紫雲英(げんげ)『草枕』
この二日間で、夏目漱石の『草枕』を読み直しました。あらためて、春の最終に、この作品を読めたのは季節がよかった、と思いながらの読了です。
『草枕』にかぎらず、漱石の作品には数多くの植物が登場します。その数ざっと150以上ともいわれますね。「漱石には、とくに師と呼べるような人がいなかったため、自然はまさに生涯を通じての師だった」といった趣旨のことが、古川 久著『漱石と植物』のなかにありました。なるほど。ほかにも、漱石と植物の関係については数多の論評があるようですから、いつか触れ