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あるキャッチコピーの話 ーリクルート卒業&コーチングスクール卒業に寄せて

2022年10月31日。この日は私にとって2つの意味で少し特別な日でした。
ひとつは、14年半在籍した(株)リクルートの退職日として。
もうひとつは、1月末からお世話になってきたMindset コーチングスクールの卒業の日として。

この特別な日に、あるキャッチコピーのことを思い出していました。過去私が、リクルートのインターンシップの集客のために書いたコピーです。


「人の力で、世界は変わる。
 立ち向かえ、限界を超える挑戦に。本当の自分自身に。」


リクルートを卒業したこと、コーチングスクールを卒業したことを、この生涯忘れられないキャッチコピーと共に振り返ってみようと思います。

※以下、リクルートキャリアでの採用活動の裏側にも触れていますが、リクルートの現在の採用活動とは一切関係ありません!振り返っての昔話として読んでくださいね。

リクルートでやってきたこと

2015年。
リクルートキャリア(現リクルート)の新卒採用担当者として一番激しく働いていた時、仲間と「SPIRIT」という名のインターンをつくりました。
リクルートキャリア社の実際のクライアント様3社にご協力をいただき、その企業様からご提示いただいた課題に対して、インターン生が提案するという1週間ほどのインターンシップ。
作りものではない本物の課題、本気で困っている人々の思いに触れるからこそ、参加者の本気度が高まり、最大限の学びが起こるはず。クライアントの本気度はもちろん、メンターとして関わる社員も、事業部で超活躍している最強の布陣でご協力をいただきました。
採用部主催の取り組みでありながら、採用とは完全に切り離し、学生自身の学びの機会を作ることを最大の目的として企画していました。(つまりインターンに参加したからといって採用のときに優遇されるようなことは一切ありません。SPIRITは私が産休入りしていなくなった後も5年ほど続く企画になり、このインターンのプロセスの中でリクルートキャリアの魅力に触れた人たちが、結果的に就職先として選択することは相当数起こっています)

なぜこんなに学生の学びに特化したインターンをつくったのか?
それはさらにその前の、2014年、「GLIP」という海外インターンシップの話に遡ります。
これも一切採用とは関係なく、学生たちと一緒にベトナムに行き、ベトナム現地の企業様でインターン生として働かせていただき、最終日にその企業様からのお仕事に対してアウトプットを出すというもの。学生48名に対し、協力企業は24社。1社につき2人ずつ受け入れていただく企画。ここに、事務局・メンターとして参加しました。
言葉もろくに通じない、日常の習慣や金銭感覚なども含めて全く違う人たちとの2週間の協働を通して、そこに参加した学生は驚くほどの変容を見せました。
日本では超優秀なリーダーとして何らかのコミュニティを率いたり、高い成果を出し続けてきた自分が、こんなにも異国の地で通用しない。
そのことに全員がそれぞれのタイミングで一度絶望し、その絶望の中で何を選択するのかを何度も問い直し、何度も決断して、また新しい自分としてコトに向き合っていく。

この2週間の学生たちの姿を見て、私の中でも一つの新しい価値観が生まれました。
「人は、いつからでも、何度でも、変われるんだ」
ということ。なんてパワフルで、なんて美しいんだろう。そこにとても胸打たれたし、こういう世界に触れ続けて生きていたいと心から思いました。

この2014年夏のGLIPから帰国して、次の冬のインターンシップの企画をつくるときに、48名のみならずもっとたくさんの学生にこの成長を届けたいと思いました。
人数が多くなると予算的にも海外には行けないかもしれない。
でも人はいつでもどこでも成長するんだから、ベトナムじゃなくてもいいはずだと考えて、国内でGLIPと同じような衝撃と絶望と希望、本気の挑戦を生み出すインターンをつくろうと思いました。

この激しいインターンに、なんと名前を与えよう?
どんなコピーで世の中に問えばいい?
そのことを、仲間と一晩居酒屋にこもってあーでもないこーでもないと考えました。翌日には集客用の広告の文言を制作会社に提出しなければリリースができないという崖っぷち。しかし当時の上司は言葉に厳しい人だったので中途半端なものでは絶対に承認されない。渾身のコピーを考えようと。

リクルート時代の荷物の整理をしてたら仲間と居酒屋でアイディアを考えてた時のメモが発掘された


そして、
魂が揺さぶられるほど、人生が変わるインターンになったらという思いで、
SPIRIT
と名付けました。

それと共に出来上がったコピーが、記事冒頭のこの言葉でした。

「人の力で、世界は変わる。
 立ち向かえ、限界を超える挑戦に。本当の自分自身に。」


採用活動の中でそれはもう何度も何度も集客用の記事を書いたりコピーを書いたりしてきたけど、私はコピーライティングはあまり得意ではなくて、こんなに強く印象に残っているコピーは後にも先にもこれ1つ。
コピーライトの才能はないけど、自分の中に強く存在する価値観を、仲間との極度の集中によって奇跡的に掬い取って表現することができたのだと思います。

GLIPを48人に届け、SPIRITを初年度100人に届け、もっともっと拡大して行こうと思い、次はこのエッセンスを2時間に凝縮した「ROOTS」というイベントを仲間とつくりました。ここには学生2500名に加えて、リクルートキャリアの社員1200名を動員。社員も学生も自己理解が深まるような対話型イベントになりました。

これらのGLIP、SPIRIT、ROOTSといったイベントは私がいなくなった後も後任の人たちの手によって4,5年にわたって継続され、仲間と作ったこれらの場に触れた人は合計でおそらく数万人規模の数になっています。

こうして、人の力で世界が変わるというそのありようを、仲間と共に繰り返し現実にして、その輪を広げてきたリクルート人生だったと、振り返って思います。14年のうち、ざっくり、7年新卒採用、4年総務、3年中途採用や人事制度運用などの各種人事業務、という感じで今に至りますが、どの部署でもやっていることは同じだったなと。

なぜいま、リクルート卒業なのかー上司からの宿題

リクルートで一番お世話になり尊敬している上司(上の、キャッチコピーに厳しい上司と同じ方)に卒業しようと思っていると報告したとき、まずは面談しようと言っていただいて、1時間ほど話をしました。その場で、2つ、宿題をもらいました。

ひとつめ。
お前にとって、リクルートという大好きな場を離れる意味は何なのか?

ふたつめ。
お前にとって、人のために生きるとはどういうことか?

この方はいつも宿題が激的に重い・・・・これは唸りました。即答できないと思って。
この宿題をもらった時点では、卒業するということだけ決めていて、次のキャリアはまだ白紙で、転職活動中でした。転職活動しながら自分を見つめ直して考えようと回答を保留していました。

転職活動をしていたのは2022年6月頃。リクルートのOGで転職エージェントとして活躍されている方にお世話になりながら、10社くらい、面談したり選考を受けたりしました。
これからのキャリアについて、新卒採用の仕事も大好きだけど、コーチングスクールに通っているし、ピアニストになりたいという目標もあって、この3つを柱にしたいということは見えていました。
ただ、面接などでこの目標をそのまま本音で話すと、受け入れていただける会社は少なかったです。面接する側から見たら、こんなに色々やりたい自分は、会社の新卒採用というところにコミットメントが低いように見えるだろうとは分かっていました。もちろん自分はそんなつもりはないけれど、普通に考えて面接官からしたらそうだろうなと。実際初期に受けた企業様でこの点のフィードバックと共に不合格になった企業様もあり、途中から、この本音を隠して、新卒採用頑張ります!!と嘘をついて面接を受けていました。

そうして転職活動をしていくうちに、最終面接手前くらいでバタバタと落ちて、手元にカードがなくなった瞬間がありました。
自分の本当にやりたいことを隠したまま、また転職活動やり直すのか?と自分に問い直したとき、これからは本音で生きていくと決めたのに、こんなのは最低最悪だと思いました。自分のやりたいことを大声で叫び堂々と生きていきたい。そう思って、転職はやめて、新卒採用のサポートを必要とする企業様とまずは個人で契約してお手伝いすること。それと並行してコーチングとピアニストとしての活動をしていこうと決めたのが、上司に報告をしたちょうど1ヶ月後くらいの話でした。

こういうさまざまな紆余曲折と葛藤を経た私には、上司の宿題に答えることはもう簡単でした。

宿題に答えるときは、理由や背景をダラダラ書かずに、一言で、シャープに答えろと言われていたので(これも厳しい・・)、メールで以下のようなことを書いて送りました。

ひとつめ。
お前にとって、リクルートという大好きな場を離れる意味は何なのか?
→企業も候補者も本音の自分で勝負する採用のあり方を、まだ出会っていない外の世界の人に届けることです。

ふたつめ。
お前にとって、人のために生きるとはどういうことか?
→自分の大好きな領域の、大好きなコトで、人のために力を尽くすことです。

なぜいまリクルートを卒業するのか。その答えは、この上司の宿題への回答が全てだろうと思います。(ちなみに上司からは、言葉に力がある。咲はこれから素晴らしい未来を拓いていける。応援している。とお返事をもらいました)

コーチングスクールでやってきたこと

そしてもう一つの特別な出来事。コーチングスクールの卒業。
考えてみれば、コーチングスクールで経てきたプロセスも、

「人の力で、世界は変わる。
 立ち向かえ、限界を超える挑戦に。本当の自分自身に。」

このコピーの通りでした。ちょっと笑っちゃうくらい本当にこの通り。

自分と仲間の力を信じてひたすら、現状の外側のゴールに向かって日々を駆け抜け、その過程で本当の自分、懐かしい本来のわたしのようなものに出会うことができた日々。その結果、世界が変わる瞬間に何度も出会った。

リクルートを辞めて個人で採用の仕事をしながらコーチングをお仕事にして、さらにピアニストを目指すなんて、全く、本当に1ミリも想像してなかった。

夜に子どもを置いて外出することも出来なかったのに、子どもとダンナを信じて自分の自由に許可を出せた。

縁の下の力持ちのサポート人材だと思ってた自分は、ほんとうは、仲間を愛し自分を愛するリーダーシップを持ってた。そしてそのリーダーとしての器は自分が思っているよりもずっと大きかった。

誰かと比べて成果を出さないと居場所がないと思い込んでいた小さな自分はいなくなって、自分も含めすべての人は才能に溢れていると心から思えた。

私自身のみならず、仲間の挑戦も具体例を挙げればきりがなく、
ファッションが大好きという理由だけで、未経験でファッション業界に飛び込む決意をした人。
海外で働く機会を手にするため会社に無理を言って長期休暇をとりイギリスに短期留学した人。
諦めていたウェディングの仕事に再び挑戦することを決めた人。
病気で苦しむ子どもたちに薬を届けるため、数十年勤めた会社を辞めて新しい環境への転職を決めた人。
写真家を職業にしようと歩み始めた人。
自身の絵画を有名な美術館の美術展に出展した人。

これまで成果を出してきた自分を脱ぎ捨て限界を超える挑戦に立ち向かい、打ちのめされるような出来事も絶望も抱えて、それでも心の底から選択したい世界を選び直し、その過程でみんなが本当にパワフルな自分自身に出会っていきました。

卒業ということでスクールの学びの期間は終わり。これからはスクール卒業生でプロコーチとして仕事をしていく人のコミュニティに所属させていただき、先輩や同期と共に学びながら、引き続き挑戦の日々を過ごしていきます。

プロコーチとして切り拓く未来

私はこれからプロコーチとして、こんな仕事をしていきます。

  • クライアントさんには、自分の大好きなことを人生のど真ん中に据える6ヶ月にすること、お約束しています。コーチと共に自分の大好きなことを見つめ直し、その大好きなことで勝負する覚悟のある方に、コーチングをご提供します。

  • クライアントさん自身の挑戦の過程で壁が立ちはだかることや、絶望を味わうことがあったとしても、最大の味方として伴走します。もちろん、スタンスや気合いではなく認知科学をベースにした理論をもってご支援をします。

私のコーチングを受けることをご検討いただいている方にはこんなお話しをしていて、すでに契約を決めていただいた方もいます。
何かしら自分が人生を賭けて取り組みたい大好きなモノ・コトを持っている方ばかりです。

私自身もプロコーチとしてのお仕事だけでなく、採用の仕事、ピアニスト、その他趣味や人間関係含め人生の全方位に引き続き挑戦を続け、自分自身の生き様をもってクライアントさんとともに成果を出していきます。コーチング受けたい方はぜひお問合せください!

どこにいても、どんな仕事をしていても、あのキャッチコピーの通り、これからも私は仲間と共に人の力を信じて世界を変え続けていきます。

コーチングスクールの卒業式にて。
これからもそれぞれの居場所で奇跡を起こすであろう
最高の仲間。


※コーチングに関するお問合せ
下記の私のLINEより「コーチング希望」とメッセージいただけたらと思います。

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