見出し画像

わざわざボストンまで行ったのに、ハーバードに拒まれた私達。

私は夫の仕事の都合で現在アメリカのニューヨーク州に住んでいる。夫、私、中学生の娘、小学生の息子の4人家族である。
先日、子供達の春休みを利用して家族旅行でボストンに行ってきた。ニューヨークとボストンはわりと近く、車で4時間くらいで行ける。アメリカはとにかく大きな国なので車で4時間の場所は基本的には近い場所と分類される。(4時間ドライブはなかなかに大変ではあるのだが)
なぜ、ボストンに行ったのかというと、あの有名なハーバード大学やMIT(マサチューセッツ工科大学)を実際に見に行きたいと子供が言いだしたからだ。ハーバードやMITと言えば、学力では負けません、学校では1位以外とったことありません!とか数学オリンピック優勝しました!とか、はたまた何かの芸術的才能に飛びぬけているとか、なんかとにかく凄すぎて自分と同じ人間とは思えないな~みたいな人が世界中から集まってくる大学である。私にとってはそんな他人事というような認識であるが、我が子にとっては憧れの存在のようで実際に見てみたいと思ったようだ。我が子は2人ともランキングの上位の有名大学に行きたいと思っているようだ。まだ小学生と中学生なのに、既に大学の事をかなり意識している。子供なりに自己分析もしていて、自分はこういう事が得意だからそれでスカラシップをとれるかもしれないなどと具体的な事も考えている。これだけ書くとまるで我が子がすごく意識が高いように感じるかもしれないが、別に特別な事ではない。なぜ我が子がそのように考えているのかというとアメリカが超学歴社会だからである。教育熱心な人が多いニューヨーク州郊外の街だからかもしれないが、なんていうか全体的にそういう雰囲気なのだ、良い大学に入るためにどうしたらよいかというのが色々な事をする上で大きな柱となっている。なので、その中で育っている子供達は自然とそういう考え方を持っている。周りの環境が大事とよく言うけれど、こういう事なのかもしれない。まだ子供なのにもう大学の事を考えているのか?と複雑な感情を抱くこともあるけれど、かといってそれに対するしっかりとした意見が私にあるわけでもないので、成り行きに任せている。

前置きが長くなってしまった。
ハーバードに拒まれたと書いたが、そうニュースを読んでご存知の方も多いと思うが、現在アメリカの大学ではガザでの戦争に反対するデモ活動が行われているため、私達はハーバード大学の中に入る事が出来なかったのだ。しかも当日になって急に学生以外は入れないという事がわかった。何というタイミング。ハーバードを実際に見に行くという目的でわざわざ遠くから来たのに(車で4時間ならまた行けば?というのはごもっともな意見)まさか入れないなんてとショックを受けた。が、いちよ雰囲気だけでも見に行くかという事でハーバードの最寄りの駅まで地下鉄で行き、街をぶらぶらと歩いたりした。柵越しではあるが、ハーバードの校舎を見る事もできたし、学生パスを見せて中に入っていく、合格率数パーセント!!というほとんどの人が落とされる中、見事に選ばれた学生達も見る事が出来た。もちろん、強力なハーバードフィルターにより学生達はキラキラと輝いて見える。(こういう考え方はいけないとわかっていても、ついそう見えてしまう)街を歩いた後は、ハーバード大学のお土産屋さんでハーバードと大きくプリントされた洋服を買い、ラーメンを食べに行った。ラーメン屋さんの店員さんが素晴らしい接客で家族で感動した。「あの人もハーバードの学生かな?」と子供が言い「きっと違うよ、ハーバードの学生はラーメン屋では働かないでしょ」と夫が言っていた。素晴らしい店員さんだったのに、ハーバード大学前のラーメン屋で働いているというだけで言われなくてもいい事まで言われてしまう。ハーバードあるあるかもしれない。意外なリスクが存在する街なのだ。中に入れなかったのは残念だったけど、ハーバードがある街の空気感は味わう事が出来たので、まぁ良かったという事にしよう。もしも、将来子供がハーバードに入学する事になって、あの時は入れなかったけど・・・となったら感慨深いだろうなぁとハーバードの校舎を柵越しに眺めながら妄想もした。けっこうな親がこういった類の妄想をするのではないかと思う。子供は憧れ、親は現実をひとまず横に置いて妄想にふける場所。そして、私はさらなる妄想をするために、すぐ近くにあるMITに家族と向かった。長くなってしまったので、MIT編は別記事に。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?