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読書記録「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」

今年はnoteで読書記録も書いてみようかと。映画の記録も書けたらいいな。

「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」/村上春樹

この本は、お気に入りのバーで静かに読みたい本だ。その店が、静かにジャズが流れ、適度に照明が絞られているようなところだと尚良い。残念なことに、私はお酒が飲めないので、すべて想像なのだけれど。

店が積み重ねてきた歴史が空気のように漂っている店で、目を閉じて美味しいお酒を味わっているような気分になるエッセイだ。

読みながら何度も、スコットランドやアイルランドの街に立っているような錯覚を覚えた。行ったこともないのに、頬にあたる風の匂いまで感じる。バーの扉を開く音まで聞こえる。

その風は、少しばかり潮の香りを含んでいるに違いない。同じ島国でも、ちょっと湿気た日本の風とも、ハワイのように花の甘い風とも違うはずだ。建物の壁に触ればきっと、ゴツゴツとツルツルが共存していて、ちょっと寂しい気持ちになりそうだ。

うーん、これが村上春樹氏のエッセイか。とんでもないな。読み手の中で流れる時間まで操っているのではないか。

旅に出たくなる一冊だった。


・・・と、ここまで書いてきたが、感想を書けば書くほど野暮な気がしてきた。第一回に選ぶ本ではなかった。が、本当に直近読み終わった本がこの本なので仕方ない。去年読んだ本を引っ張り出すわけにはいかない。変なところで頑固なのだ。

ビジネス書や自己啓発本について書くときは、このnoteを読んだ人の役に立つような(そしてその本を読みたくなるような)記録を書きます。

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