくいけど重要なもの」があるような気がする。4話はとくにそれを感じる回だった。感じたことをメモしておく。 #ネタバレあり 主人公の仁菜からは、すぐにトゲトゲが出る。これは怒りの表現だと思っていたけれど、そう簡単な表現ではないらしい。このトゲトゲは「思いやり」と関係があるのではないか。なぜそう思ったのか書いて

          ガールズバンドクライ4話/トゲトゲと手のひらを反す勇気

          面倒くさい人の物語/ガールズバンドクライ

          『ガールズバンドクライ』というアニメを見ている。まさか自分がガールズバンドのアニメを見るとは思ってもみなかったが、何気なく見始めたら面白すぎた。とにかく主人公が「いい性格」なのだ。「良い性格」ではない。いい性格。この子の日常をずっと見ていたい。3話冒頭の「ハトとの共演」なんて、本当に感心してしまうくらい素晴らしい。とりあえず感じたことをメモしておく。 #ネタバレあり 怒りの感情は良くない感情だ。それはコントロールすべきものだし、隠すべきもの。まき散らしてはいけない。それは

          面倒くさい人の物語/ガールズバンドクライ

          『すずめの戸締まり』/映画で受け取った宿題を思い出す。

          『すずめの戸締まり』が金曜ロードショーで放映された。この作品を映画館で見たときに、私は「宿題をたくさんもらった」と感じた。私にとってはそういう作品だった。久しぶりに自分にとってどういう作品だったかを思い出そうと思う。そして宿題のことも。過去に3つ記事を書いていたのでそれに沿って。 #ネタバレあり 自分で自分を救う物語 物語の中ですずめは幼い自分自身を救う。それがとても美しい。そのことについて記事を書いていた。 深い傷を負った少女が、自分で自分を救い出すことができること

          『すずめの戸締まり』/映画で受け取った宿題を思い出す。

          『進撃の巨人』『葬送のフリーレン』『僕の心のヤバイやつ』ヒット作を貫くもの/凍った心を砕く斧

          テレビアニメ『僕の心のヤバイやつ』が最終回を迎えた。国内だけでなく海外でも評価が高いようだ。いわゆる恋物語として受容されただけではなく、もう少し深いところに届いた作品だと感じるのだけれど、それをうまく言語化できず気持ちが悪い状態が続いている。多くの人の心の深いところに間違いなく届いたであろう作品『進撃の巨人』と『葬送のフリーレン』を補助線にして、『僕の心のヤバイやつ』が広く受け入れられた、少し深い理由を言語化してみたい。 #ネタばれあり ●「自分を砕く斧」という比喩 私は

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          『僕の心のヤバイやつ』最終回/中学生の恋で、大人の心が動かされる理由

          僕ヤバ最終回を視聴。見る人の心を強くかき回す最終回。心をヤバくさせる物語。改めて「心」について考えさせられた。感じたことをメモしておく。 #ネタバレあり 最終回は特に心を強くかき回された。中学生の恋愛のお話に、なぜこんなに心を動かされるのだろう。私はもう、そういう年齢じゃない。恋愛の仕組みを頭で理解して冷めているはず。でも、この物語は冷めた目で見ていなかった。その理由を考えていて、昔かじったユング心理学のことを思い出した。 ●浅いユング知識で僕ヤバを考えてみる ユングは

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          絆創膏を貼る正しい理由

          #感じたことをメモしただけの記事 気が付いたら手に傷が出来ていて、そこから血が出ていた。 放っておいても治りそうな傷だ。 でも、どこかに血が付いたら嫌だから絆創膏を貼った。 絆創膏を貼ると傷はすぐには乾かない。 だから傷の完治は遅くなるだろう。 誰かが深く傷ついたとき、放っておくべきか手助けすべきか。 彼が自力で立ち直れる傷なら、手助けは害になる。 でも自力で立ち直れない傷なら、誰かの手助けが必要だ。 考えるべきなのは「彼の治癒能力」と「傷の深さ」。 でも、私たちはこの2

          絆創膏を貼る正しい理由

          『葬送のフリーレン』を見終えて思うこと/物語の根底に流れる「大人の役割」

          『葬送のフリーレン』の最終回が放映され、一旦の終劇を迎えた。長寿、後悔、鮮やかな過去想起、成長、師弟関係、言葉の力、くだらないもの、低温キャラクター、テンポの遅い会話。色々な要素がある作品だけど、その根底には一貫して「大人の役割」が描かれていたように私には感られる。なぜそう感じたのか、考えたことをメモしておく。 #ネタバレあり ●大人には、過去をちゃんと思い出す責任がある 大人とは、ある一定以上の過去体験を積み重ねた人だ。過去の体験は掛け替えのない宝物のようなものだろう。

          『葬送のフリーレン』を見終えて思うこと/物語の根底に流れる「大人の役割」

          葬送のフリーレン28話/最終回も淡々と。淡々と別れることができるのは、また会う日をイメージできるから。

          葬送のフリーレン28話を視聴。淡々とした最終回だった。でもそれは悪い意味ではない。後味の良い最終回だ。あえて盛り上げない別れ。その理由がエピソードの中でちゃんと説明されていた。 このお話では繰り返し、魔法にはイメージが大切であると説明されてきた。そしてこの最終回でイメージの大切さを思い知らされることになった。ドーパミン的カタルシスとはまったく別の心地よさを感じる最終回を見終えて、いろいろ考えたことをメモしておく。 #ネタバレあり ●また会ったときに恥ずかしい、と思う感性

          葬送のフリーレン28話/最終回も淡々と。淡々と別れることができるのは、また会う日をイメージできるから。

          僕の心のヤバイやつ23話/「山田のことも嫌いになれたのに」で思うこと。

          僕の心のヤバイやつ23話を視聴。足立は恋愛で市川に完敗し「市川がこういう奴だって知らなかったら、山田のことも嫌いになれたのに」と叫ぶ。この、一見倒錯したようにも見える気持ちについて思うことが色々あったので、感じたことをメモしておく。 #ネタバレあり ●変な理屈でキレる市川 足立は、山田が好きだけど市川には勝てないと分かって、みっともなく負けたいと市川に言うが、それに市川はキレる。お前の負けが確定していることなんて知るか。俺はお前に勝ってなんかいない。勝手に負けるな。俺は本

          僕の心のヤバイやつ23話/「山田のことも嫌いになれたのに」で思うこと。