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今日はsakの読書感想文シリーズです
本日はこちら

前回と同じような方向性になりますが、「死」を扱った内容となります

概要

久坂部羊さん、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません
医師であり、小説家であり、いくつも著作があります
大学病院の麻酔科医、そして医務官として海外での活動も行い、訪問診療医としての経験もある
様々な「死」を見てきた著者の書く、「死の教科書」です

死に対して医療は無力という事実

看取りの場面に立ち会うことで生まれる様々な思い
医療は死に対して無力
この言葉が多く書かれていました

私自身、病院勤務していた時はこの言葉はそこまで強く感じなかったのですが、在宅診療に携わり、「死」を身近に感じている今はこの言葉はとても共感できます

延命はできても、人を蘇らせることはできない
医療は万能ではない

これだけ医療が発展していると、こんな当たり前のことが忘れられているような気さえしてきます

メメント・モリ

それではどうしたらいいのか
それは、やはり

最期が遠いうちから、死を意識して備えておく

人はどう死ぬのか 第九章 ”上手な最期”を迎えるためには より

に、尽きるのだろうなと思います
もちろん、常に「死」を考えて不安を味わえ、という意味ではなく
「死」は誰にも起こりうることで、いつどこで起きてもおかしくないということを意識することで、より「今」に対して感謝が湧き、日々を大切に過ごせすことができるのだろうなと

メメント・モリ(死を想え)
もともと、「我々は必ず死ぬのだから、今のうちに食べて飲んで、人生を楽しめ」という意味があったそうです
・・・
死を忘れている方が気楽なのはわかりますが、これまで何度も繰り返したように、そんなふうにして準備を怠ることが、下手な最期につながるので、死に向き合う方が安全ですよと勧めているのです

人はどう死ぬのか 第九章 ”上手な最期”を迎えるためには より

初めて聞いた言葉ですが、なるほどなーと思いました

この本が気になった方へ

海外での「死」への向き合い方や
安楽死や尊厳死の考え方など
興味深い内容はたくさんですが、
手に取るとちょっと文章量も多くて難しいなーと思ってしまいそうな雰囲気もあります

そんな方は、ぜひ、第九章の”上手な最期”を迎えるためには だけでも読んでもらえるとだいぶ参考になるのではないかなと感じました

実は実践中

今、祖母が癌末期で自宅に戻っています(本人は病態をいまいち把握できていないけれど)
昨日は私が泊まりで様子を見てきました
そこで色々と話して、まさに「上手に最期を迎えるために」どうしたらいいのか、試行錯誤中です

そして感じるのは、本人の意向確認よりも、家族と方針のすり合わせだなと
どうしても「何もしない」という選択は選びにくいんですよね

正解はない問題なので、一番は本人が、そして家族も心残りなく過ごせるといいなと思っています


感想文なのに、自分のことも書いてしまいましたが・・・
ぜひまた読んでいただけるとありがたいです!


こんな活動をしている理学療法士が書きました



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