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オリジナルの小説、詩、絵、音楽を創造してます。 著作権は全て /SAKURA (呼称・サクラ)に帰属します。 小説×詩『藝術創造旋律の洪水』第一部(2016年~2018年)は完成してますが、諸事情で全て公開できません。ご理解いただけますようお願い致します。⚠️残虐な実話を含みます。

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  • 小説×詩『藝術創造旋律の洪水』

    #創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 

最近の記事

第59話≪ハル/TEU【蝶】の章⑥≫―風の森(かぜのもり)での神隠し―

『いわゆる峠は他国との風土と文化の接点であり、上り・下りの坂道は、「人生の峠道」である。また、時代は峠を開き、峠は時代を変える。変わらぬは峠を往き来する人々の飽くなき営みであり、その積み重ねが歴史である。』(*伝承【暗号化】S.I氏より) いつからしか日本人は自国の伝統や歴史、昔すぐそばで生きていた動物、そして言語までも知らずして生きている時代になってしまってる。 アメンボって知ってる? 知らなーい! …そっか…うーん…じゃあ今度雨の日に長靴をはいてみずたまりちゃぷちゃぷ

    • 第58話《アマデウスの章①》—批判者・評論家ではなく発明家・創造者であれ—

      Prosperity does not last forever. It will come to an end one of these days. 繁栄は永続的に続くものではない。いつかは終わりを迎えるものである。 Stop clinging to your glory days, or you'll be left behind. 過去の栄光にしがみつくのはやめよ。そうでなければキミは取り残される。 「人間という生き物は同じ民族でありながらも虚栄と傲慢と権力、嫉妬など

      • 第57話≪カナデの章⑫≫【piero/mascot/crown】―『勇者』のクローン宣告受理という残酷な奠(さだめ)ー

        「クローン?」 カナデは目を大きく広げ眉を顰(ひそ)め、そして今自分が耳にした言葉を反芻するかのように震える声に出して再確認する。 月のもので体調が芳しくないカナデに婦人疾患に効能のあるハーブであり、日本古来から餅に練り込んで愛用されてきたヨモギに加えショウガ、シャクヤク、甘草などの薬草を細かく寸断したものを、女人の姿になったツルは蒸してカナデの身体をあたため滋養を高めていた。 「そうです。昔ツルの姿だったわたくしを助けてくださった其方は来る第X次世界大戦で最終兵器である地

        • 第56話≪カイ χの章 ⑬≫【scapegoate】~幻夢Ⅳ~ ―《鶍(いすか)の嘴(はし)》この世で最高刑は生きて罪を償っていくこと―

          僕は真っ白なシンセサイザーを弾いている。 そして亡き母さんから譲り引き受けた歌声で僕の歌を唄う。 グリッサンド。 音程が決まっている小節、僕は鍵盤という人生の布石という音程を階段を一つずつ着実にstep by stepして次の音程に移行する。 ポルタメント。【Portament】 連続的にアナログ的に繋がった形で周波数変化させて音程を滑らかに移動する機能で、この世界の歪な段差を僕はスロープに変えてバリアフリーにする。 S&H(sample&hold)。 LFOの波形は正確には

        第59話≪ハル/TEU【蝶】の章⑥≫―風の森(かぜのもり)での神隠し―

        • 第58話《アマデウスの章①》—批判者・評論家ではなく発明家・創造者であれ—

        • 第57話≪カナデの章⑫≫【piero/mascot/crown】―『勇者』のクローン宣告受理という残酷な奠(さだめ)ー

        • 第56話≪カイ χの章 ⑬≫【scapegoate】~幻夢Ⅳ~ ―《鶍(いすか)の嘴(はし)》この世で最高刑は生きて罪を償っていくこと―

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        • 小説×詩『藝術創造旋律の洪水』
          59本

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          第55話≪ハルの章⑩≫【HERO】ーチェディアック・東シンドローム 天使のカナリアー

          ハルとカイはグリム童話のメルヘン街道で童心に戻り、遊びはしゃぎまわりそのうちハルはカイに私のお友達に会いに行こう!ということで『ブレーメンの音楽隊』で登場するロバ、犬、猫、にわとりからなる音楽隊が夢描いた終着点ブレーメンにある地下研究室、『エデンの園』に二人は巻貝のような真っ白の螺旋階段を降りる。 そこは綺麗な花々が季節問わず美しく咲き乱れていた。日本での12月を彩るように天使の輪っかのような大規模な花壇の真ん中には長軸と短軸の二種類の噴水が上がり、下の水面には1時から12

          第55話≪ハルの章⑩≫【HERO】ーチェディアック・東シンドローム 天使のカナリアー

          第54話≪カイ χの章 ⑬≫【scapegoate】 ―依存【addiction】と共依存そしてエピゴーネン【epigone】―

          僕は彼女と一緒にひとつになっている時も自分の裸に見えない服を沢山纏ってた。 僕は彼女と今日会う約束をしていたけど彼女の顔色ばかり窺って怖くて携帯を握りしめたままそのまま、彼女に何度もかけようとしてもかけようとしても最後の番号を打とうとするところで、いや、だめだ、待って、と僕を僕が止める。何時間も彼女の心のことをただただ一方的に考えて一人不安を増強させて、あ、しまった、繋がってしまった。彼女の声がスピーカーから聴こえる。 「○○君、どうしたの?」 「あ、あ・・今日会う約束

          第54話≪カイ χの章 ⑬≫【scapegoate】 ―依存【addiction】と共依存そしてエピゴーネン【epigone】―

          第53話≪ユウカの章④≫【caretaker】―顔が見える世界を創造するためには―

          「あなたは『会話』とか『コミュニケーション』ってどんなものだと捉えている?」 ユウカは長崎市中の民家に雑居していた中国時代との生活の中で伝わった料理、卓袱料理(しっぽくりょうり)に舌鼓しながら食事のとものララに問う。もう日が暮れてしまい長崎市内は赤提燈がゆらりゆらり、イルミネーションの光が映える街に移り変わる。場所は長崎港から長崎市内へ北へ車を走らせ思案橋に入ったところにある寛永19年(1642)創業の格式ある料亭、史跡料亭 花月である。勝海舟、坂本龍馬、岩崎弥太郎などの日

          第53話≪ユウカの章④≫【caretaker】―顔が見える世界を創造するためには―

          第52話≪魔界猫達による革命裁判の章②≫-「一人で壊すのが怖いのなら二人で一緒に壊そう」ー

          「壊すなら、一人ではなくて二人で一緒に壊そう」 「明日日が昇ればまた曜日をちぎって時を刻む」 「溶けてしまうのなら、一人ではなくて二人で一緒に溶けよう」 「神の前ではLGBTQも異民族もそのような差別などない。みな平等」 「一人で壊すのが怖いのなら、二人で一緒に壊してしまえばいい」 「私たちは《その時》皆自由になる」 教会の中の男女たちは懐から銃をだし、「アーメン」というと皆二人一組向かい合って、パートナーのこめかみに銃を向ける。 パンっ パンっ パンっ 銃声

          第52話≪魔界猫達による革命裁判の章②≫-「一人で壊すのが怖いのなら二人で一緒に壊そう」ー

          第51話≪ロキの章②≫ーネクロファンタジアからの魔法の泉ユグドラシルへの密偵ルーンー

          「うひゃひゃひゃひゃひゃ!これはこれはロキ様!!またまた面白いものを!!」 第三層世界大規模地下の大都市、ネクロファンタジアという魔物と忌々しき魂の大塊や幽霊、化け物、怪物で占領される世界にホビットのルーンのケタケタ笑い声が響き渡る。 あちこちに9つの世界のうちの第三層、死の国ヘルヘイム、炎の世界ムスペルヘイム、氷の世界ニヴルヘイム、第二層に侵食しつつある黒い妖精の国スヴァルトヘイムから拉致されてきた奴隷たちが、メフィストフェレスを王とし、来る第Ⅹ次世界大戦で地球を爆破し

          第51話≪ロキの章②≫ーネクロファンタジアからの魔法の泉ユグドラシルへの密偵ルーンー

          第50話≪ハルの章⑨≫【HERO】ーインナーチャイルドとの再会ー

          私たちは歳を追うごとに社会から責任や役割というものを与えられる。 未来へ行けば行くほどその負荷はずっしり巨石の如く重い私たちを拘束する鎖となる。 今の私。役割も責任も勇気をだして放り出してみてカイ君とこどもに還って心の底の小さな私たち、インナーチャイルドそのもので笑いあう。 いつも私たちの心の奥のインナーチャイルドは社会や産まれ育った環境で与えられた役割を演じるのに必死になり、常に緊張と不安で金縛り状態だった。 Aになりなさい。 はい。 Aじゃないと駄目でしょ。 はい

          第50話≪ハルの章⑨≫【HERO】ーインナーチャイルドとの再会ー

          第49話≪カイ χの章 ⑫≫【scapegoate】 ―カイの歌 『虹』―

          僕たちは笑いながら手を繋いで画(え)の様に美しいグリム兄弟が産まれ育った故郷ハーナウから続くメルヘン街道を童話の中の登場人物になったかのようにこどもに戻りながら、無邪気に駆ける。 「あそこのヴィルヘルムスヘーエ公園っていう公園にはスタート地点のヘラクレス像っていうところから順路通りに水が現れるショーが楽しめるんだよ!」 「水の藝術かぁ!凄いわくわくする!」 「ね!そうでしょ!カイ君はきっとまた新しい歌を産むんだ!」 「産むってなんだか恥ずかしい…」 「どうして?素敵

          第49話≪カイ χの章 ⑫≫【scapegoate】 ―カイの歌 『虹』―

          第48話≪ハルの章⑧≫【HERO】ー完璧じゃない私もへたっぴな私もどんな私も大事なわたしらしさー

          今日は特別政府に《担当Pt (Patient:患者)の行動変容・認知療法による治療》という方針で届け出を提出し、丸一日カイ君をドイツの街を案内できることが可能になった。 カイ君の変装を手伝うときから、まるで遠足へ出かける前の興奮してなかなか寝付けない夜のような気分だった。治療と割り切っていても、どこか何故かしら心が弾む。『これは治療よ』と割り切る《大人の自分》と『これは遠足だ!』とはしゃぎまわる《時が止まったままのどこまでも純真無垢な幼き私》の二人が心に居る。 カイ君への

          第48話≪ハルの章⑧≫【HERO】ー完璧じゃない私もへたっぴな私もどんな私も大事なわたしらしさー

          第47話≪カイ χの章⑩≫【scapegoate】 ―Seeing is believing. Believing is seeing.―

          「さて、今から出発だけど…」 フード付きのコートをかぶってちょび髭に黒ぶち眼鏡、それから特殊メイクとやらで画像認証技術もすり抜けていくすっかり誰かわからなくなった姿に変身した僕の方向へハルは威勢よく振り返る。 「カイ君。これはね、私からのカイ君への特別お守りメモ!全部クリアしようとしなくてもいいから少しづつ少しづつ意識してみるともっと素敵なことが起きるかもしれないと思って心にとめておいてね」 「…お守りメモ?」 「うん。大それたことはなくて、これは衣食住をしばらく共に

          第47話≪カイ χの章⑩≫【scapegoate】 ―Seeing is believing. Believing is seeing.―

          第46話≪カイ χの章⑨≫【scapegoate】 ―Re;sort―

          今日は変装して僕の知らない街を大好きなヒトが案内してくれる…これって、これって 「デート」 「ひっ!」 僕の心の中を読むが如くしゃべる三毛猫ミケがふんっと猫から目線でカイの後ろの棚の上から見下ろしてる。 「ミケお願いだから、そのなんなの?超能力みたいなので僕の心の声を言わないでくれよ」 上から見下ろしてくるミケにカイはどうかお願いします!!と必死に土下座して懇願する。 ミケが喋る魔女猫ということを知ったのは、僕の大大大記念日である宿泊第一日目の晩のことだった。自宅から、

          第46話≪カイ χの章⑨≫【scapegoate】 ―Re;sort―

          第45話≪ハルの章⑦≫【HERO】ー預言を知らぬ『彼』との平和な日常ー

          後悔先にたたず。 失ってからヒトは大切なものを知る。 私はそういうのは好きではない。 だから、もし《 離れ離れになってしまう 》という運命(さだめ)であったとしても、その別れという告知を《 彼 》が別れ時というその瞬間に知るまでは、私はずっと別れという『余命』をカウントダウンをどこかで見てみないふりをしながらも、《 彼 》の傍で輝き続けていたい。ううん、輝き続けていくの。 預言。 目をゆっくり開ける。 柔らかいシーツの上でハルは体を少し動かしながら脚を伸ばしたりして体におは

          第45話≪ハルの章⑦≫【HERO】ー預言を知らぬ『彼』との平和な日常ー

          第44話≪カナデの章⑪≫【piero/mascot/crown】―鶴の恩返しからの鳳【大鳥】(おおとり)大社ー

          じりじり ぱちっ じりじり あたたかい… 暖色のオレンジ色の囲炉裏の周りにひいた藺草(いぐさ)の上の茣蓙(ござ)からの柔らかい香りが温もりをより一層優しくカナデの身体を包んでくれている。 障子を隔てた向こうから機織り機の規則的な音と囲炉裏の燈りでゆらゆらと長髪の女性のような人影がぼんやり浮かび上がる。 カタン カタン カタン カタン 此処は何処だろう… だけど、まだこうして気持ち良い太陽の上で私は眠り続けたい… カナデは目を瞑(つむ)ると十津川村に居た頃のぼんやり

          第44話≪カナデの章⑪≫【piero/mascot/crown】―鶴の恩返しからの鳳【大鳥】(おおとり)大社ー