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夢切り絵【技合戦】

見た夢を切り絵にしました、7枚目でございます。
B型作業所へ通所する日々が始まり、約3週間が経っておりますが、体験期間が終了し、本契約へと移る運びとなっております。
今のところは、幸いながらあまり負担に感じることは無く、順調に事が進んでいることを、嬉しく思っております。
本契約に至るにあたって、1か月ほど時間が掛かるそうなのですが、私がやるべきことが特にあるわけではなく、私の担当の方達が、必要な書類を作成したり、面談の日時調整など、しかるべき準備を調えて下さっているとのことです。

障害者となってから、私が社会的活動を行う場合、お医者さん、訪問看護師さん、障害者支援センターの担当職員さん、作業所の職員さん、そして役所の方など多く方々の連携が発生し、まるで厳戒態勢の中、何が起こっても大丈夫なように、安全に社会復帰をさせてくれるシステムの手厚さに驚かされております。
障害者の方の中には、この厳戒態勢を、過保護すぎると感じてしまったり、決められたレールの上に乗せられているようで窮屈さを感じてしまう人も、もしかしたらいるかもしれませんが、私は、概して型にハマった堅物でございますので、決められた手厚いレールに乗りながら生きていきたいと、常に思っている人間でございました。

与えられたレールに乗ることができなかった子供時代を経て、私はすべて自分で選択して、自由に道を創造して生きていかなければいけないということにプレッシャーを感じておりましたが、その圧を微弱に返しながらなんとか生きて参りました。
みんなと同じレールに乗りたかったけど、叶わなかった時代もございましたが、障害者となり、自分の力だけで生きていかなくてはならないという迷路からは、抜け出すことができ、今は国の設ける手厚いレールに乗せて頂いております。
レールから外れてしまった日から、道なき道を何年も彷徨っておりましたが、新しいレールを見つけ、やっと戻ってくることが出来たのかもしれません。

最近は、障害者支援センターに切り絵を持っていって、黙々と作業をしているのですが、作った物を見てもらえる機会も増えて参りました。

皆さんにはどんなお話に見えるでしょうか。
題名は「技合戦」です。

場所は分からないのですが、とある広場に何人かの人が集められておりました。
私もその中の一人だったのですが、見覚えのある人が一人おりまして、私の高校時代の友達で、とても体の大きな子でございます。

この体の大きな友達は私の夢に度々登場しております。
高校生の時、いつも一緒にいて、一番仲の良かった友達でございます。
現実ではもう何年も会っていないのですが、私の夢の中では、特に話をするというわけではなく、まるで背景のようにいろんな所に差し込まれている登場の仕方で、顔だけはよく見かけている状況でございます。

数人が広場に集められている中で、一人の知らない男の子が、私に話しかけてきました。

「君は特別な力を持っているね」男の子はそう言いました。
唐突な会話に驚きましたが、「僕も同じだよ」という言葉と「僕は君についていくよ」という言葉が聞こえました。

詳しい説明はないままですが、この広場に集められている人たちは「特別な力を持っている」という括りがあるようでございます。
「私は特別な力など持ってはいないけど」と、私は思っておりましたが、男の子は私についてくると言っているので、そのまま男の子をつれて、自分の家に帰りました。
自分の家といいつつ、私と男の子が向かった先は、現実で私が住んでいるワンルームなどではなく、とても大きなお屋敷のようでございました。
見覚えのない家の中に入ると、執事の格好をした二人の人が、出迎えてくれました。

「お帰りなさいませ」年配の老執事さんが、私にそう言いました。
私の執事さんなはずはないのですが、私は「お嬢様」と呼ばれていました。

老執事さんは、丁寧に出迎えをしてくれまして、とても礼儀正しい執事さんに見えました。
奥にいた若い見た目の執事さんは、終始無言でしたが、老紳士さんと同じ服を着ていて、一見人間に見えたかと思えば、よく見ると瞳がいびつな形をしていました。

若紳士さんの目を見つめていると「人間ではない・・・?」と思えてきて、そんな気がした瞬間、私の心の中が読まれたような感じと共に、襲ってくる合図かのような、殺気が一瞬で空間を刺しました。

若執事さんは、鋭利な武器を生み出し、攻撃開始が分かった瞬間に、それが老執事さんの背中に刺さっているのが見えました。

私は人が傷つけられた現場を目にし、心臓がドキドキあわあわしておりましたが、私が連れてきた男の子が若執事さんに向かって、瞬時に手から衝撃波のようなものを放ちました。

私は、目の前でアニメが始まったことに感動し、不安が痛快に変わっておりました。

この時点で、これは夢だなと半分勘づきつつあった私は、もしかしたら、私にも何か出せるかも!と思い、試しに念じてみると、案の定何かを手から出すことに成功しました。

私の力は、武器ではなく、バリアーのような、シールドのようなものだということが分かり、私はそれで、老執事さんを守ることにしました。
バリアーを作り、手当てをしている間に、男の子は若執事さんと戦ってくれていました。

鋭利なブーメラン状のものがいくつも、すごい勢いで投げられ、こちらにも飛んできておりましたが、私のバリアーは非常に優秀でした。
男の子は、最終的にかめはめ波?みたいな光線も出していたように見えました。

二人の戦いは激しくなり、クライマックスが見れるかというときに、私は老紳士さんの手当てに追われ、その間に目が覚めてしまいました。
結局二人の戦いの決着は見ることができませんでした。

今回のように夢の中で「これは夢だな」と、うっすら気づくことがあると、そこからイメージが形となる創造の世界が始まり、急に楽しくなって参ります。
意識がある状態での夢というのは、頭の中のイメージがそのまま具現化されたり、現実では出来ないことを体験することができたりするので、高い所から何もつけずに飛び降りてみるとか、やってみたかったことをやってみることが多いのですが、今回のようにアニメを体験するというのは、やはりいくつになっても楽しいことなのではないでしょうか。
将来仮想空間の住人となるような人がいるとすれば、このような夢の世界が現実となる未来が訪れるのでしょうか。

私は、夢をよく見るためか、夢には夢の、現実には現実の良さがあると思っておりますので、現実を夢の世界のようにしたいとは思わないのですが、夢をあまり見ない人からしたら、現実の緩和のためにも、夢のような世界を少しでも現実に取り入れたいとか、夢を現実にしたいと思う人がいても不思議ではないと思っております。
仮想空間で暮らしたいと思う人が増えてくれば、未来はそのように変わっていくと思いますが、私は、肉体感覚のある現実も好きなので、もしコンピューター化して未来永劫生きることができると言われても、拒否してしまうかもしれません。

私が生きているうちは、夢物語であろう話は置いておきまして、今回、欲を言えば、戦いに参加したかったなと密かに思っております。
ゲームなどでよく感じていたことでございますが、攻撃優位、戦士系を好み、脳筋的な戦いしかしてこなかった私が、自分の持っている能力が攻撃系ではなく、防御系だったとき、ほんの少しがっかりしてしまうのは、子供心が変わっていないなと感じます。
自分の性格を考えると、防御型だろうとは思うのですが、自分に足りないものが夢や理想に含まれてしまうからこそ、いつまでも脳筋に憧れがあるのかもしれません。
といっても、派手さは無くとも、防御の大切さは、大人になると身に染みるものでございます。
体の老いを感じるほどに、生きることで発生するすべてのダメージをちょっとでも減らしていきたいという思いも、生まれて参ります。
今回の夢では、自分を大切にするという防御反応が、開花したということだと、前向きに捉えておこうと思います。

また次も見て頂けましたら、幸いでございます。

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