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すけべな小説を書きたい時の参考書の話

およそ3年前、突然推しカプができました。
そして思いました。「推し(カプ)がすけべしてるとこが見たい」と。

私は腐女子歴は10ウン年くらいですが、二次創作は基本読み専で、そもそも「すけべなのが読みたい」と思うカプもそんなにありませんでした。
商業BLの方が読むので、すけべはそっちで補給してました。

まぁそんな話はどうでもいいのです。
とにかくすけべしてるとこが見たい推しカプができてしまいました。唐突に。
しかし当時はまだリリース間もない時。(※ゲームジャンル)
(本数はかなり売れたゲームではありましたが)コンシューマゲームであり、かつ女性人気がすごく強いというわけでもなかったのでジャンル規模としてはそこまで大きくはありません。

そして私が落ちたカプはマイナーでした。
何が言いたいかと言うと、探してもすけべな二次創作が落ちていません。

でも見たいものは見たいんです。
というわけで自分で書くしかありません。

当時の私のスペックとしては
・小説と呼べるものは書いたことはある
・二次創作は書かない
・二次創作はあまり読まない
・商業BLは読む(漫画も小説も)

当時の私がハードルが高いと感じていた点は
・何をどう書けばすけべになるのかわからない
・BLのすけべで何してるか順序立てて言葉で説明するって実際のところできなくない?
・っていうか恥ずかしい

私は何か新しいことを始めるときにマニュアルや指南書を求めるタイプなので、とりあえず参考になりそうな本に手を出しまくりました。

前置きが長くなってしまいましたが、
そんな「すけべな小説を書きたいけど何をどうしていいかわからない」という感情を抱えていたときに読んだ本を並べております。
似たような悩みを持つ方がいるかはわかりませんが、役に立つことがあれば幸いです。

※私が書いている(書きたかった)のはBLですが、ここで挙げる本は男女がまぐわう「官能小説」を扱ったものが多いです。

挙げている本は基本的に電子(Kindle)版もあります。紙で持たなくてもいい所もおすすめ、ということで。


官能小説の奥義 (角川ソフィア文庫) 

どういう語句で検索したらこれに行き着くのか今となっては全く覚えていないんですが、タイトルが強そうだったので手にしていました。

「娯楽としての官能小説に必要な要素とは何か。込めるべきものは何か」という点について要素別にまとめられています。

また始めに「官能小説の文体の歴史」として、歴史的にどういう文章が卑猥とされてきたか、実例を引用しつつ述べています。かの有名な「チャタレイ夫人の恋人」とかも。このパートだけでも多様な文章表現に触れられるので、自分の求める傾向を探ることもできるなと思います。

あと後半に「官能小説の書き方十か条」という章があって、心得集みたいになってます。ここは個人的にこの本の結構好きなところです。これといって特別なことが書いてあるわけではないながら、改めて言葉にされているものを読むと吹っ切れるものがありました。

▼辞書系

官能小説用語表現辞典 (ちくま文庫) 

1冊目に挙げた本と同じ著者の先生による編集。
こちらはより辞書形式の1冊です。

性器を始めとする男女の体部位及び体液、声、オノマトペ表現、絶頂時の表現について、見出し語と実際の作品の引用で構成されています。カテゴリ内の並びは50音順。

官能小説「絶頂」表現用語用例辞典 (河出i文庫)

こちらも1冊目の著者の先生による編集。2冊目。
こちらは「絶頂時の表現」によりフォーカスしたもの。

絶頂時の姿やしぐさの描写だったり、絶頂時の体の感覚の表現だったりが、系統ごとに分類されているので、書きたいものがまだフワっとしている段階で表現の方向性を考えるのに良いです。

官能艶語録 厳選1400手 (サクラ新書) 

上に挙げた本と大体似通った内容……と言ってしまえばそうとも言えるんですが、永田守弘氏以外の人手による編著のものを見てみたくて手に取りました。

性器や体液、オノマトペ表現が大半を占めるのですが、一部で体位や特殊プレイ的な描写についても収録されているのが個人的には嬉しいところでした。

いろごと辞典 (角川ソフィア文庫) 

これは電子もあるのですが個人的には紙がおすすめ。

上で挙げた、官能小説の描写から表現を抜き出したものとははっきりと毛色が違います。
こちらはあらゆる性に関する用語をまとめた本格の「辞書」で、ワードのカテゴリや系統を問わず50音順であ行から載っています。

そのため紙の本のページを適当に捲りつつ見慣れない単語や響きが引っかかった見出し語を読み、語彙を増やす目的で使ったり、目についたワードを使って書いてみたりという使い方をしています。読み物として面白い感じ。

▼BL向け

BL好きのための オトコのカラダとセックス (一迅社ブックスDF)

男×男の描写にリアリティ(?)というかナチュラルさ(?)を持たせるために読んだ本。
医師への取材による医学的科学的な話と、大島薫さんのコメントが合わさり内容は濃く良質です。前から順に読むのはもちろんですが、トピックごとに短く分けられているので目次から知りたい情報へピンポイントにアクセスできるのも、資料として使う上でポイントが高い本でした。

オトコのカラダはキモチいい (角川文庫)

こちらも本物を見ている人の手によるものなので情報そのもののリアルさは担保されているように思います。
……が、対談をまとめたものになっており、本筋と関係のない話の脱線などもそのまま入っているため、ピンポイントで情報が欲しかったり体系的に理解したい時には向かないな、という印象。ひとつ前に挙げた本に先に出会っていたらこっちは手に取ってなかったかも。読み物としては面白いと思う。


以上
こんな感じの文献を読みながら私はすけべを書き始めましたよという話でした!

今ではもりもり書いてます。
もちろん寝ても覚めても書けない何も浮かばないということはありますが、「内容がすけべだから」という理由で書けないことはなくなりました。会話シーンとか戦闘シーンと同じくらいのハードルに下がったと思う。

推しカプのすけべを書こう。きっとそれで救われる命があります。たぶん。


何かご質問などありましたらマシュマロなどからどうぞ。


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