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夢切り絵【剣に光を】

見た夢を切り絵にしました、11枚目でございます。

通所しているB型作業所にて、個別支援計画書を頂きました。
管理者さんとの面接では、大まかな生育歴を申し上げましたが、詳細にお話したわけではないので、これから長くお付き合いさせて頂くことになれば、おのずと知られていくことと思っております。

個別支援計画書は、私の今後の目標、取り組むべきことや、職員の方の私への評価などが記載されており、通知表のようなものに感じました。
まだ通所を始めて2か月ほどの私を、現在職員の方々がどのように評価しておられるのかを、文書で頂けたことで、私にも目に見えて分かりやすくなり、仕事がしやすくなったように思います。

作業能力に問題は無くとも、コミュニケーションが受け身という点が記載されておりまして、私はそのことについて、この数日間考えておりました。

管理者さんの真意は「困ったときに、相談できる相手がいないのではないか」「最低限の業務連絡を行うときに支障が出ることがあるのではないか」という点を心配して頂きましたが、私が自分から積極的に人に話しかけることを苦手としているのなら、これから就労するにあたって困るのではないか、多少訓練が必要なのではないかという印象を持たれているという、ことが分かりました。

このときの面談では、管理者さんのこういったお気持ちを聞くことが出来ましたが、私はお相手様の気持ちを聞くだけで、私の意見や気持ちは、そのときにお話はできませんでした。
私はいつも、人様の話を聞いてから、しばらくじっくり自分の中で考えてからでないと、答えを出したり、返事をすることができないので、そのときに何も言わないという点が、受け身すぎるという印象を与えているのだと思っております。

頭の回転の遅さをこういうときに、一番感じます。

そして、受け身すぎる点を直さなくてはいけないと、記載を読んだときには思ったのですが、この数日考えていて大事なことを思い出しました。

双極性障害を患う前、私が一般の仕事をしていた頃は、行動力と積極性の塊みたいな人間でございました。
今思えば、躁鬱の躁の状態で仕事をしていたということらしいのですが、私はその躁状態が自分の姿だとずっと思っておりました。

自分から積極的に人に話しかけることは当たり前であり、相手が話さなければ会話をずっと続けることも容易で、指示があればすぐにどこにでも仕事に出向き、時に人をまとめる立場になることもございました。

ラインの返信が異常に早く、業務連絡はテキパキやり、常に新しいことに挑戦し、前向きで、人との交流が非常に多く、挙げれば挙げるほど、今の私には似ても似つかない別人のようにも思えます。

病気を患ってから、本当の私とは何なのだろうかと模索して参りました。

子供の頃の私は、非常に大人しく、他者との交流が少なく、いつも無口な人間でございました。
そして、それが私の本来の姿なのだと、今は思います。

受け身だと言われるのは、年十年ぶりなのだろうと、私はしみじみ感じました。

もともとは、大人しい受け身な自分を変えるため、努力し積極的な人間に転換していく過程で、度が過ぎてしまったことが、病気を招きました。
治療の過程で、苦手なことを克服しようと考えすぎないことを、お医者さんや看護師さんやいろんな方に、根気強く指導して頂き、そのおかげでここまで回復して参りました。

そんな経緯もあったというのに、私は受け身な自分をまた直さなくてはいけない、頑張らないとと、この数日考えておりました。
人から見て、ここを直した方が良いよと思われている部分と、自分が取り組まなくてはいけない課題というのが、一致していることの方が少ないものなのかもしれません。

そんな不一致のすり合わせのために、面談の時間はあるのだと思います。

こんなことも、一人でしばらく考えないと思い出せない人間だということに自分のことながら頭を悩ませてしまいますが、本当は、お話の中で、その場で自分の気持ちが正確に伝えられたら、誤解やすれ違いは生まれないものなのだと思います。

幸い今の私は「困ったときに誰にも相談できない」「業務に支障をきたす」ほどの無口ではなくなりましたので、これから管理者さんや職員の方々にそれが伝わるように、信用してもらえるように振舞っていけたらいいなと思っております。

皆さんにはどんなお話に見えるでしょうか。
題名は「剣に光を」です。

街に放たれた動物たちを目撃したとき、この世界は世紀末なのではないかと恐ろしさを感じました。
逃げ惑う人々と、ビル街を悠々と移動している大きな動物たちが、現実感のなさを出しておりましたが、私は妹と一緒におりました。

妹は「お腹がすいた」とへたり込んでしまい、私がどうしたらよいか戸惑っておりましたとき、長身で顔立ちの整った男性が、私を安心させてくれました。
見知らぬ男性でございましたが、タレントさんに似ている人がいたような、いなかったような、少なくとも面識のある方ではありませんでした。

近くに高校時代の友達の姿もあったような気がしたのですが、私の夢には相変わらずお顔だけよく登場しております。

私と妹が家に帰ろうとすると、長身の男性は一緒についてきてくれるということで、三人で家に帰ったかと思えば、着いた先は自宅ではなく、枯山水のような和の庭園でございました。
初めての庭園でございましたが、私の母や父、妹や兄、親戚の人など、家族、親族たちが集まっておりました。
松の木が並ぶ和の邸宅の中央に、体から光を放っている人が見えました。

この方も似ているタレントさんを見たことがあるような気もしましたが、「あの男がこの異様な世界の元凶なのだ」と長身の男性は指を刺しました。
少しばかり唐突な展開だったので、少し気持ちが冷め始めていた私でしたが、私には何の力もなく、このままではやられてしまうというところでございました。

どうしようもなかったそのとき、母と妹と兄が私の前に立ち、手を天に掲げると、剣が現れ、その剣は光を纏っておりました。
後ろの方で親族の方たちも手を合わせており、皆の光が剣に集まり、まぶしすぎて見えなくなるほどございました。

いつの間に皆がこんな力を得たのかはわかりませんが、悪者と戦う特別な一族のようにも見えました。
私は蚊帳の外でございましたが、久しぶりに親族の方の顔ぶれを眺めることができたのですが、すでに亡くなっていた方のお顔もあったように思います。

光が充満しきったとき、瞼を閉じると同時に、私の目は覚めることとなりました。

うちの先祖は平家の落ち武者だと父がよく言っておりましたが、どこまで本当のことなのかは不明でございます。

先祖のことを意識することもあまり無ければ、そこまで興味があるわけでもない私は、自身のルーツを調べたりもしたことはないので、先祖のお顔をもし見ることが出来るとしたら、夢の中しかないのかもしれないと感じました。
枯山水や和の庭園が舞台であったことも、昔の時代を連想させました。
枯山水を実際に見に行きたくなったのですが、実際に見たことがないのに鮮明に夢に出てくるということは、夢に見ている映像は私の記憶だけではないのかもしれません。
先祖も含めた、すべての人の記憶はリンクしていて、脳の奥底で共有されているという不可思議なことがあるのだとしたら、解き明かせない謎は存在するように感じてしまいます。

また次も見て頂けましたら、幸いでございます。

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