見出し画像

沢瀉(おもだか)

おもだかの花の白きを湯尻の田
山口青邨

ゴールデンウィークに入りました。稲作がさかんな地域では、そろそろ早苗田の景色が見られる頃でしょうか。あの視界いっぱいに広がる水田の景色。田舎育ちにの私にとっては、この季節になるたび懐かしく思い出される光景です。

鏡のように天を映す田んぼの水面、用水路の水音、砂利に混じった砂埃の匂い。歳を重ねるほどに、こんな原風景があることを、田舎で育ったことを、よかったとしみじみ思います。

今日の花は「沢瀉(オモダカ)」です。花の時期はまだ先ですが、池沼の溝や田んぼに自生するお花。地味ですが、花に寄って見ると、その白い花びらのなんと清らかなこと。しかしこんな可愛い花でも、稲田では雑草として扱われるのだそうですね。

それにしても、あんな田んぼを傍にして育ったのに、幼少の頃には気にも留めなかった花でもあります。それが最近になって「そういえば」と思い出し、調べてみたらオモダカだったのでした。

また「澤瀉屋」の家紋にあるのが同植物ということも、今更ながらに知りました。あの家紋で見られる矢じりのような形は、花ではなく葉なんですね。

こんな調子で今になっても、へえ知らなかった、なんて声になることばかりで、それもすっかり口癖になったほど。笑

然しそれほどに、世の中には知らないことが、まだまだ溢れているのです。見つけても嬉しい、教わっても楽しい。おかげで何かひとつ知るたびに、お便りしたくなります。

いつもお付き合いありがとうございます。よい連休をお過ごしくださいね。
今日もいちりんあなたにどうぞ。

オモダカ 花言葉「秘めたる慕情」

オモダカの花は仲夏のころに

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?