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【音楽】COVER#1 少年時代


ラジオ

 私は通退勤時の車内ではほとんどラジオを聴いているので、日常的な情報やニュース、健康についてやエンタメの知識などはラジオから得ることが多いわけなのだけど先日、いつも通り退勤の車内で聴いた地元局の番組でカヴァー曲の特集をしていた。
 そこで聴いたのが宇多田ヒカルの歌う「少年時代」である。

原曲は井上陽水

 そんなことは言われなくてもわかってるという人が居るかも知れないが、私自身もそう思っているので黙っていてもらいたい。もしかしたら知らん人もいるかも知れない。念のためだ。

 名曲。個人的にはもうそれ以上語ることはない。
 私のような三下がつべこべいうとボロが出るだけで良いことはひとつもないのでもう一度、簡潔に言う。

名曲。

少年時代/井上陽水

宇多田ヒカル

 そのラジオ番組でかかっていたのが、この宇多田ヒカルのヴァージョンであった。

 この人がデヴューした時は、なにしろ声に魅力がある人だと思うと同時に、アプローチの仕方がそれまでの日本的な形から変化していく起点のように思った。
 自分を含め日本人は必要以上に「歌詞」というものに着眼する傾向にあって、もちろんそれはそれで決して悪いことであろうはずもなく、素晴らしい文化なのだけど、宇多田ヒカルが出てきた時に、歌詞そのものよりもリズムや躍動感を優先した音作りがされているように感じて「ほうほう、変わってるけど面白い」と思っていた。
 それ以外は前述の通り声の良さに感嘆したのだけど、歌が上手いのか?といわれるとなんかよくわからない部分があったのも事実。
 でもラジオからこの曲が流れてきた時に初めて「上手いな、この人!」と感嘆した。
 変にいじくり倒したアレンジにはせず、原曲にほぼ忠実いやむしろ原曲よりシンプルな形で丁寧に歌われるこの名曲にしばし聴き惚れつつ帰宅、さっそくアマゾンミュージックで検索してプレイリストに登録したのだった。

少年時代/宇多田ヒカル

少年時代

 この曲をカヴァーしてる人はたくさんいるし、もはやスタンダードの域に達している楽曲なので、これを合唱しようが独唱しようがおそらくは曲の良さだけで人を引き込めるのだろうとは思う。
 後はいかにして自分の好みに合うものを探せるかという検索能力にかかっているということで、私の場合、たまたまラジオから流れるのを耳にした宇多田ヒカル・ヴァージョンが心地よかったということだ。

カヴァー・ソング

 同じ楽曲を違う人が歌うというのはすごく面白くて、特に自分の好きな人の楽曲が他の人にカヴァーされていると、興味津々で聴いてしまう。
 その曲がオリジナルに忠実に作られていようと、バラバラに解体され再構築されていようと、原型を留めないほどに破壊されていようとそれこそがカヴァーであって、もちろん著作権云々の問題はあるにせよ、他の人が再構築する許可を与えるオリジナル・アーティスト側の度量の大きさがないと成立しない、聴く側からすると猛烈に楽しい文化なのである。

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