佐藤咲生

詩、エッセイを投稿しています。 詩集を出すのが夢です。 「何度だって自分と出会い、孤…

佐藤咲生

詩、エッセイを投稿しています。 詩集を出すのが夢です。 「何度だって自分と出会い、孤独を創造する」

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  • つむぎ

    詩人・佐藤咲生。

  • 箱庭

    エッセイのようなもの。

  • 私生活

    わりと、ありのままの、私。

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大事なものなどない世界

『自己肯定感』って何なんだろうな、と思う。 自分はそのままでいいと思えること。だれに何と言われても関係ない。自分は自分。 そのとき『他者』は必要なんだろうかと思う。ありのままの自分が良くて、それをだれかに認められても、認めてもらえなくても、どちらでも構わないとき、それが自己肯定感がある状態なのなら、そのときそこに、他者は存在してるのだろうか。 自己肯定感を持つには、まず人と比べないことが大事だと良く聞く。 このあいだ聞いていたラジオで、「人気者だということは、自己肯定

    • 生活のキロク|vol.2

      お昼ごはんに、そら豆と帆立のパスタを作りました。 オリーブオイルを熱したフライパンで、玉ねぎと、帆立と、そら豆(茹でて冷凍していた)を炒め、軽くお塩を振る。 茹でたパスタとにんにくチューブを少々入れて、塩こしょうで味を整えただけ。仕上げにドライパセリ。 簡単な昼ごはん。 パスタって簡単で、市販のパスタソースは言うまでもなくいちばんお手軽だけど、たまに自分で食材を組み合わせて、オリジナルのパスタを作るのも楽しい。 味付けはだいたい、豆乳か牛乳があればコンソメ味のクリーム

      • Diary|23歳春

        わたしがわたし自身を見失うような日々が続いていました。 付き合っていない男の人と、体の関係を持ってしまったから。 こういうことがわたしの人生にも起こるのだ、という驚きと、浮遊感と、誤魔化せないドロドロとした感情と。 この1か月ほど、自分自身の性欲と寂しさとやり場のない人生への焦りのようなものがべったりと自分に張り付いて、心休まるときがなかった。 荒れていく食生活と減っていく睡眠時間。 でも、今朝、やっとすこし拓けた場所に来たような気がした。 心の凪を取り戻した感覚。 正

        • Poem|ちいさな魂

          米を研ぐ音 波の音 料理に塩をつかい 血液は血潮 とじた皮膚のすきまから 汗がこぼれてく 海があり陸があり 空へも行けるとおもった 海外旅行のトランク。 観葉植物に水やり。 世界はひらかれてゆく ちいさな魂ひとつで ちいさな魂/佐藤 咲生

        • 固定された記事

        大事なものなどない世界

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        • つむぎ
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          Essay|整った自分でばかりはいられない

          朝から、すこし料理をした。 冷蔵庫で保存していた使いかけの玉ねぎを取り出し、薄切りにする。1人前ずつラップにくるんで冷凍していた豚こま肉。それが2個。解凍したものの使えずに放置していたそれを冷蔵庫から出してラップを剥がして塩こしょうを振る。酒少々も。 なぜ豚こま肉を使えなかったかと言うと、料理する気力が湧かなかったから。 そういう日もあるし、そういう日が最近はすこしばかり多い。何かにつけムラがある。気分や体調、やる気に体力。 その朝は気が向いたので卵焼き器とちいさいフラ

          Essay|整った自分でばかりはいられない

          生活のキロク|vol.1

          突然にご飯の写真をアップ。 普段noteだけを見てくださっている方は、「何事か」と思うかもしれません。笑 あまり映えないご飯ですが、これがわたしの今日の晩ご飯です。 Xでは、ぽつりぽつりと、作ったご飯の写真などもアップしていて、普段の生活のことについても、よく投稿します。 何を隠そう(って、隠すほどのことでもないですが)、わたしは生活が好きです。 特にご飯。普段の、何気ない、飾らない、本当に素朴なご飯のことが好きです。 Xでそういうポストがあるとついついいいねしちゃう

          生活のキロク|vol.1

          Poem|蕾

          親指と人差し指を寄せながら Googleマップを縮小し わたしのいるばしょを見失う 世界はいつも 蕾のままおわる わたしには その全容を捉えきれないし すべてを把握しようとする つもりもない ゆえに想像できる ひらかない花は わたしのからだの奥で 何十回も 冬を越す わたしの生活の舞台には もうすぐ春が訪れる ふとした光の角度が いつもと違うことに気づき わたしはすこしかなしくなる 紅茶を淹れる 部屋の植物をベランダに移す わたしのすぐそばでひらく季節を どうすることもで

          Diary|不調なこの頃、歩いてみる、パンケーキとレモンティー

          歩くのが上手ではないな、と思った。 仕事が休み。午後2時前。自宅から15分ほど歩いて、喫茶店に来た。 今日は天気が良い。 最近カラリとしない天気が続いていただけに嬉しい。 でも風がとても強い。 春の風はからだにあまり良くないと聞くので、上着の前をしっかりと閉じて、肌をさらさない格好で、そのおかげかあまり寒くはなかった。 3日ほど前から調子が悪い。 心が、浮いたり沈んだり、やたらに甘いものが食べたくて、爆食したり。夕食後に家にあるお菓子を食べ漁ってインスタントラーメンま

          Diary|不調なこの頃、歩いてみる、パンケーキとレモンティー

          Essay|可愛いわたしとあなた

          今、レンジでチンしたブロッコリーと、小麦粉をつけた焼いた鶏むね肉に、粒マスタードとマヨネーズとブラックペッパーをからめたものと、大根と小松菜のおみそ汁、という夕食を食べ終えたところ。 連休の最終日。午後7時前。 世のなかには憂鬱な気持ちになっている人も多いのだろうな〜と思う。 「明日からまた仕事か、行きたくないな」とか。 わたしもすこしだけそういう気持ちになっているけれど、でも、今食べた夕食がとっても美味しかったので心がすこしほぐれた。 重すぎる憂鬱にからだも心も動か

          Essay|可愛いわたしとあなた

          Diary|横断する心

          昨晩、折坂悠太さんのラジオを聴いていた。 バスボムを入れた湯船で温まり、よい香りと湯のとろみに癒やされてほくほくとした気分の湯上がり。とても穏やかな心持ちだった。 ラジオを流しながら、本棚から詩集を2冊ほど取り出した。 ここのところ、詩集を手にすることがすくなくなった。 エッセイばかりを読み、詩集に心が向かない。でもきのうは詩集を読みたい、と久しぶりに思ったのだった。 雑誌も久しぶりに手に取った。 2022年10月の&Premium。「いい本との、出合いは大切。」と表され

          Diary|横断する心

          Diary|世界の微分子

          明日朝にかけて全国的に気温が下がり、積雪となる地域が多いという。 関西のあまり雪の降らない地域に住んでいても、今日の夕方からは雪がちらつき始め、仕事を終えて帰る頃には吹雪のようになっていた。 今日は1日気分が優れなかった。 一緒に働いている人と考え方が合わず、話を聞いていると、どうにもくたびれてしまうのだ。 「仕事のできない人はいらないよね」というスタンスで、「辞めてほしい」とか「居るならちゃんと仕事をできるようになってもらわないと困る」とその人は言う。 仕事をして

          Diary|世界の微分子

          Poem|ボヤージュ

          思い通りにならない体も 夜明けの方にしか進めない 凍てつくような空気に 心まで冷やして からっぽの呼吸がこぼれる 地球最後の日にも 夜は変わらず明けると 予感させる 祈り 住み慣れない街もかならず 夜明けの方へ流れていく 瓦礫だらけの海も川も なくしたものばかりの心さえも 全部 夜明けの方へ進んでいく 役に立たない祈りが 朝焼けの光にぼやけます ボヤージュ 目に見えない流れにのって いつまでも壊れない 永遠の舟が どこかへ出航していく模様です ボヤージュ/佐藤 咲生

          Poem|ボヤージュ

          Poem|23:61

          テレビの音が消えると 世界に取り残されたみたい。 この体の温もりだけが 自分にやさしくて、 泣きたくなる。 悔しくもなる。 年は明ける。 あした食べるものたち。 にぎやかなはずの彩りも 息をひそめている。 体にかたちがある。 そのことがときどき 不安の要因になる。 私が私として生まれてきたことが なぜこんなにも かたちに残っていくんだろうか。 除夜の鐘をききながら 眠れずにいる。 毎日が等しく きのうのつづきのはずで 毎日が等しく新しいのに。 かたちのない私を 見捨て

          Essay|節と竹

          今年も残すところあと2日で、実家に帰省しゆるゆるしている。母と一緒にスーパーに出かけ、おせち料理や年末年始の食事の材料を買ったり。 年末年始は、毎年、あまり得意ではなかった。 メンタルが不安定になりがちで、その原因は、きっとその1年間を総括せねばという妙な責任感と、駆け抜けるようにしたいこととすべきであろうと思うことが詰まっている非日常な数日間に、疲弊しきってしまうからだと思う。 「非日常」って、好きか嫌いかと問われれば、どうなのかなぁと考えてしまう。 嫌いではない。好

          Essay|節と竹

          Diary|スーパーにて、日々の選択、マリービスケット

          寒い。寒いから、ユニクロのウルトラライトダウンを着て、その上から部屋用の暖かいガウンを羽織り、足元には電気毛布をかけ、『まるでこたつソックス』という名のとても暖かい靴下を履いてこれを書いている。 * 日曜日の仕事が早めに終わり、スーパーに買い物に行ってきた。 とはいえ、まだ家には食材がわりとあるので、明日のお鍋用に足りなかった鶏もも肉だけ買いたくて、あとは今日のおやつをすこし買う予定で。 近所のスーパーは、もうとにかくお正月とクリスマス色に活気づいていた。 全体的に『

          Diary|スーパーにて、日々の選択、マリービスケット

          Essay|お鍋セットと友達

          先日初めて、一人暮らしで鍋を作った。 一人前の鍋の素を使って、鶏もも肉と、白菜や春菊、舞茸、えのき、豆腐を入れて火を通すだけ。 その日は残業のある日だったので、朝家を出る前に野菜はあらかじめ切って冷蔵庫に入れておき、すぐに作れるように用意しておいた。 ごとごとと鍋が湯気を吹き、最後に火の通りやすい春菊を加える。 春菊の香りを胸いっぱい吸い込み満たされた気分になる。 鍋を作っている最中、ふと、すこし前に会った友達のことを思い出した。 その子とは中学生の頃、お互いに、

          Essay|お鍋セットと友達