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光の速さを捉える人たち

時は、誰も待ってくれないの。………

「fly with me」は、音楽がど真ん中にある映画を撮っているようだな、と、それから気になっていて、millennium paradeの今までの作品を観ていた。

ドキュメンタリー映画を観た後は、決まってファンタジックな映画を観たくなる。

リアルは、あまりにも重い。

細田守監督が撮る「美女と野獣」は、こんな感じになるのかぁと、予告だけで、観た気になってしまう。いかん、しっかり観よう。

映画『竜とそばかす姫』メインテーマ「U」なんですが、さて、この曲の作詞作曲者は誰?なんて、イントロクイズがあったら、0.257秒ぐらいで、ピンポン押せます。常田大希さんの作詞作曲。そして、歌は祈りと言う中村佳穂さんが歌っている。そんなひとりイントロクイズに正解していた数日ぐらい前。なんで、常田さんの曲とわかるのか、ここ数日、考えていた。

この曲何がかっこいいかと聞かれたら、ティンパニーです。最初の無音の2秒の始まりもかっこいいんですが、余韻が最初に来る感じで、だだだんだだん!の太鼓がかっこいい。こっちこっち!おいでおいでー!と呼んでいる様なドラム。吹奏楽部でカバーしたら、楽しそうな曲です。叩いている方どなた?

作る音の中に、レコードの針がちりちりとレコードを擦り切るような音が聞こえる。日常の環境音には、雑味があるもので、雑味がある方が自然に近い音だったりします。自然の音に近いとは、もしも、波形で見ると、クラシック音楽の波形に近いはず。常田さんが作ったな、と思えるのは、音にざらつきがあるから。ざらざらっとした感じ、よくベースが歪んでいる。照れくさいんだよね、といったお人柄を感じる。しかし素直な感情がシンプルなメロディーにのっかっている。♪ララライララライ〜は、メロディーが下降しているのみという、思い切ったメロディーラインだと思います。同じメロディーラインでもアクセントの位置によって全然イメージ違うのね、と、気づかされます。

こんなこと、書かんでもええやろ、と思いますが、可愛い女子に素直にモテてしまう人だと思う。甘いマスクの繊細な指、しかし、気骨のソリッドギター。そして、どこか素朴なフレーバーがある。ステージに登場する時の歩き方がなんだか、風切る少年みたいです。

大きなソファーに座った時の両足の床の捉え方から、こんなにヒット曲を生み出しているにも関わらず、不安定。時々表情から孤独と不安が垣間見える。無敵なほどヒットを飛ばすと、どこか魂を死神に持って行かれる気分なのでしょうか。

millennium paradeなのだから、もう、全然一人ではないはず。初めは、一人で始まったパレードなのかもしれないけれど。

今後、100年後も音楽が残っていたとして、常田さんの曲は残っていると、思う。

というのは、ここ最近、ピアソラが100周年ということもあり、聴いているのですが、

タンゴは踊るために演奏されていたのだけれど、ピアソラは、聴けるタンゴの曲を作った人かなぁと思う。100年後にも耳に残る曲を作っている。繰り返し繰り返したたみかけてくる。踊ってもよいし、聴いてもよい。常田さんの曲もそうだなぁと思う。踊ってもよいし、繰り返し聴いてしまう曲です。

そして、歌詞。

「時は、誰も待ってくれないの」って、よくよく考えたら、ええ???、疑問符が頭の中に、出てきた。これをベルが歌っているの??

誤読かもしれませんが、時が主語になると、時が物語の中心にあると考えられて、

時は、止まらないってことを意味しているでしょうが、面白い日本語だなあと、繰り返し聴いている。ぐるぐる、時の波の中に巻き込まれてしまうような感じがしてきます。

現実に、

時が過ぎていくことを誰にも止められないということを、時は誰も待ってくれないの!と、いってしまうのって、なんだか、時が意思を持っているみたいです。誰もわたし(時)より後に来るじゃないのよ。先に言ってしまうよ。と、誰しも時に置いてけぼりの状態をいっているよう。

不確かさのさなかでは、誰かの強い鼓動の鳴る方へ突き動かされる。そして、その先には、誰もが穏やかな鼓動を求めているような気がしている。

常田さんは、光の速さを捉えている人ではないかなぁ。おそらく時間より早いスピードで先を見ていて、誰かの「のぞみ」と対峙して、表出している。偶然、本屋で隣に立っていらっしゃったことがあり、読書する人のイメージがある。

今後100年後の物語にも登場しそうな2000年代のハンメルンの笛吹きといえば、常田大希さんでしょうね。

8月15日にBon danceのMVを出す辺りが粋です。一番最後の鐘の音色に、笑わずにはいられなかった。チャーミングなラスト。ゾンビも成仏しそうだ。

Bon danceのMVの最後に映る狐につままれたような少年は、トラ猫に眺められていますが、生きているのか?夢を見ているさなかなのか?お札は、何のお札?物語に続きがあるかの様なラストショット。映画が撮れそうです。

millennium paradeは、銀座ソニーパークで、限定の映像作品が観られるそう。夏の終わりのパレードにぶらっと参加してみようと思います。

https://www.ginzasonypark.jp/program/029/

(本日は 19時からYouTube配信もあるようです。)



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