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いまさら「海街diary」を観ました

是枝監督の作品は、これまでに「万引き家族」「真実」「誰も知らない」「そして父になる」「三度目の殺人」を観ています。今回で6作品目です。

あらすじ(Filmarksより)

まぶしい光に包まれた夏の朝、三姉妹に届いた父の訃報。 十五年前、父は女と出て行き、その後、母も再婚して家を去った。
 三姉妹を育てた祖母もとうに亡くなり、広くて古い鎌倉の家には、彼女たちだけが残った。両親へのわだかまりを抱えた、しっかり者の長女の幸と、そんな姉と何かとぶつかる次女の佳乃、マイぺースな三女の千佳。
 三人は父の葬儀で、腹違いの妹すずと出会う。 頼るべき母も既に亡くし、それでも気丈に振る舞う、まだ中学生のすず。 そんな彼女の涙を見て、幸は、別れ際に「いっしょに暮さない?」と誘う。
そして、秋風とともに、すずが鎌倉へやって来る。 四人で始める新しい生活。 それぞれの複雑な想いが浮かび上がる――。

映画を観て、ふたつ、心に残ったことがあります。
「家族について」と、「死んだあとに残るもの」ついてです。

観ている間に頭がグルグルする感じ(エヴァを観たときとか)ではなく、観てしばらく経ってから気になる場面が蘇ってきてぽわんと思い出す感じ。好きです。

家族とは血の繋がりとイコールなのか?

是枝監督作品を観ると、いつもこの疑問が湧いてきます。なぜなら、彼の作品のなかで血の繋がりがない人間の集まりのほうが「家族」に見えるから。

それぞれの「親」は誰なのか?

DNAだけでいうと、答えはひとつしかありません。
でも、親というものの役割から考えると、すこし難しくなってきます。
例えば、すずは、礼儀正しくしっかり者で、いわゆる「良い子」です。でも、同時に、良い子でいるしかなかったのだろうと察します。引っ越してくる前のすずには、「学校に好きな子できた?」とか「一緒に叫ぼう」とか、心からそばにいる大人はいなかったのかもしれません。それは、子供にとってはとても寂しいことです。
ごはんを作ってくれ、忘れ物を注意してくれ、サッカーの試合を見に来てくれた。すずにとって、三姉妹は姉であり、かつ親でもあったのかもしれないと私は思うのです。

家庭料理のなかに残る思い出

美味しそうな食べ物がたくさん出てきましたね。家庭料理は世代間のバトンだと思います。(特に女同士)
特に印象的だったのは梅酒に関わるシーンです。
もう、亡くなったおばあちゃんが手作業でつくった梅酒があることも、同じ作り方で毎年漬けるということも、バトンを受け渡しているなぁ、と感じます。
梅酒の味を覚えている限り、おばあちゃんの存在が彼女たちのなかに残っているのです。

繰り返していくことと、失われていくこと、新たに増えていくこと。
選べないときもあります。
でも、せめて選べるときは、愛する人の痕跡を残したいと思うのです。
料理の味付けで一番たいせつなものは、愛情です。味が残れば、愛情も残るように、私は思うのです。

四姉妹のそれぞれの恋愛についてや、アジフライについてもまだまだ書きたいことはあるのですが、あまりに長くなるので、このあたりで。

      ***

こんなときに観たい(自分向けメモ)

・海辺の街がでてくる
・家族のあり方について考える
・手作りのごはんが出てくる
・美女がたくさん出てくる

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