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夢切り絵【毒薬の館】

見た夢を切り絵にしました、14枚目でございます。

夢切り絵を投稿するのは、大変久しぶりなのですが、数か月前に見た夢のメモが残っていたので、思い出しながら描きました。
かなり前に見た夢とはいえ、メモを見ると見た夢がすーっと思い出されるので、毎回とても不思議に思います。

最近は、通所しているB型作業所で、アートコンテストのお誘いがあったりして、応募する用に切り絵を作っておりました。
noteを始めた当初は、今回の夢切り絵のような小さめの作品ばかり描いていたのですが、コンテストに応募する作品となると大概A4サイズより大きいサイズの絵を描かなくてはいけなかったりするので、少し大きめを意識した絵を描く練習ばかり、最近はしておりました。

大きい絵の方が見やすいですし、どんな人にでも分かりやすく、評判は良いのですが、ミニチュアサイズの絵を描くのも、私は好きでございます。
絵が小さいと線も全体的に細くなり、切りがいがあって、とても楽しいです。

人間を小さく描くと、物語を表現しやすいので、一つの絵本のようになってくれるから、描くのが楽しくなります。
大きなモチーフの絵も、個人的には物語や意味があって描いているのですが、そこまでは言わないと伝わらないものでもあるので、今回のように物語があることが分かりやすい絵の方が、見てもらえて嬉しかったりいたします。
仕事から帰ってきて、絵を描く時間があると、精神的な疲れが取れるような気がしております。

夢を普段全く見ないという人からしたら、少しでも怖い夢を見てしまったら、目覚めが悪くなってしまったり、飛び起きてしまったり、何かの予兆かもしれないという不安感があったりすることもあるかもしれませんが、毎日夢を見ている私は、夢の中で何が起きても、滅多なことでは動じなくなってしまいました。

私の場合は、正夢を見た経験が一度もないので、夢で見たことが現実には起きないと思っているからかもしれません。
中には正夢や予知夢を見やすい人もいらっしゃるようで、同じ夢を多く見る人たちの中にもいろいろなタイプがあるのでしょうか。

精神的に追い詰められていたり、疲れていたりする時は、嫌な夢を見やすいとか、よく言われるので、私が見る夢の話をすると、「疲れている」とか「心の傷」とか「感受性が強い」とか、そんなことを言われたりもしますが、毎日夢を見ていると、精神状態に関わらず、ランダムでいろいろな夢を見ているような気がしております。

私は子供の頃、何かに追われる夢をよく見ていたのですが、大人になってからは、その追ってくる人たちと戦おうとする自分と敗北してしまう夢をよく見ておりまして、ここ数年は、その追ってくる人たちとの戦いに辛うじて勝利する夢を度々見ることがございます。
まだまだ負けることもあるのですが、勝利する回数が増えてきていると感じており、負けるとしても達成感があり、辛いと感じることはなくなってきております。
毎回シチュエーションは様々だったりするのですが、追ってくる人たちとの関係性が、年齢を重ねるたびに変化しているように思います。

夢自体が、長い目で見ると物語になっていて、その物語は私のものなのか、そうではないのか、それもはっきり分からない部分もございます。
何かに追われる夢を見ている時点で、精神状態が良くないということを言われることもあるのですが、夢も現実と同じく変化していくように思います。
夢の自分と現実の自分は、リンクしているように見えて、交わることがないようにも見えて、別物のようにも見えるのですが、まるで、影の存在や分身のように、年と共にお互いに成長していることは、伝わって参ります。

あまりに鮮明な夢を見ている人からしたら、寝ているときも起きているときのように、人生を生きているという人もいらっしゃるようなのですが、少しだけそんな人の気持ちが分かるような気がしております。
夢を見ることで、勝手に人生経験が増えていることを考えると、少しだけお得だったりすると思えなくもないような気もいたします。

皆さんにはどんなお話に見えるでしょうか。
題名は「毒薬の館」です。

毒薬が出てくるというのは、穏やかではない環境ですが、おそらく毒のようなものだったと思います。
館の主人だと思われる人の顔は見えなかったのですが、着物ようなものを着ていて、黒くて長いくるくるとした髪の毛と、煙のようなものが出ておりました。

おそらくマリオネットなのでしょうか、本物の人間っぽさもあったのですが、操り人間が置いてありました。
館全体のすべての部屋に煙が充満していて、何の煙かは分からないまま、とあるネズミさんたちが、落ちていたカプセルを発見し、食べてしまいました。

ネズミさんたちは弱ってしまい、その場にへたり込んでしまいました。
魂が抜けてしまったか、死んでしまったようにも見えましたが、おそらくあのカプセルは、食べていけないものだったのだろうと、感じました。
このあたりでなんとなく、ここは毒薬の館なのではないかと、私は感じておりました。

ネズミさんたちを眺めることしかできなかった私の近くに、大きな化け猫が寄ってきたのですが、優しい猫さんでした。
襲ってくることもなく、ネズミさんを私と一緒に悲しそうに見ていました。
近くにネズミさんたちが食べてしまったカプセルと似たものが、落ちていて、化け猫さんがそれをじーっと見ていたので、化け猫さんがそれを食べないように、私はカプセルを拾い上げ、とりあえず遠くに蹴り飛ばしておきました。

運動神経の悪い私が、ちゃんとカプセルを蹴ることができたことに感激しましたが、現実の私では無理だっただろうと思います。

無事カプセルを遠ざけましたが、その後、中年のメイドさんが「お嬢様、お食事でございます」と、私に声をかけました。
食堂に案内され、私は、お食事を頂くことになったのですが「私がこの館の主人だったのか?」という疑問で、頭がいっぱいで、いろいろ考えた結果「いや、やっぱりそうじゃない」と思い直しました。
この食事を食べたら死んでしまうような気がして、全く食器に手を付けずに、そのまま席を立とうとしたのですが、メイドさんがずっとこっちを見ておりました。

なんとなく「罠にはめられている」気がして、逼迫した雰囲気の中、汗がにじんで参りまして、考えていてもしかたないので「この館から出よう」と決断し、ゆっくりと席を離れようとしたときに、目が覚めてしまいました。

私は現実に戻ってきましたが、化け猫さんや、他に居たであろう動物さんたちはどうなったのだろうかと、目が覚めてからも、想像してしまうお話でございました。
今度、私がその後の動物さんたちの絵を描けば、そのままお話は続いていくことができるので、そういう楽しみもございます。

絵だけ見ると少し、恐ろしかったり、おぞましかったり、怖い夢だったのかなと思われることもあるのですが、実際に体験した身としては、全然怖い夢ではなく、緊張感はあるけど、ちょっとした冒険だったり、動物さんとのふれあいだったり、ファンタジーの絵本の中に入ったような感覚でございます。

このお話の続きとか、うっすら覚えている館全体の絵とかも、描いてみたいと思うのですが、描きたいものがいつも溜まっている状態なので、なかなか描こうと思うときに描けないというのが、もどかしくもあり、時間は有限なんだといつも感じます。
夢切り絵も、これからまた少しずつ描いていこうと思っております。

また次も見て頂けましたら、幸いでございます。

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