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心に血を、通わせて

 何だか最近眠りの質が良くない。毎晩悪夢にうなされて、また朝が来て、最低限の仕事だけこなし、泥沼から這い上がるような毎日を繰り返す。
 SNSの中にはキラキラ輝く自分がいて、他人はその自分をその人だと思い込む。毎日おいしいものをお腹いっぱい食べて、素敵なみなさまとご一緒させていただいて、とても輝かしいリア充。
 なんてバランスのとれた人格だろう。我ながら完璧に演じられている。そんな自分が好きだ。頑張っている自分を褒めてあげたい。そして褒めてくれ。

 最低限活動できる程度の睡眠と食事は摂れているし、足りない栄養素を把握して科学的に補っている。出勤の準備までに恐ろしく時間はかかるが、決まった仕事は全てこなしている。強いて言えば、確定申告が間に合うかどうかのドキドキ感と、引越しの準備を始めなければという焦りだけで動けていないことがマイナスポイントである。

 社会には適応しているため、見た目にはそこそこ健康に生活できているのだが、根底にある消えない課題と向き合い続けて数ヶ月、そろそろ心の疲れも限界に近付いてきているようだ。こうやって客観視できるところまでは偉いじゃんと思う。
 時々、信頼できる数人の知人にポツリポツリと話を聴いてもらう機会があることが私の生命線である。他人の温もりと優しさをその度に実感し、「他人と一切関わらずに生きていけたらどんなに心が穏やかでいられるだろう」という日頃からの願いが、その時だけ吹き飛ぶ。
 
 きっと、貧血のせいだ。1年前に血液検査により貧血が発覚し、おまけに亜鉛不足(どうりで髪が異常に抜けるわけだ)、ビタミン全般の不足やタンパク質不足も指摘され、改善に臨んできた。その頃低下していた食欲も回復し、貧血が引き起こすパニックっぽいやつとかやうつっぽいやつも改善してきたはずなのだ。ちなみに貧血時は悪夢も見やすいとのこと。
 しかし体重は一向に戻らず、自分の中のベスト体重よりも2kg少ない。会う人会う人に「ガリガリ」「痩せ過ぎ」と言われると余計落ち込んでしまうので、以前よりなるべく身体のラインの出ない服を選ぶようになった。
 しかし私はその辺の太っている人よりよっぽど健康的であると思う。ここ数年感染症にかかったこともないし(ノーワクチン)、発熱したこともない。移動はなるべく歩くようにして、食事の栄養バランスは、内容は別として計算している。2時間歩いても疲れを感じない。
 炭水化物ばっかり食ってメタボになってるやつに「とにかく米を食え」とか言われると「とにかくその腹何とかしろ」と言い返したくなる。とても動きづらそうだし血圧も高そうで、何より見た目が悪い。

 健康談議は置いておき、貧血が引き起こす気分の落ち込みが厄介だ。「貧血」というと全員が口を揃えてレバー食えと言ってくる。だから嫌いなんだってば。危険な匂いがするの。ワクチンを打たなかったのも危険な匂いがしたから。それと一緒。
 かろうじて食欲は旺盛なので、胃袋を広げるためにも多少満腹気味でも腹10分まで食べ切れるようにはなってきている。胃痛や腹痛も起こらなくなってきた。

 気分が落ち込みやすいのもやたら不安になりやすいのも、根本的には貧血が原因ではあるのだが、それを他人に話したところで理解は得難い。大抵「じゃあレバー食べればいいじゃん。痩せ過ぎなんだよ」はもう聞き飽きた。誰か、心と身体の相関性について正しく説明してくれる人はいないのだろうか。私が伝えても説得力がない。
 いろんな要因が重なって今このような状態にあるんだよ、負担かけてごめんね、と謝ったところで「は?」となりそうだし、大切な人との関係を壊さないための適切な説明が思いつかない。
 こうやって時々文章化するしか頭の中をまとめる術がなく、少し困っている。誰が読んでいるかもわからないし、何人に共感してもらえるかもわからない。しかし、小さな心の叫びとして記しておく。
 


 


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