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草花いじり

草花いぢりも夏の一得であらう。氣を換へるに非常にいゝ。筆の進まぬ時氣持の重い時、ひよいと庭の畑に出て、草をむしり、水を遣る。言はず聴かずの暫しの時間を過ごすべく、私にはいまこれが一番である。花もよく、四五株の野菜を植うるも愛らしい。

眼に見えて肥料ききゆく夏の日の園の草花咲きそめにけり

若山牧水『樹木とその葉』
「夏を愛する言葉」より 

自宅では、昨年植えたクレマチスが、ささやかなる満開をむかえております。あるとき見つけた苗木を植え付けて、大事にお水をしていたら、ちゃんとお花がつきまして。それを朝がくるたび眺め、花の数を確かめ、よしよし今日もよく咲いた、とニヤニヤしている毎朝です。

その花つきの良さに、なんだか気持ちも大きくなり、朝に伸びている植木の新芽に期待を念じてみたり、凝りもせずに名誉挽回のハーブを植え付けてみたり。

牧水のいう「草花いぢりも夏の一得」は本当だなあと。本当に、夏の草花いじりは、気分転換に最適です。

そうそう、ある日のこと、来店されたお客様が「この枝もらっていいかしら」と仰るので、どうぞどうぞと答えつつ、何に使われるんですか?とお聞きしたら、「まえに花屋で買った切り花のバラを、挿し木にしたら付いたのよ」というのです。

この切り花が?と、にわかに信じられず、「もしそれの達人になったら私の花園も、夢ではないですよね?」と、心の声をそのまま伝えてしまったら、その場で大笑いされたことがありました。

とはいったものの、以降一度も試したことはなくて、ただ夏になり、バラの季節になるたびに、その話を思い出すのです。

自宅にバラ、いいなあ。バラ、増やしてみたことありますか。コツがあったら教えてほしいと思っています。憧れはモッコウバラ。そろそろ季節も到来ですよね。

今日もいちりんあなたにどうぞ。

モッコウバラ 花言葉「あなたにふさわしい人」

あこがれの庭バラ


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