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阪急電車が運ぶ想い

こんにちは。こうのさきです。

最近肌寒くなり、読書の秋の到来を感じる今日この頃です🍁 電車に揺られながら読書、というのもまた一興ですね。

今回はそんな電車にまつわる本を紹介します。たまたま乗り合わせた人々の人生が少しずつ重なり、彼らのドラマを築いてゆきます。そして人数分のドラマを乗せた電車は決まった線路を走り続けるのです。

そんな本がこちら。

阪急列車 / 有川浩

こちらの本の目次には、宝塚駅、逆瀬川駅、小林駅、といった実在する駅の名前が綴られています。その駅に着くまで、様々な乗客のストーリーが描かれているのです。多様な乗客の視点で描かれており、乗り合わせた他の方とのささやかな交流にほっこりする作品です。

それでは私が特に好きな登場人物を、駅の名前と共に紹介していきます。


1. 宝塚駅

図書館帰りの征志は、車内で見覚えのある女性を見つけました。彼女もよく図書館を訪れており、どうやら本の好みが似ているようでした。

一方的に知っているだけかと思いきや、彼女の方も征志に気づいていたようでした。隣の席に座ったことから会話が始まり、またいつか図書館で会ったときに、と彼女は電車を降ります。

以前から彼女を意識していた彼は勇気を出し、そんな彼女の背中を追いかけます。彼らの恋はどうなってゆくのでしょう。


2.宝塚南口駅

結婚式前にマリッジブルーに入った翔子。そんな間に彼は浮気をし、浮気相手との間に子供まで作ってしまいました。別れる条件として、翔子は彼らの結婚式に招待してもらうことを提示します。

そしてその結婚式当日、翔子は白いドレスを着て参加するのです。その姿はとても華やかで美しく、新郎の目を引くほどでした。

このように復讐を終えた翔子でしたが、相手を傷つけた分だけ自分も傷ついていました。そんな彼女に声をかけたのは、たまたま乗り合わせたおばあさんでした。


3.門徒厄神駅

大学生の圭一は、電車内でとある女の子を見つけました。彼と同じ教科書を持っていることから、彼女は同じ講義を取っているようでした。その教科書をきっかけに彼女の警戒心が解け、会話が弾んでゆきます。

恋愛初心者の2人が、どんどん仲良くなっていく様子にこちらまでにやけてしまいます☺️ 阪急電車が、彼らの恋が始まった場所だなんて素敵ですよね。



このように、阪急電車では様々な奇跡が起きます。そして読み進めるうちに、同じ人物も登場し、伏線を回収したような気分になれます。

たまたま同じ車両に乗り合わせた人々が、紡ぎ出すストーリーにワクワクしながらページをめくっていきました。いつか阪急電車、今津線に乗ってみようと思いました🚃

この本が多くの方に届きますように。それではこのあたりで。


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