chatGPTを活用してライティングスキルを劇的にアップさせる
……すみません、それっぽい煽りタイトル付けちゃいました。
表現力を上げるには「形容詞」「慣用句」を使わずに文章を書く練習をすると良いと目にしました。
やってみました。
形容詞を減らして、ついでに取材記事風に書いてみました。
形容詞をなるべく使わずに書くことを意識してみたとはいえ、「形容詞」を書き終わった文章中から抜き出すのは少々めんどくさい……。
ということで、裏企画「記事中から形容詞を一気にピックアップできるようにしたい」が立ち上がりました。
前回のnoteが実は2本立ての前編となっているなんて誰も気が付かなかったでしょう!(そりゃそう)
そんなわけで、形容詞を簡単にピックアップするプロンプトは作れるのか、有効そうか、を試す実験結果の発表です。
実験レポート風にまとめてみた
文章力の底上げのためには、形容詞を使わずに文章を書く練習が効果的だと言われている。しかしながら、無意識に表現を選んでいる場合、自分がどれほど文章中に形容詞を使っているのか知ることは難しい。
今回、chatGPTを利用することで、文章中にどれだけの形容詞を使ったか、またその形容詞をどのような文脈で使用したか、自動で抽出することに成功した。この手法を応用すれば、形容詞だけでなく、文章中の癖を自動で見つけ出すことができるだろう。
プロンプトの完成度は満点ではないが、明確な可能性を提示することはできた。
実験の目的
形容詞を使わずに記事を書く練習をすることで、表現力・描写力アップを目指す。
そのために、自動で形容詞をピックアップするプロンプトを作成する。チェック過程を簡略化することでPDCAサイクルの高速回転・練習数の増加を目指す。
背景
ライティングスキルの1つに「表現力」が挙げられる。表現力は一朝一夕には身につくものではないが、時間をかけて練習することで定着し、向上させることが可能な能力でもある。
表現力を上げるための練習として「あえて形容詞を使わずに文章を書く」という手法がある。
小春は、主観的で感情的な表現を多用してきた。目指すライター像のためには、客観的で分析的な表現を身につけておく必要があると考え、この練習法を選択した。
練習において必要不可欠な、使用した形容詞のピックアップを正確に、かつ時間をかけずに行うためにAIを活用する。
書いた原稿のチェックに時間をかけない理由は、形容詞をピックアップする作業自体はこの練習法において本質的ではないと考えたからだ。
実験の手法
まず取材記事風に文章を作成した。文章作成時、形容詞を可能な限り使わないよう意識した。
次に、chatGPT3.5(無料版)で、形容詞をピックアップするためのプロンプトを作成した。プロンプトは深津式を参考にし、独自のものを作成した。
作成したプロンプトを使用し、書いた文章に形容詞がどれだけ残っているかチェックした。
合わせて、文章中の形容詞を目視でチェックし、chatGPTの回答が信頼できるかどうか確認した。
利用したソフト:chatGPT3.5(無料版)
利用した記事:https://note.com/saku_note92/n/nc906d3ec617e
なお、記事中に登場する形容詞のリストは以下の通り。
chatGPTがリストを作れた場合、形容詞自動ピックアッププロンプトとして有用だと判断する。
(目視確認なので、誤りがあったらコメントください)
良い
悪い
長い
大きく
明るい
使いこなしにくかった
見やすい
強く
黒く
想像しやすい
結果
step1:まず、そもそもchatGPTが「形容詞」を正しく理解できているのか確かめておく。
形容詞を自分自身で定義しておくことで、後の回答がより正確になることが期待される。
step2:次に、形容詞と区別することが難しそうな表現に関して、事前に見分ける方法を定義してもらった。
何度か検証したが、この時点で定義が間違っていることもあった。例えば、楽しいだ、など誤った表現が例文として登場したことも。誤りがあれば、ここで訂正しておくと良いだろう。
step3:言葉の使い方、見分け方を確認できたところで、原稿を渡す。原稿は例の記事をコピペした。
全ての原稿を渡すと量が多すぎて、ピックアップでミスが増える。
リード文と最初の見出しだけ渡した。
step4:抽出した形容詞をリストとして覚えてもらう。名前をつけたのは後の作業で呼び出しやすくするためだ。
ここまでのポイントを一度まとめる。
長い文章だとミスが増えてしまったので、1000字弱ごと見てもらう。
抽出直後「他にはない?」などと聞いて、ヌケモレを確認する。
原稿から形容詞候補が抽出されたら、listXとして覚えておいてもらう。
これを原稿全体に繰り返していく。明らかなヌケモレがあれば自分で指摘しても良い。
▼原稿中盤の例
step5:3分割した原稿に対し、それぞれ抽出リストを作ってもらった後、作成してきたリストを結合してもらう。
step6:結合したリストに対し、chatGPT自身に品詞の判断をしてもらった。
ここでも「修正すべき点はない?」と繰り返し聞いた。
step7:形容詞だと判断した単語のみを抽出し、新たなリストとして覚えてもらう。
step8:最後、改めて、形容詞だと判断した単語、その品詞、文脈をまとめてもらって完成だ。
手動ピックアップと比較する。
▼手動ピックアップ
▼chatGPTピックアップ
手動と比較した結果、chatGPTからの回答と手動ピックアップには差異があった。特に「使いこなしにくかった」のモレが気になる。
結論
chatGPTを使って文章中の形容詞をピックアップし、表現力向上の練習に活用できる可能性を見出すことができた。
3,000字弱の文章に使われた形容詞はほぼ漏れなく抽出できていた。
使用した形容詞によっては、文脈の説明や言い換えの提案も可能で、単独でライティングスキルを向上させたいというニーズには応えられそうだ。
しかしながらプロンプト自体には改良すべき点があり、そのまま活用するには不十分だろう。
今後の展望
形容詞ではない単語を抽出していた点と、活用形の形容詞を抽出できなかった点から、プロンプトは今後さらなる改良が必要だろう。
chatGPT自動ピックアップと、手動ピックアップの差異はほとんど「形容動詞」「『名詞』+『の』の形」だった。
「『名詞』+『の』の形」は、事前の定義(step2)の改良で解決しそうだ。表現力アップの練習としては、形容動詞は使わない方が望ましいだろう。改良は不要だと考える。
「使いこなしにくい」のピックアップ漏れも、事前の定義(step2)で否定形について明確にしておけば解決する可能性が高い。
今回の検証で、chatGPTを用いて文章中にある特定の品詞を抽出できる可能性が示唆された。形容詞以外にも、目的ごとに自身の記事をチェックさせることが可能かもしれない。
引き続き、目的に沿ったプロンプト作成と、その正答率を引き上げる検証を行いたい。
そんなわけで
要するに、まだ完璧なプロンプトとは言えない。けれど、特定の語句を使わずに意識して文章を書き、それをAIにチェックしてもらえそうだ、ということです。
本を読んだり、お手本となる記事を書き写したりと、文章力向上のための方法は他にもあるでしょう。
実際に書いてみる練習も必要不可欠ですが、赤ペン先生がいない中、自分の文章の癖を直すのは至難の業とも言えます。
例えば私は形容詞を多用してしまうこと以外にも、語句を誤って使用したり、専門用語の説明を省いたりしてしまう癖があります。そもそも一文が長すぎるのも直したいです。
chatGPTなどのAIを活用することで、自分の癖を直し、自由自在に言葉を操れるようになりたい。
to be continue…
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