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「答えはあなたの中にある」のはコーチングではない

「答えはあなたの中にあります。一緒に紐解いていきましょう」
こういう感じのコーチングの謳い文句によく出会います。

私は人事という仕事柄かもしれませんが周囲にたくさんコーチがいるし、コーチングを受けている人もたくさん。それぞれいろいろな考え方・流派があって、みんな違ってみんないい的な感じなんだけど、たくさんあるからこそ自分に合ったものを選択することが本当に重要だよなあと思います。

私自身、プロコーチを目指そうと思ったのは自分もコーチングのクライアントだったことが大きなきっかけでした。この記事では、
「コーチングってつまり何?」
という問いに対して、自分自身がクライアントとしてコーチングに触れ、そして今度はプロコーチを目指す中でとっても解像度が上がってきたのでそのことを書いてみようと思います。


コーチングとの出会いを赤裸々公開!


私は今はプロコーチを目指して学んでいますが、私自身も、2021年にクライアントとしてコーチングを受けていました。

既にプロコーチとして活躍している先輩に、どなたかコーチを紹介してほしいと久しぶりに連絡してみたのが、ことの始まり。その時「なぜコーチングを受けたいのか」を聞かれて回答したメッセンジャーの文章が残っていたのでここで赤裸々公開!!

私の場合はこんな動機でクライアントとしてコーチングを受けたいと当時思っていたようです。

★背景 
・昨年から複業を始めた中で本業と複業のバランスに悩むことが多い
 ・複業でお世話になっている方に、もともと私は感性的な人間なので、いまは目的意識、やりたきこと、意志が薄いといわれている 
★コーチングで何を実現したいか?
 ・要は、自分の目的意識を明確に言語化したい 
→自分がワクワクすることやピンとくるキーワードはぱらぱらいくつかあって、それらを整理して統合していけば目的がはっきりしたりパワーの注ぎどころがわかる気がする。いまはパズルのピースみたいに散在しているものを、構造的に俯瞰・整理して、このピースを集めた先に自分が何を為したいと思っているかを明確にしたい。 
→その結果として、複業のお仕事をどんな時間軸でどんな方向感に広げていくのがよさそうかを考えてみたい。プラス、本業での仕事もどんな目的意識でどんなキャリアステップを踏むのがよさそうかを考えてみたい。

プロコーチとしてコーチングを提供する側を目指して学んでいる今、約1年前のこの文章を読んでみて、おいおい私、方向感は悪くないが、ちょっと筋悪かったね、、、と感じます。

コーチとは何をする人なのか?

「コーチ」とは、

マインド(脳・心)の仕組みに精通し、その仕組みに基づいて、人々のゴール設定・達成を支援する役割を担う人

です。人々のゴール設定と達成を支援するというのがコーチングの機能だということ。

コーチングにも色々なスクールや考え方があるのですが、私がこれからご提供するのは認知科学に基づいたコーチングです。認知科学というのは主に人間の脳と心の働きを探求することを通して人間・生物への理解を深める学問。

コーチングの生みの親は、アメリカのルー・タイスという人。「コーチング(coaching)」もルーさんの造語です。このルーさんの始めたコーチングを日本に広めたのが認知科学者の苫米地英人さん。

私がクライアントとして受けたのも、私がこれから提供していくのも、この認知科学に基づくコーチングです。

「コーチングは、共感・傾聴禁止。あと、クライアントの中に答えはない」

スクールの授業で一番最初に衝撃を受けたのがこの一言。

私はコーチングを学び始めるまで、コーチングの前提を
・共感・傾聴によって、クライアントが真に望む生き方を引き出していくもの
・どんな生き方をしていくか、その答えはクライアント自身が既に持っている
こんなふうに捉えていました。

でも、それは両方とも本来のコーチングではないということを教えてもらって、これらのことがコーチングの真骨頂だと思ってた私はめちゃくちゃびっくりしました。共感・傾聴のスキルがコーチングのスキルの高さだと思ってたし、「答えはあなたの中にある」ってほんとに思ってた。

共感・傾聴禁止って、どういうこと??苫米地英人さんの著書にこんな一説があります。

コーチングは、これまでの現状から抜け出して、まったく新しい世界、未知の世界に向かって踏み出していくためのものです。その際、重要なのは現状から抜け出すことです。一方、カウンセリングは目の前の問題を解決するものです。仕事の悩み、人間関係の悩みといったものにアドバイスを与えることで日々の改善をしていきます。その際、重要なのは現状に居続けることです。つまり、カウンセリングやメンタルトレーニングなどはいかに自分を現状に合わせていくかを目標にするものであり、逆にコーチングは今いる現状から出て新しい居場所を作ることが目標になります。

オーセンティック・コーチング(苫米地英人)

「共感・傾聴」も、「答えはあなたの中にある」という発想も、相手の現状を強化するものです。
仕事でこんな悩みがあって、上司がこんな人で苦しくて、でも本当は私はこうしたいと思っていて・・・というクライアントの話は、現状の環境の、現状の価値観で感じていること。

現状から出ることがコーチングの目標なのだから、共感・傾聴してクライアントの現状を強化するようなアクションはコーチは行わないということです。

こういう目線で「コーチング」と世の中で呼ばれているものを見てみると、カウンセリングをコーチングと名付けて展開しているものも多くあります。

いろいろな考え方があるので、他の考えを前提としたものを否定する意図は全くありません。でもクライアントとしてコーチングを受ける時には、今受けようとしているものが、「コーチング」なのか、「カウンセリング」なのかを理解した上で、自分のフェーズやニーズに沿ったものを選択した方が良いと思います。

冒頭紹介した過去のクライアントとしての私は、

(1)現在の自分の中にある価値観の延長で、自分を今の環境にフィットさせて成果を上げていく
(2)自分の本来のやりたいことを俯瞰して捉えて、それをベースにしながら、コーチの力を借りて、自分でも想像のつかない未来を描いてみたい

というこの2つの動機がぐちゃっと混ざっていました。そういう意味で、筋悪かったなと思います。(1)のように現在の延長線上の未来を描くものはコーチングではないです。(2)が本来のコーチングの機能です。

コーチと話してみたい!と思ってくださった方へ

ここまでに書いたような、認知科学に基づくコーチングに興味を持たれた方がいらしたら、そんな方とぜひシェアしたい、コーチングの大切なキーワードが5つあります。

(1)コーチングにおける「ゴール設定」
(2)エフィカシー
(3)コンフォートゾーン
(4)RASとスコトーマ
(5)セルフトーク

自分がクライアントとしてコーチングを受け始める前に先に知っていたら、もっともっと主体的なクライアントでいられただろうと思うことばかりです。

もっと詳しく知りたい!と思ってくださった方いらしたら、以下のMeetyからコンタクトください。ぜひお話ししましょう!


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